履歴書の書き方とは?基本ルールや薬剤師経験を生かした自己PRの書き方を解説

  • 育児でブランクがあるけど、履歴書にどう書けばいいかわからない
  • 久しぶりの転職活動で、履歴書の書き方のルールを忘れてしまった
  • 薬剤師経験をうまくアピールできる自己PRが思いつかない

薬剤師からの転職をする際は、まず履歴書の作成が必要です。仕事と家庭・育児の両立に悩んで転職する場合、希望条件や実務経験の書き方に迷うかもしれません。

この記事では薬剤師の転職に特化した履歴書の書き方や提出方法を網羅的に解説します。記事を読めば採用担当者の目に留まる履歴書の書き方がわかります。

採用担当者の目に留まる履歴書を書くためには基本情報を押さえたうえで、薬剤師としての経験や強みを伝えることが大切です。履歴書の書き方のポイントを理解し、希望の働き方に向けて第一歩を踏み出しましょう。

履歴書の基本的な書き方

履歴書は応募者の第一印象を決める重要な書類です。採用担当者に良い印象を与えるためには、履歴書の基本的な書き方のルールを守ることが求められます。履歴書の基本的な書き方は以下のとおりです。

  • 基本情報欄の書き方
  • 学歴・職歴欄の書き方
  • 資格・免許欄の書き方
  • 薬剤師経験を生かした自己PR欄の書き方
  • 本人希望記入欄の書き方

基本情報欄の書き方

基本情報欄は採用担当者が応募者の情報を最初に知るパートです。基本情報欄をもとに今後の選考の連絡が来るため、間違いがないように正確に書きましょう。基本情報欄の書き方のポイントは以下のとおりです。

日付
日付は履歴書を出す日(ポストに投函する日や会社に持っていく日)を書きます。履歴書全体で令和などの和暦か、2025年などの西暦かに統一してください。
氏名
氏名は戸籍に書かれている正しい漢字で記入します。ふりがな欄は「ふりがな」とあればひらがな「フリガナ」とあればカタカナで記入します。
証明写真
3か月以内に撮影した写真を使います。万が一はがれても誰の写真かわかるように、裏に名前を書いておくと安心です。
年齢
年齢は履歴書を提出する日時点での満年齢を記入します。
住所
住所は都道府県から省略せず、アパートやマンション名、部屋番号まで正確に記入します。
電話番号
日中に連絡がつきやすい携帯電話の番号の記入がおすすめです。
メールアドレス
メールアドレスは採用担当者が確認しやすい、自分の名前などを用いたシンプルなアドレスを記入してください。
連絡先欄
連絡先欄には今の住所以外に連絡を希望する場合のみ書きます。希望がなければ「同上」と記入します。

学歴・職歴欄の書き方

学歴・職歴欄は応募者の今までの経歴を正しく伝えるための項目です。採用担当者に経歴を正確に理解してもらうため、ルールに沿って丁寧に書きましょう。学歴は中学校卒業から書き始めます。学校名は正式名称を記入し、学部・学科・専攻名まで記入してください。

学歴をすべて書き終えたら、一行空けて中央に「職歴」と見出しを書きます。職歴の書き方は以下のとおりです。

  • 会社名は正式名称
  • 勤務先と配属部署を明記
  • 業務内容を簡潔に記載
  • 退職理由を明記

会社名は「(株)」と略さず「株式会社」と正式名称で書きます。業務内容には「入社」「退職」の年月を正確に書き、調剤業務や服薬指導に従事などと仕事内容を簡潔に添えましょう。すべての職歴を書き終えたら、改行して右端に「以上」と記入して締めくくります。

育児などで一定期間職場を離れていた場合はブランク期間と離職の理由、復職への意欲を示しましょう。

資格・免許欄の書き方

資格・免許欄は応募者のスキルや仕事への意欲を証明できる項目です。以下の書き方のポイントを実践すれば、採用担当者に良い印象を与えられます。

順番と名称
取得した年月日が古いものから順に正式名称で記入します。
専門的な資格
認定薬剤師や専門薬剤師など、専門性をアピールできる資格は必ず記入しましょう。
その他の役立つ資格
普通自動車運転免許やTOEICなどの語学力、MOSといったパソコンスキルもアピール材料として有効です。
勉強中の資格
「〇〇取得のため勉強中」と書くと、学習意欲の高さを示せます。

薬剤師免許は「薬剤師免許 取得」と取得した年月日を正確に記入します。記入する資格がない場合は空欄にせず「特になし」と記入してください。

薬剤師経験を生かした自己PR欄の書き方

自己PR欄は応募者の強みや入社後にどう貢献できるかをアピールする項目です。最初に「私の強みは〇〇です」のように結論から書き始めることで、採用担当者に効果的にアピールできます。自己PR欄を作成する際は、以下の書き方を意識しましょう。

  • 強みを裏付けるエピソードを添える
  • 実績を具体的な数字で示す
  • コミュニケーション能力をアピールする
  • チームで働く力を示す
  • 応募先との関連を示す
  • 入社後の意欲を伝える

薬剤師として培ってきた経験やスキルをどのように応募先で生かせるかを具体的に記入しましょう。
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本人希望記入欄の書き方

本人希望記入欄は「貴社の規定に従います」と書くことが基本です。どうしても譲れない条件がある場合に限り、本人希望記入欄に具体的に記入してください。本人希望記入欄の書き方の例は以下のとおりです。

勤務時間
子どもの保育園送迎のため、9時から16時までの勤務を希望します。
職種
○○職を希望します。(複数の職種で募集が出ている場合)
勤務地
○○市内での勤務を希望します。

給与についての希望は募集要項に特別な記載がない限り、本人希望記入欄には書かないケースが一般的です。本人希望記入欄を空欄のまま提出すると、仕事への意欲が低いと受け取られる可能性があるので注意しましょう。

履歴書の書き方のポイント4つ

履歴書を作成する際は基本ルールに加えて以下のポイントを押さえることで、採用担当者への印象が大きく向上します。

  • 文字のフォントとサイズを統一する
  • 空欄や記入漏れを防ぐ
  • 古い履歴書の使い回しを避ける
  • 誤字・脱字を確認する

文字のフォントとサイズを統一する

履歴書に書く文字のフォントとサイズは書類全体で統一しましょう。文字のフォントやサイズを統一すると読みやすく、丁寧な印象を与えられる履歴書になります。

パソコンで履歴書を作成する場合は、読みやすい明朝体やゴシック体の基本的なフォントを選んでください。本文の文字サイズは10.5~11pt、氏名の文字サイズは14~18ptが最適です。

手書きの場合は黒のボールペンを使用します。文字の大きさを統一して書くときれいに整った履歴書に仕上がります。

空欄や記入漏れを防ぐ

履歴書に空欄や記入漏れがあると、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。記入する内容がない場合でも空欄にせず、特になしと記入することが履歴書の書き方のマナーです。以下の項目は忘れやすいため提出前に必ず確認してください。

  • 提出日
  • 氏名や住所のふりがな
  • 学歴・職歴の最後に書く「以上」
  • 証明写真の貼り付け

古い履歴書の使い回しを避ける

履歴書は使い回しを避けて、応募する企業ごとに新しく作成することがマナーです。応募する企業が求めている人物像を考え、志望動機や自己PRを企業に合わせて履歴書を書き直す必要があります。履歴書を新しく作成する際は以下の点を見直しましょう。

  • 志望動機・自己PR
  • 日付
  • 証明写真
  • スキル・資格

履歴書に記入されている情報が更新されていない場合や応募企業に合わせた内容でない場合、意欲や熱意を十分に伝えられません。応募する企業に合う書き方をした履歴書を用意しましょう。

誤字・脱字を確認する

履歴書を書き終えたら提出前に誤字・脱字がないか必ず確認しましょう。履歴書に誤字や脱字があると、注意力が足りないという印象を採用担当者に与えてしまいます。誤字・脱字を防ぐ確認方法を以下に紹介します。

  • 時間を置いて見直す
  • 声に出して読む
  • 家族や友人など、他の人にも読んでもらう
  • パソコンの文章チェック機能やツールを使う
  • 紙に印刷して確認する

履歴書の提出方法

履歴書の提出方法は応募先の指示に従うことが基本です。履歴書の提出方法は郵送、メール、面接時持参の3パターンがあります。

郵送する

履歴書を郵送する際はマナーを守り、採用担当者に良い印象を与えるようにしましょう。履歴書を入れる封筒はA4サイズの書類が折らずに入る「角型2号」が最適です。封筒の表面左下に赤字で「応募書類在中」と記入し、定規で四角く囲んでください。宛名は会社名や部署名を省略せずすべて記入し、担当者不明の場合は「採用ご担当者様」と記入します。

応募書類は添え状、履歴書、職務経歴書の順に重ねます。折れや水濡れを防ぐために応募書類をクリアファイルに入れてから封入してください。封筒の裏面に自分の住所と氏名を書き、封をした部分に「〆」を記入します。

郵便料金が不足しないよう、ポスト投函ではなく郵便局の窓口で重さを測ってから履歴書を送ると安心です。提出期限が「必着」と「消印有効」のいずれかを確認し、余裕を持って履歴書を郵送しましょう。

メールで送る

履歴書をメールで送る際は基本的なルールとマナーを守り、社会人としての常識をアピールしましょう。メールを送る際は以下の5つのポイントを押さえてください。

件名
「【応募職種】履歴書ご送付の件/氏名」のように、ひと目で内容がわかるように書きましょう。
本文
宛名、挨拶、用件、結び、署名(氏名・住所・連絡先)を簡潔に記入します。
PDF形式
履歴書や職務経歴書は、WordやExcelのままではなくPDF形式に変換して添付することがマナーです。
ファイル名
「履歴書_氏名.pdf」のように、内容と氏名がわかるファイル名にしましょう。
パスワード設定
履歴書や職務経歴書には個人情報が含まれるため、添付ファイルにパスワードを設定し、パスワードは別のメールで送ると安心です。

丁寧でわかりやすいメールは数多くの応募メールの中でも採用担当者の印象に残りやすくなります。

面接時に持参する

面接時に履歴書を持参する場合、渡し方に配慮することで面接官に誠実さを示せます。履歴書は第一印象を決める重要な書類なので丁寧に準備し、落ち着いて渡しましょう。面接で履歴書を渡す際に必要な準備と流れは以下のとおりです。

  1. 履歴書は折らずにクリアファイルに入れる
  2. A4サイズが入る白い封筒(角形2号)を用意し、クリアファイルごと入れる
  3. 封筒の表の左下に赤字で「履歴書在中」と書き、裏に自分の住所と氏名を記入する
  4. 封筒はすぐに取り出せるように、のり付けしない
  5. 面接官から求められたタイミングで封筒から出し、相手が読みやすい向きで両手で渡す

履歴書の書き方に関するよくある質問

履歴書の書き方に関するよくある質問は以下のとおりです。

  • 履歴書は手書きで書くべき?
  • 「御社」と「貴社」の使い分け方は?
  • 履歴書の適切な様式は?
  • 履歴書と職務経歴書の違いは?

履歴書は手書きで書くべき?

企業からの指定がなければ、履歴書はパソコンでの作成がおすすめです。パソコンで作成した履歴書は誰が読んでも読みやすく、修正も簡単に行えます。

手書きの履歴書には熱意や丁寧な人柄を伝えられるメリットもあります。手書きで履歴書を書く際は黒のボールペンを使い、誰が読んでも読みやすい書き方を心がけましょう。

「御社」と「貴社」の使い分け方は?

「御社」と「貴社」は使う場面によって明確に使い分ける必要があります。履歴書やメールの文章で使う書き言葉は「貴社」で、面接や電話で直接話すときに使う話し言葉は「御社」を使います。

会話で「きしゃ」を使うと「記者」や「帰社」など、同じ音で違う意味の言葉と聞き間違えやすいため、面接では「御社」を使うことが一般的です。履歴書や職務経歴書、エントリーシートなどの応募書類には「貴社」と記入してください。応募先が銀行の場合は貴行(きこう)、病院の場合は貴院(きいん)と呼び方が変わる点にも注意が必要です。

履歴書の適切な様式は?

履歴書の様式は応募する企業から指定がなければ、JIS規格のものを選ぶと安心です。JIS規格の履歴書は国が定めた基本的な形で、採用担当者も見慣れている一般的な形式です。自分の強みを強調したい場合はアピールしたい項目の記入欄が大きい様式を選ぶと、採用担当者の目に留まりやすくなります。

Webサイトから履歴書のテンプレートをダウンロードして作成することも可能です。

履歴書と職務経歴書の違いは?

履歴書と職務経歴書は提出する目的が異なります。履歴書は応募者の基本情報を伝えるための書類で、応募条件を満たしているかを確認するために使われます。履歴書は決まった形式で書くことが一般的です。

職務経歴書はこれまでの仕事内容や実績、スキルを具体的に伝えるための書類です。応募者が即戦力として活躍できることをアピールする目的で職務経歴書は使われ、形式は比較的自由となっています。

» 薬剤師の職務経歴書の書き方とは?準備から提出方法・マナーまで徹底解説!

履歴書の正しい書き方を学び、薬剤師からの転職活動に活用しよう

履歴書は転職活動において基本情報を伝える重要な書類で、採用担当者の第一印象を決定づけます。履歴書を作成する際は基本的な書き方とマナーを守ることで、好印象を与えられます。履歴書の書き方のポイントは以下のとおりです。

  • 文字のフォントとサイズを統一する
  • 空欄や記入漏れを防ぐ
  • 古い履歴書の使い回しを避ける
  • 誤字・脱字を確認する

細部まで丁寧に仕上げた履歴書は採用担当者や面接官に誠実さや意欲が伝わります。履歴書の書き方を身に付け、転職活動に生かしましょう。