まず、薬剤師で年収1000万円を目指すことは可能です。達成する方法は以下の3つになります。
- 現職での昇進を狙う
- 高年収企業への転職を狙う
- 副業から収入を増やす
日本全国の薬剤師の平均年収は583万円。しかし業種別に見ると、ドラッグストア・調剤薬局・病院・製薬会社などでの薬剤師の平均年収は異なります。
このほか、薬剤師で年収1000万円を目指す場合は、製薬企業のMR、外資系CRO業界でのCRA職なども薬剤師のキャリアの選択肢に入ります。
この記事を読むことで、年収1000万円を達成するまでに要する時間や、必要なスキルセットもわかりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. 薬剤師で年収1000万は実現可能？平均年収を比較
薬剤師として年収1000万円を実現することは可能ですが、平均年収と比較すると高額になります。
薬剤師の平均年収や業種別の年収を比較し、本当に薬剤師で年収1000万円を達成できるのか解説します。
1-1,日本全国の平均年収と年収1000万円の割合
日本全国の平均年収は約450万円であり、年収1000万円の割合は約5％と言われます。
年収1000万円を稼ぐためには、この約5％のポジションに移ることが必要で、このポジションを取るための競争を勝ち抜く必要があります。
1-2,薬剤師の平均年収は583万円
薬剤師の平均年収は約583万円で、他の職種と比較しても高い水準にあります。
しかし、この平均年収は薬剤師全体を対象にしたものであり、年収1000万円を達成するためには、さらにスキルアップや経験の積み重ねが求められます。
なお、薬剤師の年収は都道府県により大きな差があります。
隣の県と100万円も年収が異なるケースもありますので、薬剤師の全国平均年収ランキングなどで確認してみてください。
【2024年版】薬剤師の全国年収ランキング！厚生省データで都道府県別の比較を徹底解説
1-3.業種別の薬剤師の平均年収はいくら？ドラッグストア・調剤薬局・病院・製薬会社
業種別の薬剤師の平均年収は、ドラッグストアが約600万円、調剤薬局が約550万円、病院が約580万円、製薬会社が約650万円となっています。
製薬会社で働く薬剤師が最も高い年収を得ていることがわかります。
特に大手製薬会社の場合には平均年収で1000万円を超える企業も少なくありません。
薬剤師で年収1000万円を目指すには、平均年収の高い業種および企業への転職も選択肢の一つになります。
製薬会社で働く薬剤師の年収については以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
製薬会社で働く薬剤師の年収と9つ仕事内容｜働きやすさと口コミを徹底解説！
1-4.年収1000万円を目指す薬剤師は、40歳前後までに達成が一般的
薬剤師が年収1000万円を達成するためには、通常40歳前後までかかることが多いです。
スキルや経験の積み重ねが年収アップにつながりますが、それには個々の努力や運も大きく影響します。
年収1000万円を目標にする場合、自分のキャリアを意識して計画的にデザインし、継続的に努力が求められます。
1-5.薬剤師が年収1000万円を目指すには
年収1000万円を目指す薬剤師には、長期的なキャリアプランの策定と独自のスキル習得が必須です。
自分の得意分野や興味を見つけ、その領域で専門性を高めることが大切です。
現実的に、病院や調剤薬局で長期間勤務しても高収入を得ることは難しいと言われます。
しかし、製薬企業や外資系のCRO業界、大手ドラッグストアのマネジメントポジションなど、他業界や職種への転職で大幅な収入アップが見込めます。
また、経営やマーケティング、営業スキルの獲得によって年収をアップさせることも可能です。これらのビジネススキルは年収アップだけでなく、キャリアの幅を広げる助けにもなります。
2. 薬剤師が年収1000万円以上を実現する業界と職種
薬剤師が年収1000万円以上を目指すには、製薬企業のMRや品質管理および研究職、外資系CRO業界のCRA、大手ドラッグストアのグループマネージャーなど、異業界や異職種への転職が鍵となります。
これらの業界や職種では、専門性を活かしながらも、ビジネススキルが重視されるため、高い年収が見込めます。
2-1.製薬企業の医薬品担当MR
製薬企業の医薬品担当MRは、医薬品情報の提供や営業活動を行う役割です。
薬剤師の専門知識を活かして医師と円滑なコミュニケーションができるため、年収1000万円以上が見込める職種の一つといえます。
ただし、競合他社との競争も激しく、営業成果によっては高収入が得られないこともあります。
MRの給料は高すぎとの意見もあります。実際の年収の実態も以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
MRの給料は高すぎ？30代製薬会社営業が年収1000万超えの裏側
2-2.外資系CRO業界でのCRA職
外資系CRO業界でのCRA職は、臨床試験の進行管理やデータ収集を行い、新薬開発に従事する仕事です。
専門性が高く求められるだけでなく、英語力も必須とされるため、高い収入が期待できる職種です。
薬剤師としての経験を活かして年収1000万円以上を実現できる職種であるため、転職する薬剤師も少なくありません。
CRA（臨床開発モニター）の企業年収ランキングTOP15を以下の記事でまとめています。参考になると思うので、ぜひ読んでみてください。
CRA（臨床開発モニター）年収ランキングTOP15！知っておきたいCRA年収の特徴4つ
2-3.大手ドラッグストアでのマネージャー職
大手ドラッグストアでのマネージャー職は、複数の店舗を統括し、業績管理や人材育成に取り組むポジションです。
薬剤師の経験を活かしながら、経営やマーケティング能力が要求されます。
大手ドラッグストアのマネージャー職は求人募集でも高い年収が提示されることも多く、年収1000万円以上が見込めます。
管理職未経験からであれば、転職後の昇進が薬剤師のキャリアステップとなるでしょう。
2-4. 地方の調剤薬局における管理薬剤師
地方の調剤薬局にて管理薬剤師として従事することで、高い年収を得ることが可能となります。
管理薬剤師は薬局の業務全般を監督する役目であり、薬剤師としての専門スキルはもちろん、労務管理や経営に関わる知識も不可欠です。
一般的に地方での勤務では、都市部と比較して人手不足が深刻な状況にあり、高い給与が支払われている状況です。
また、地方では大手薬局チェーンの出店が難しいことから、独立系の薬局が多く存在し、地域密着型のサービスが求められています。
地方勤務には都市部と比較して住居費が安いという利点があり、手当や福利厚生が充実していることも考えられます。
ただし、地方での勤務を望む場合、都市部と比べて求人数が少ないこともあるため、転職サイトやエージェントの活用がお勧めです。
地方で高年収を実現するためには、薬剤師としての実績やスキルの向上と同時に、地域のニーズに対応できるサービスを提供する柔軟性が必要です。
3. 年収1000万円を目指す薬剤師の3つの戦略
薬剤師が年収1000万円を狙うためには、以下の3つの戦略を組み合わせて効果的に取り組むことが重要です。
- 現職での昇進を目指す方法
- 高年収企業への転職を狙う方法
- 副業からの収入増加を図る方法
3-1. 現職における昇進を目指す | 長期戦で難易度は高い
現職での昇進を目指す方法は、長期的な取り組みが必要で難易度は高いと言えます。
昇進によって年収が上がることが期待できますが、他社と比較して昇進スピードが遅かったり、昇進に伴う負担が大きい場合もあります。
自分のスキルや経験を活かし、社内での評価を向上させることが重要です。
3-2. 高年収企業への転職を狙う | 短期戦で難易度は中程度
高年収企業への転職を狙う方法は、短期間の取り組みで年収アップが可能で難易度は中程度です。
企業の規模や業績が良好であり、平均年収の高い企業に転職することで、高年収が期待できます。
転職サイトやエージェントを活用して、自分に適した求人情報を見つけて応募することがポイントです。
3-3. 副業を通じて収入を増やす | 短期戦で難易度は中程度
意外にも、副業から収入を増やす方法は企業での昇進を目指すより難易度は低いです。
副業の種類にもよりますが、短期〜中長期的な取り組みで年収を大きく伸ばすことが可能です。
難易度も中程度で、特に専門性の高い薬剤師資格とスキルを活用できるため非常に有利であることは間違いありません。
ただし、副業に取り組む際には、会社の規則や法律を遵守しなければならないため、就業規則をよく確認することと、取り組む副業を選ぶことが重要です。
4.薬剤師が年収1000万円を目指すときの3つの確認ポイント
年収1000万円を目指す薬剤師にとって、以下の3つの確認ポイントが重要です。
- 昇給・昇進率と1000万円までに必要な年数
- 年収1000万円以上の薬剤師求人の正確な情報
- 勤務先企業で副業が許可されているか
これらのポイントを押さえることで、目標年収に近づくことができます。
4-1.昇給・昇進率と1000万円までに必要な年数
年収1000万円を目指す薬剤師にとって、昇給・昇進率は重要な要素です。
現職の昇給・昇進率を調べ、現在の収入から年収1000万円になるまでに必要な年数を計算してみましょう。
仮に年収1000万円が実現できても、希望の時期までに間に合わない場合にはキャリアプランの見直しも必要です。
企業の昇給・昇進率の情報は転職エージェントが持っているため、年収1000万円を達成したい薬剤師はエージェントに確認して企業を選ぶことをおすすめします。
4-2.年収1000万円以上の薬剤師求人の正確な情報
年収1000万円を目指す薬剤師にとって、正確な求人情報は重要です。
求人票に年収1000万円と書いてあっても、最大で年収1000万円として掲載している企業も多く、採用時には年収1000万円以下となることも少なくありません。
そのため、求人票を見てすぐに応募するのではなく、正確な情報を転職エージェントに確認してから選考に進んだ方が良いでしょう。
4-3.勤務先企業で副業が許可されているか
年収1000万円を目指す場合、副業を含めた収入が大きな影響を与えます。
勤務先企業で副業が許可されているかチェックし、自分に適した副業を見つけることが重要です。
副業を通じてスキルアップやキャリアの幅を広げることで、年収アップにつながる可能性が高まります。
5.薬剤師が転職して年収1000万円を達成する際の狙うべき5つの求人
年収1000万円を目指す薬剤師が転職する際に狙いたい求人を具体的に紹介します。
また紹介する5つの求人以外にも、年収1000万円を目指せる職種もあります。
高年収を実現できる求人は、以下の5つの特徴を持つため、高年収を求人を探す際の参考にしてみてください。
- 自分の経験・スキルを活かせる企業
- 昇給・昇進率が高い企業
- 副業が可能な企業
- 大手企業や成長が見込まれる企業
- 給与条件が優れている企業
5-1.製薬会社の企業薬剤師
製薬会社の企業薬剤師は、年収が高い職種の一つです。
企業薬剤師は新薬の開発や治験に関わるため、専門的な知識や技術が求められ、その結果給与水準が高くなります。
さらに、製薬会社は大手企業が多く福利厚生も充実しています。
ただし、企業薬剤師への転職は競争が激しく、求人数が限られていることに留意が必要です。
5-2. 管理薬剤師・専門薬剤師など、別途手当のある職種
管理薬剤師や専門薬剤師は、それぞれ手当がつくことが一般的で、職種によっては年収が高くなる傾向があります。
管理薬剤師は、薬局や病院の調剤業務を統括し、専門薬剤師は特定の分野でのスキルや知識が求められます。
ただし、これらの職種に就くためには、経験やスキルが必要であり、場合によっては独自の資格取得が求められることもあります。
5-3. ラウンド勤務ができる薬剤師
ラウンド勤務ができる薬剤師は、病棟を回り患者や医師と連携し、服薬指導や薬剤管理を行う職務が求められます。
これにより、専門知識や臨床経験が豊富な薬剤師は、年収が高い傾向にあることが多いです。
ただし、病院での勤務が多いため、残業や休日出勤があることがデメリットと言えるでしょう。
5-4. 高年収の地方勤務薬剤師
地方勤務の薬剤師は、地域によっては薬剤師不足が深刻化しているため、高年収を得られるケースがあります。
さらに、地域医療の担い手として重要な役割を果たし、地域住民との信頼関係も築くことができることがメリットです。
ただし、地方での生活に慣れる必要があり、独自の人材ネットワークを築くことが求められることもあります。
5-5. 大手ドラッグストアの薬剤師（マネージャークラス）
大手ドラッグストアの薬剤師（マネージャークラス）は、店舗運営や従業員管理などの業務を担当し、年収が高い傾向にあることが期待できます。
また、大手企業であることから福利厚生も充実しています。ただし、マネージャー職としての責任が大きく、働く店舗や地域によっては残業や休日出勤があることもデメリットとなります。
6. 薬剤師の年収1000万円達成の秘訣
薬剤師の年収を1000万円まで引き上げるためには、専門的な資格の取得やマネジメント能力の習得、コミュニケーション能力の向上など、幅広い分野でのスキルアップが不可欠です。
これらを身につけることで、高収入を得られる職場やポジションへアプローチ可能になります。
6-1. 認定薬剤師や専門薬剤師などの専門的な資格取得
認定薬剤師や専門薬剤師といった専門的な資格を取得することで、その分野における専門性やスキルが認められ、年収が上がる可能性が高まります。
資格取得には努力や時間が必要ですが、それに見合う報酬が得られるでしょう。
6-2.専門知識や認定資格を活用した臨床開発や研究職へのチャレンジ
臨床開発や研究職では、専門知識や認定資格が重要な要素となります。
これらを活用して新しい医薬品の開発や病態解析などの高度な仕事に携わることができれば、年収が大幅に上昇する可能性があります。
また、研究成果が評価されれば、報酬がさらに増えることも期待できます。
6-3. 管理職・ラウンド薬剤師としての管理能力の習得と向上
管理職やラウンド薬剤師において、薬剤師としての専門知識だけでなく、チーム運営や業務改善を含むマネジメント能力が必要とされます。
これらのスキルを身につけることで、組織全体のパフォーマンスを向上させ、年収アップにつながる可能性があります。
6-4. 営業職におけるコミュニケーション能力のスキルアップ
営業職では、円滑なコミュニケーションを通じて取引先や顧客との信頼関係を築くことが求められます。
この能力を持つことにより、売上や業績への貢献が期待され、結果的に年収アップや昇進のチャンスが増えるでしょう。
6-5. 素直さと行動力：転職活動や副業への積極的取り組み
薬剤師として年収を上げるためには、柔軟性と行動力が重要です。
転職活動や副業への積極的な姿勢が、キャリアアップを実現するための要素となります。
具体的には、転職サイトやエージェントを活用して自分に適した求人を見つけたり、副業でスキルや知識を習得するために自己投資を行うことが挙げられます。
7. 薬剤師が目指すべきスキルセットと将来のキャリアプラン
薬剤師にとって必要なスキルセットは、調剤や薬剤管理だけでなく、コミュニケーション能力やマーケティングスキル、業務改善や経営に関する知識など多岐にわたります。
これらのスキルを習得することによって、将来のキャリアパスが広がります。
今後のキャリアプランとしては、専門性の高い分野への転職、新たな資格の取得、独立開業、企業や病院の経営参画などが考えられます。
自分の将来の目標を明確にし、スキルセットを磨くことで、充実した薬剤師キャリアを築くことができます。
さらに上を目指したい！年収2000万円までは行きたい！という方は以下の記事を参考にしてみてください。
薬剤師で年収2000万円を達成するための具体的な方法を解説しています。
薬剤師で年収2000万円は可能？転職・開業・副業の3つの方法を徹底比較
まとめ：年収1000万円を目指す薬剤師の条件と対策
薬剤師が年収1000万円を目指すために必要な条件と対策は、適切な勤務地や職場の選択、スキル習得や経験の積み重ね、そして素直さと行動力の維持です。
これらの要素を踏まえて具体的なキャリアプランを策定し、実践することで目標達成に近づくことができます。
本記事の情報を参考に、自分のキャリアを見つめ直し、次の一歩を踏み出すためのアクションを始めてみてください。
