【2024年版】薬剤師の全国年収ランキング!厚生省データで都道府県別の比較を徹底解説

2024年3月に発表のあった、令和5年度賃金構造基本統計調査を元に都道府県別に薬剤師の年収をランキング化しました。

残業込みで最も年収が高かったのは広島県で年収705万9,500円2位は秋田県の680万4,500円3位は宮城県の672万6,000円でした。

残業込みで最も年収が低かったのは徳島県で年収463万7,100円で、年収TOPの広島県との差額は約242万円もあります。

このように、実は薬剤師の年収は地域によって大きな差があります。

この記事では、薬剤師の年収について他職との比較やあなたの働く地域での年収アップの方法などを徹底解説します。

この記事を読むと薬剤師としての年収の上げ方がわかるので、ぜひ読んでみてください。

薬剤師の年収に関する基本情報

薬剤師の年収は、勤務先や地域、経験年数など様々な要素によって変わります。

厚生労働省の調査(令和5年賃金構造基本統計調査によると、全国平均の薬剤師年収は577.9万円であり、他の医療職に比べて比較的高い水準です。

薬剤師の主な職場は、調剤薬局、病院、ドラッグストアなどであり、それぞれの求人によって年収が異なります。また、働く地域や企業規模によっても年収に差が生まれます。

薬剤師のキャリアアップ方法としては、認定薬剤師の資格を取得することや、製薬会社・治験業界へのキャリアチェンジなどが挙げられます。これらの方法により、年収をアップさせることが可能です。

都道府県別の薬剤師年収ランキング

2024年最新版_薬剤師の年収全国ランキング

全国の都道府県別の薬剤師年収を見ると、TOPは広島県で平均年収706万円となっています。次いで、秋田県で680万円、宮城県で672万円など、東北地方でも高い年収が見込まれます。

一方、徳島県では464万円高知県では491万円など、四国地方では年収が低くなる傾向があり、広島県と約242〜215万円もの差があります。

また、東北地方の青森県も499万円隣接する秋田県と181万円もの差があります。

薬剤師として就職・転職する際には、働く地域も考慮することで年収を高めることができるでしょう。

薬剤師の平均年収と業界動向

薬剤師の平均年収は業界動向にも影響を受けます。

近年、調剤薬局の数が増加する中で、薬剤師が都市部に偏重しており、地域により年収に差が出ています。

また一方で、ドラッグストアでの薬剤師の需要も増加しており、ドラッグストア勤務の薬剤師の年収も上昇傾向にあります。

特に、地域によっては薬剤師不足が深刻であり、高年収を提示する求人も珍しくありません。

病院薬剤師については、需要は横ばいで今後も安定的な雇用が予想されています。そのため、現在のところ病院薬剤師の年収に大きな変化はありません

このほか、製薬会社などの、薬局・病院以外で働く薬剤師も増えており、多様なキャリアを築くことができるようになっています。これらの業界では、スキルや経験を活かして年収をアップさせるチャンスもあります。

薬剤師でも、各業種の動向により平均年収は変動があるため、年収アップを目指す場合には今後の動向についてもリサーチしておくと良いでしょう。

年齢や性別による年収の差

年齢や性別によって薬剤師の年収に差が生まれることがあります。一般的に、経験年数が増えることで年収が上昇する傾向があります。

厚生労働省の調査(令和5年賃金構造基本統計調査によると、25~29歳の薬剤師の平均年収は470.6万円、35~39歳648.2万円55~59歳723.7万円と年齢が上がるごとに平均年収は上昇しています。

また、男性薬剤師の年収は、女性薬剤師に比べて高い傾向があります。具体的には、その年収差は約80万円です。

これは、男性が管理職に就く機会が多いことや、女性薬剤師のライフイベントによる働き方の変化があることが影響しています。

ただし、近年では女性も活躍する機会が増えており、男女の年収差は縮まってきています。2023年時点の年収の男女差は約97万円でした。

また、パートタイム薬剤師の場合、性別や年齢による年収差は小さいとされています。

平均年収としては男女差はあるものの、女性でも管理職に就くことで高年収を得ることは可能でしょう。

こんな平均年収ほど給料もらってないんだけど…

ですよね。「平均値」は高めに出る傾向があるので、実態は「中央値」を参考にした方が良いかもです。

薬剤師年収の中央値はこちらの記事で詳細解説しているので、実態に合った金額感を知りたい方はぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

薬剤師の年収中央値はいくら?30代の相場も職種別・地域別で徹底解説

職場別の年収比較:病院・薬局・ドラッグストア

薬剤師の年収は職場によって大きく異なります。病院、薬局、ドラッグストアの3つを比較してみましょう。

まず、病院勤務の場合、専門的な医療知識が求められますが、年収はやや低めで平均年収は約470万円程度です。

病院薬剤師の年収は多くの場合、医師や看護師の人材確保を優先しているために薬剤師の平均年収が抑えられています。

一方、薬局勤務では、地域密着型のサービスが特徴で、調剤薬局では医師や患者さんとのコミュニケーションが重要となります。

薬局薬剤師の年収は病院勤務と比べてやや高く、平均年収は約500万円程度です。

ただ、調剤薬局は店舗数が多く、地域と企業規模によって年収額には幅があるため、転職で年収を上げるチャンスも豊富です。

最後に、ドラッグストア薬剤師の年収は高い傾向にあり、平均年収は約520万円程度です。

ドラッグストアの年収が高い理由は、各社の店舗数の増加に伴いドラッグストアでの薬剤師の需要が高まっているからです。

またドラッグストアの薬剤師には複数店舗を管理するマネジメント業務も求められているため、年収は高い傾向にあります。

いずれの職場もメリット・デメリットがあるため、自分のキャリアや働き方に合わせて選ぶことが大切です。

働き方(雇用形態)別 薬剤師の平均年収

薬剤師の場合、働き方(雇用形態)による年収差はあるものの、実は正社員と時短社員に時給換算で大きな差はありません

厚生労働省の調査(令和4年賃金構造基本統計調査によると、短時間労働者の平均年収は287.1万円ですが、これは1日6時間・月13.5日労働した場合の年収です。

フルタイム社員と同様に1日8時間・月20日労働(週5勤務)で換算すると年収は約567万円で、薬剤師全体平均の583.4万円と大きな差はありません。

ただし、働き方によって薬剤師のライフスタイルやキャリア展望には違いがでます。

正社員は安定した高い年収が期待できますが、勤務時間が長く休みも限られることが多いです。

一方、非常勤やパートは柔軟な勤務ができるため、家庭や趣味との両立がしやすいですが、年収は正社員に比べて低くなります。

また、派遣社員の場合には高時給ではあるものの、勤務先によって年収が変動し、企業が負担する福利厚生が少ないことが多いため、自己負担が増えるリスクがあります。

各雇用形態のメリット・デメリットを総合的に考慮し、自分に合った働き方を選びましょう。

労働時間と年収の相関関係

労働時間と年収は密接な関係があります。一般的には、労働時間が長い職場や業種ほど年収が高い傾向があります。

ただし、これは必ずしも全ての場合に当てはまるわけではありません。

薬剤師の場合、病院での勤務だと労働時間が長くなる傾向がありますが、年収は比較的低めです。

一方で、調剤薬局勤務の薬剤師は労働時間が短いことが多いですが、年収は病院と比較してやや高くなることがあります。

キャリアアップを目指すなら、労働時間との対価や、スキル・経験が正当に評価される職場を選ぶことが重要です。

また、転職やキャリアチェンジを検討する際には、労働時間と年収のバランスを考慮することも大切になるため、自身のライフスタイルに合わせて職場を選択していきましょう。

2. 薬剤師と他の職種の平均年収の違い

薬剤師の平均年収は、他の職種と比較しても高い水準にあります。

しかし、職種や業界によっては、薬剤師よりも高い年収を得ている人もいます。

以下では、薬剤師と他の職種の平均年収について詳しく見ていきます。

2-1. 薬剤師の平均年収と全産業の平均年収比較

厚生労働省の統計によれば、薬剤師の平均年収は577.9万円で、全産業の平均年収約443万円よりも高い水準にあります。

これは薬剤師の資格の需要が高く、需要と供給のバランスが影響していると考えられます。

また、年齢や経験によっても年収に差が出るため、これらも考慮に入れて評価する必要があります。

2-2. 薬剤師の平均年収と医療従事者の平均年収比較

薬剤師は年収が低すぎるという声も多く聞かれますが、実は医療従事者の中でも薬剤師の平均年収高い部類です。

統計的には、医療従事者8業種の中では3番目に高い年収になっています。(医療従事者8業種:薬剤師、歯科医師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士ほか、看護師、准看護師、医師)

例えば、看護師の平均年収は約508.2万円で、薬剤師に比べて約70万円低い水準にあります。

また、医師の平均年収は1436.5万円と突出して高いものの、専門性や責任の度合いが異なるため、直接比較することは難しいです。

薬剤師は他の医療従事者と比較して高い年収を得ている反面、求められる業務の専門知識や技能は高いものになります。

もし現在の年収が薬剤師の平均年収より低い場合には、薬剤師資格を活かして職場を変えることで年収を上げることが可能でしょう。

2-3. 薬剤師の平均年収と看護師の平均年収比較

令和5年厚生労働省の調査によると、薬剤師の平均年収は577.9万円です。一方、看護師の平均年収は508.2万円となっており、薬剤師の方が年収が高い傾向にあります。

これは、薬剤師の資格取得が難易度が高く、専門知識を持つため、給与面で評価されやすいことが理由とされています。

しかし、勤務形態や勤続年数等の要素によって差があるため、一概に薬剤師が看護師よりも高給であるとは言い切れません。

2-4.薬剤師の平均年収と歯科医の平均年収比較

薬剤師の平均年収に対して、歯科医の平均年収は約924.3万円となっており、歯科医の方が年収が高いことがわかります。

歯科医は医療系の専門職であり、独立開業が多いため、経営者としての収入が加算されることが要因と考えられます。

近年では、歯科医の数が増加している背景から、試験制度が合格基準が絶対評価から相対評価へ改定されています。

これにより、歯科医の年収に影響は出てくるでしょう。

もちろん、個人差はありますが、薬剤師によっては年収が歯科医並みに高い場合もあります

2-5.薬剤師の平均年収と医師の平均年収比較

医師の平均年収は1436.5万円と薬剤師の平均年収の約577.9万円と比較して、大幅に高いことがわかります。

医師は高度な専門知識や技術が求められる職種であり、医療の中心となる役割を担っているため、その責任や重要性が年収に反映されています。

ただし、医師の場合も、勤務先や専門分野、勤続年数などによって年収に差があります。

3. 薬剤師の年収アップのための方法

薬剤師の年収アップのためには、以下の方法が考えられます。

  1. 業種と職種、雇用形態を見直す
  2. 企業や製薬会社でキャリアアップ(昇進)を目指す
  3. 薬局やドラッグストアで管理薬剤師を目指す
  4. 認定薬剤師などの資格取得を目指す
  5. 転職や派遣を検討する

年収アップのためには、自分自身を磨くことと、市場価値を高めるための努力が重要です。

3-1. 業種と職種、雇用形態を見直す

薬剤師の年収アップを目指すには、業種、職種、雇用形態を見直す方法があります。

業種に関しては、調剤薬局やドラッグストアだけでなく、製薬会社やメーカーなど、幅広く選択肢を検討するのがおすすめです。

職種においても、調剤業務だけでなく、医療情報管理や薬品の研究開発など、専門性の高いスキルと年収を得られる職種もあります。

また、雇用形態によっても年収に差があります。

契約社員や派遣で働くケースもありますが、正社員の方が年収は高い傾向にあります。

ただし、正社員の場合には働き方の柔軟性は企業によるので、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。

3-2. 企業や製薬会社でキャリアアップ(昇進)を目指す

企業や製薬会社で働く薬剤師は、キャリアアップを目指すことで年収を上げることが可能です。

企業や製薬会社での昇進はスキルアップや知識の習得が必要とされますが、昇進に伴って年収も大幅に上昇します。

製薬会社の平均年収は700〜800万円ほど。大手企業では30代後半では年収1,000万円を超えます。そのため、転職すれば大幅な年収アップが見込めます。

ただし企業や製薬会社の求人は多くはないので、情報をこまめにチェックして、転職しやすい企業薬剤師の求人が出るタイミングを逃さないことが大切です。

未経験でも薬剤師として企業に転職できる職種はこちらの記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

未経験でも薬剤師が企業へ転職できる?おすすめ5つの職種

3-3.薬局やドラッグストアで管理薬剤師を目指す

薬局やドラッグストアで働く薬剤師は、管理薬剤師を目指すことで年収をアップさせることが可能です。

管理薬剤師の平均年収はおよそ600〜700万円

管理薬剤師になるためには、薬局やドラッグストアでの経験を積み、業務や人事管理のスキルを身につける必要があります。

その後、管理薬剤師の資格を取得すれば、より高い給与が得られる職位に就くことができます。

組織の中でリーダーシップを発揮し、店舗運営やチームビルディングに対する知識を身につけることで年収アップを図れるでしょう。

3-4.認定薬剤師などの資格取得を目指す

認定薬剤師や専門薬剤師などの資格取得を目指すことで、年収アップが期待できます。

認定薬剤師は、特定の分野における専門知識や技術を持つ薬剤師であり、その評価が高まることで給与も上昇するケースがあります。

また、専門薬剤師は、臨床開発や医療情報管理などの分野で活躍し、高い収入を得ることができます。

資格取得を目指す際は、自分の興味や適性を考慮して年収アップにつながるのか、調べてみましょう。

3-5. 転職や派遣を目指す

薬剤師の年収アップを目指して、転職や派遣を考える人もいます。

転職を検討する理由は、より良い待遇や働く環境、キャリアアップのチャンスを求めるためです。

また、業種や職種を変えることでスキルの幅を広げることもできます。

派遣は、自分に合った勤務地や時間、期間を選ぶことができますし、時給も正社員と差がありません

このため、プライベートとのバランスを重視する薬剤師にも適しています

いずれの場合も、転職サイトや転職エージェントを利用することで、求人情報や労働条件の比較が可能です。

ただし、転職や派遣の選択には注意が必要で、給与や労働条件だけでなく、スキルやキャリアの観点からも慎重に検討しましょう。

4. 薬剤師の年収に関するQ&A

ここでは、薬剤師の年収に関する疑問や質問に回答します。

年収に影響する要素や、適切な待遇を得る方法について知ることができるので、ぜひ参考にしてください。

4-1. 新卒薬剤師の初任給の相場は?

新卒薬剤師の初任給は、約373万円です。(厚生省賃金構造基本統計調査より)

ただし、病院や調剤薬局、ドラッグストアなどの勤務先によっても初任給の額は変わります。

また、地域によっても年収に開きがあるため、転職や地域選びを検討する際には、その点も考慮してください。

薬剤師の初任給ガイドは、以下の記事も参考にしてみてください。

薬剤師の初任給ガイド!勤務先・地方別の知るべき給与の実態

4-2. 転職市場での年収アップの可能性は?

転職市場では、経験やスキルを評価してもらえることで、年収アップの可能性があります。

なぜなら現在薬剤師はまだ売り手市場で、高い年収を提示している企業は多くあるためです。

勤続年数や経験が浅くても、製薬会社などのより高い年収を提示している企業に転職している薬剤師も多くいます。

また、薬局や病院への転職でも、より高い年収の求人への転職で年収アップすることが十分に可能です。

4-3. 薬剤師の年収は本当に低すぎる?

実は、全体的に見れば薬剤師の平均年収は、他の専門職に比べて低いわけではありません

しかし、業務の専門性や資格取得までの投資コストを考えれば、薬剤師の年収は低すぎると言えます。

特に病院薬剤師は業務の責任や専門性が高いのにも関わらず、年収は低くなる傾向にあります。

一方で、病院と比較して専門性が高くないドラッグストアで働く薬剤師の方が、病院や調剤薬局で働く薬剤師よりも年収が高くなるケースが多くあります。

薬剤師の年収が低すぎると感じる場合には、薬剤師の年収が低すぎる3つの理由と年収アップのコツでも年収アップの方法を解説しているので、参考にしてみてください。

薬剤師の年収は低すぎるのか? 薬剤師の年収が低すぎる3つの理由と年収アップのコツ

4-4. パート薬剤師の時給相場はどれくらい?

パート薬剤師の時給相場は、全国平均で見ると、パート薬剤師の時給はおおよそ2845円です。(厚生省賃金構造基本統計調査より)

ただし、都市部近郊の地方部では時給が高く、大都市部では低くなる傾向があり、勤務地や業務内容・経験年数によって異なります。

また、ドラッグストアでの勤務は、調剤薬局や病院に比べて時給が高いことが一般的です。

パート薬剤師の平均時給を徹底解説!おすすめ職場はココ!でも詳しく解説しています。

パート薬剤師の平均時給を徹底解説!おすすめ職場はココ!

5.まとめ|薬剤師の年収と今後の

薬剤師の年収は、勤務地や職場の種類、経験年数などによって大きく変わります。

また、パート薬剤師の時給も同様に、場所や業務内容によって異なります。

今後のキャリアを考える際には、年収だけでなく、働き方や労働環境も考慮しましょう。

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