「薬剤師2年目で転職できるの?していいの?」そんな疑問を持つ薬剤師さん向けの記事です。
まだ2年目だからもう1年は我慢して働いてみよう。そう考える薬剤師さんは少なくありませんが、転職の判断としては損をしているかもしれません。
実は、薬剤師2年目で転職する人は3年目で転職する人より多く、メリットも多いです。
この記事では2年目に転職するリスクやメリット、転職するかどうかの判断基準について解説します。
この記事を読むことで、薬剤師2年目で転職するかどうかを判断できるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

石井
元ドラッグストア薬剤師
現:調剤薬局薬剤師

自身も新卒2年目でドラッグストアから調剤薬局へ転職。
転職理由は「労働環境」と「スキルアップ」。拘束時間も長く、店舗異動も激しいことから、将来のキャリアも考えて転職活動をスタート。環境改善に加え、高年収だったDS薬剤師からさらに年収大幅アップ。
ゆとヤク!キャリアからのインタビューをきっかけにメディア監修薬剤師としても活動中。
「経験することは何にも代えがたいことだと思っています。転職も一種の経験であって経験して学ぶことが沢山あります。」
薬剤師2年目で転職はできる

薬剤師2年目でも転職はできます。それも、良い条件で転職することが可能です。
その理由は以下の3点です。
- 薬剤師はまだ転職しやすい状況
- 薬剤師の国家資格のニーズが高い
- 薬剤師2年目で転職している実績がある
確かに、新卒で入社した会社や職場で一定の我慢をしつつ働くことも大切です。しかし、転職という新たな選択肢を考えることも前向きな決意と言えます。
薬剤師の転職市場の状況を鑑みても、薬剤師2年目は十分に転職できるでしょう。
以下で詳しく解説していきます。
薬剤師はまだ転職しやすい状況
薬剤師の有効求人倍率は、パートを除いて3.02と高く、まだ転職しやすい状況です。
これは、薬剤師の国家資格が持つニーズの高さや、求人数が多いことが理由とされています。
すでに薬剤師は飽和状態で需要は低いとの論調もありますが、薬剤師はまだ転職しやすい状況です。
転職市場での競争率が高くないため、薬剤師として転職を考える際には、十分な選択肢があると言えます。
薬剤師の国家資格はニーズが高い
薬剤師の国家資格は、多くの業務で必要とされるため、そのニーズは高いです。
薬剤師のニーズが高い職場の例としては以下の通り。
- 調剤薬局
- 病院
- ドラッグストア
- 製薬会社
- 医薬品卸
- 学校や公務員
職種としても、調剤薬剤師以外にも研究職・品質管理・品質保証・薬事・DIなど、多様な職種で薬剤師資格保有者のニーズが高い状態です。

ただし、製薬や研究職などの企業系は転職の難易度は高いです。
確かに、登録販売者の増加やファーマシーテクニシャン制度の導入検討など、薬剤師資格のニーズに影響する動きは広がっていますが、薬剤師は業務内容も独占的で特定の業務を行うためには必要不可欠です。

不安に感じるかもしれませんが、2年目の薬剤師だとしても、条件の良い優良求人にチャレンジできる機会が豊富にあります。
薬剤師2年目で転職している実績がある
監修薬剤師の石井さんも薬剤師2年目での転職を成功させています。
前職のドラッグストアでの年収は高かったものの、転職によりさらに年収アップを実現するなど、薬剤師2年目でも好条件の転職です。
転職自体にあまり抵抗はなく、すぐに行動に移したと言います。

私の友人で最も早く転職していた薬剤師の勤続期間は半年でした。それでも転職に成功していますからね。1年しか働いてなくても、転職して全く問題ないと思います。
薬剤師2年目でも転職する人は多い

薬剤師2年目でも転職を考える人は意外と多いです。
実際、新卒3年以内の薬剤師の離職率は約33%で、転職を検討するケースは多いと言えます。
また、現役薬剤師に取ったアンケートから、新卒3年目よりも2年目で転職している薬剤師の方が多いと言われています。

薬剤師2年目で転職した人の転職理由

2年目で転職を決めた薬剤師の転職理由も様々です。
主な理由としては以下の5つです。
- 人間関係
- 年収
- 労働環境
- スキルアップ
- ライフスタイルの変化
例えば、職場の内情が悪く組織として問題を感じていたり、上司や同僚との人間関係が原因で転職するケースも多くあります。このほか、「年収を上げたい」「よりスキルアップできる職場で働きたい」など、前向きな理由で転職する薬剤師も多いです。
転職理由は人それぞれですが、自分にとって最適な環境や条件を考えることが大切です。
薬剤師2年目の転職理由①人間関係がつらい
薬剤師2年目が転職を考える一つの理由は、職場の人間関係のストレスです。
薬剤師の職場は空間的にもコミュニティ的にも狭いため、逃げ場がありません。人間関係でストレスを抱えてしまうと体調を崩してしまうケースもあります。
そのため、人間関係を理由に転職を検討する薬剤師は多いです。

大手の薬局やドラッグストアで店舗がいくつかあると異動で対応するパターンもありますが、中小や店舗数に限りがある職場、病院では人間関係のストレスから逃れる事が特に難しいです。
薬剤師2年目の転職理由②年収が低い
薬剤師2年目になると、「給与が思ったほど上がらない」と感じる薬剤師が多くなります。
1年間懸命に働き、スキルや経験が増えているにも関わらず、昇給額が少ない上に住民税の徴収により手取りが1年目よりも減る薬剤師も少なくありません。
病院薬剤師(慢性期病院)では月3,000円しかアップしないケースや、急性期病院では命に直結するような負担の大きい業務が多いにも関わらず、手取り額で20万円以下というケースもあります。

私はドラッグストアの薬剤師でしたが、月5,000円ほどの昇給でした。年収額の頭打ちも近かったので、転職に踏み切りました。
>薬剤師の年収低いは嘘じゃない!安い給料を解決するキャリアパスを解説

薬剤師2年目の転職理由③労働環境が悪い
労働環境への不満も薬剤師2年目の転職理由として多くあります。
例えば、調剤薬局では門前の病院が終わるまで薬局を開けていることが多く、調剤薬局では残業になりやすい傾向があります。何時に業務が終わるかは門前依存になるため、仕事がある日は予定を入れられません。中には休日出勤や社用携帯を持ち帰り、夜間の電話を担当する職場もあります。集中力や精神的にも気を遣う業務のため、疲れが溜まりやすいことも調剤薬剤師の特徴です。
また、ドラッグストアではプライベート商品の販売(いわゆる営業業務)をする必要があるため、業務量もプレッシャーも大きく、労働環境は厳しくなる傾向にあります。

会社で決められた分を販売できないと上司に怒られたり、評価に関わったりするので、その環境が私は嫌だなと感じ転職しようと思いました。
薬剤師2年目の転職理由④スキルアップができない
1年働いて、この職場ではスキルアップにつながらない、と感じて転職を検討する薬剤師も多くいます。
- 調剤マシンのように定型業務の繰り返し
- スキルアップや研修環境が整っていない
- 在宅業務の取り扱いがない
- ミキシング業務の取り扱いがない
など、スキルアップが見込めないと感じる職場も少なくありません。

職場によっては、”聞きにくい””教えてくれない”と言った環境もあります。私の場合も基礎的なスキルアップも難しいと感じて、転職を決意しました。
スキルアップが望めない職場では、薬剤師としての成長やキャリアが停滞してしまう恐れがあります。
2年目薬剤師でも、教育制度や研修が充実している職場や希望の業務経験を積める職場へ転職し、スキルアップしている人は多いです。
薬剤師2年目の転職理由⑤ライフスタイルの変化
ライフスタイルの変化で職場が合わなくなることも、薬剤師が転職を考える理由の一つです。
例えば、プライベートとの両立が難しくなった、会社の都合でしかシフトが組めないなどです。
結婚するため、育児のため、パートナーと別れ実家に戻るため、環境やライフスタイルの変化に合わせて転職する方もいます。

私も実家の家族をサポートするために転職する必要がありました。
ライフスタイルに合う働き方を実現するために、転職して自身に合ったワークライフバランスを手に入れている薬剤師も少なくありません。
20代の転職はステップアップのチャンス

20代のうちは「転職」は自身の市場価値を高める最も効果的な手段の一つと言えます。
なぜなら、転職での年収アップは企業での昇給より格段に大きく早い上に、転職によって希望する業務に就いた方が社内でスキルアップにつながる業務を任されるよりも断然に信頼性が高く早いからです。
「業務を通して成長したいのに、未だに雑務を任されていて、やりたい仕事ができない。」と感じることはありませんか?
実は、責任感が強く真面目な人ほど、職場での悩みや負担も大きいにも関わらず、職場に残ってステップアップのチャンスを逃してしまうケースが少なくありません。
転職して良かったと答えた薬剤師は約96%です。我慢して働くことも時には必要かもしれませんが、長続きしない職場にいるよりも、新たな職場で経験を積んだ方が自身の成長につながっています。
転職 | 在職 | |
---|---|---|
年収UP | 早い+大幅UP | 遅い+なかなか上がらない |
スキルアップ業務への参画 | 早い+主体的で信頼性高 | 遅い+受動的で信頼性低 |
リスク | 転職先の内情を把握しづらい | ステップアップチャンスを逃す |
薬剤師を2年目で転職したあとのキャリア

薬剤師2年目で転職した後のキャリアは、様々な選択肢があります。
基本的には以下の3種類で考えることが可能です。
- 同職種に転職した場合の薬剤師キャリア
- 異職種に転職した場合の薬剤師キャリア
- 他業界に転職した場合のキャリア
転職を経験してキャリアを積むことで、異なる職場や環境での対応力や柔軟性を身につけることができ、市場価値も高まります。
以下で詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
同職種で転職した場合の薬剤師キャリア
薬局薬剤師から別の薬局へ転職するケースでは、調剤や患者対応の経験を活かし、新しい職場の業務への対応もしやすいです。
さらに、前の職場と転職先との比較もしやすく、違いに気づくことで業務の効率化やスキルアップにつながります。
また、病院薬剤師から別の病院へ転職した場合も、専門的な知識や病棟業務の経験が生かせるため、キャリアの幅が広がります。
同じ職種・同じ業種で転職した場合、既に持っているスキルを磨くことができるだけでなく、新たな職場環境での働き方も学べるため、薬剤師としての成長が見込めます。
異業種で転職した場合の薬剤師キャリア
異業種の薬剤師職に転職した場合には、別業種との比較ができるため、広い視野を持った薬剤師としてキャリアアップが可能です。
薬局薬剤師から病院へ転職した場合、調剤経験に加え病院特有の業務に携わることができ、深い専門知識とスキルが身につきます。
逆に、病院薬剤師から薬局へ転職した場合も、臨床現場の対応力や対話力が活かされるほか、コミュニケーション力が鍛えられ様々な業務に活かせるようになります。
また、ドラッグストアや製薬企業など、異なる業種への転職でも、薬剤師として新しいスキルや知識を習得することが可能です。
薬剤師資格を活かしたキャリアチェンジ
薬剤師資格を活かしてCRAやMR、製薬会社の品質管理や品質保証、DI職などへの、キャリアチェンジも可能です。
CRAやMRは社員として要求される成果の基準が高い反面、キャリアアップにつながり年収は高くなる傾向にあります。製薬会社も品質管理・品質保証・DI職は薬剤師経験との親和性も高く、知識をそのまま活かせる場面も多いです。
薬剤師の専門知識を活かすことができる職種は多く存在するため、自分の希望や目指すキャリアに合わせてチャレンジしてみると良いでしょう。

病院薬剤師から製薬会社品質保証へ転職された方の転職経験談の記事はこちら↓
>薬剤師が製薬会社へ転職する方法【経験談】|職種別の年収・仕事内容まで徹底解説
薬剤師が2年目で転職するメリット

薬剤師2年目であれば、転職にあたって多くの企業求人があり、選択肢が増えます。
イチからのスタートではないため、転職先の業務に慣れる時間も短く、成長速度も加速します。
1年薬剤師を経験していることから、企業側も柔軟な検討が可能で、期待も高いため、年収や待遇がアップすることも多いです。
転職活動を通して、自分自身の価値を見つめ直すことができるのも、2年目で転職する際のメリットの一つです。
以下で薬剤師が2年目で転職するメリットを詳しく解説します。
希望の職場を見つけやすくなっている
薬剤師2年目で転職するメリットの1つ目としては、新卒時と比べて希望する職場を見つけやすくなっていることです。
新卒時にベストだと感じて入った職場も実は内情が異なっていたり、自分自身の考えに変化があったりと、「今の職場が合わない」ことは1年働いてわかっているため、新卒時より自分に合った職場選びはしやすくなっています。
薬剤師が1年働いて、今の職場が自分に合わないと感じた場合には、次の転職では自分が大事にしていることや希望条件を明確にしておきましょう。

新卒時は月20時間残業しても給与が高いほうが良いと思ってましたし、異動が多いほうが色々な店舗の状態が学べて勉強になると思ってました。
1年働くと「あまりにも残業が多いこと、異動が多いことは自分には負担」だとわかったので次の転職先も絞りやすかったです。
第二新卒として採用されやすい
薬剤師2年目で転職するメリットの2つ目としては、第二新卒として採用されやすいことです。
実は、第二新卒の薬剤師は企業にとって魅力的な人材です。理由は以下のようなことが挙げられます。
- 基本的なビジネスマナーや知識、技能を習得している
- 社会人経験0→1までの教育コストを削減できる
- ミスマッチの確率が少ない
つまり、企業からすると第二新卒は新卒よりもリスクオフ・コストオフで採用時の費用対効果が高い人材です。
一般的に4年目以降では第二新卒としての枠に入らなくなってくるため、2年目での転職はメリットが大きいと言えます。
新しいキャリアを再スタートさせることもできる
薬剤師2年目で転職することで、薬剤師だけではなく新たなキャリアもスタート可能です。
例えば、以下のような職種があります。
- CRA(臨床開発モニター)
- MR(医薬情報担当者)
- 品質管理・品質保証
- DI(ドラッグインフォメーション)
これらの職種では薬剤師としての経験や知識を活かした新しいキャリアを築くことができます。薬剤師としての経験が長いほど、気持ち的な面でも他職種へのキャリアチェンジがしにくくなります。
薬剤師2年目だからこそ、薬剤師の専門性をより広い範囲で活用しながら、新たな分野での成功を目指すことが可能です。
>製薬会社品質管理はきつい?やめとけ?薬剤師が知るべき7つのこと
>CRA(臨床開発モニター)の年収ランキングTOP15!知っておきたいCRA年収5つの特徴
薬剤師が2年目で転職するデメリットと対策

2年目での薬剤師の転職には、デメリットも存在します。
主なデメリットとしては以下の通り。
- 忍耐力に対してのイメージの悪さ
- 現職場でのスキル習得の機会喪失
ただし、これらのデメリットは考え方次第ではデメリットにならなかったり、対策をすることで解決も可能です。
以下の解説もぜひ参考にしてください。
「またすぐ転職してしまうのでは」と疑念を持たれやすい
2年目で転職する場合、新たな職場で「またすぐに転職してしまうのではないか」という疑念を持たれることがあります。
そのため、転職活動や面接では、なぜ転職を考えたのか、どのようなキャリアプランを持っているのかを説明し、今後の安定した働きぶりをアピールすることが重要です。
今の職場で得られる経験は手放すことになる
2年目で転職することによって、今の職場で得られる経験やスキルを手放すことになります。
そのため、転職を検討する際には、現在の職場で学べることや成長できる要素はないか、次の職場でどのような経験が得られるのか、将来的なキャリアプランをしっかりと考えることが大切です。
薬剤師2年目で転職する場合の注意点

薬剤師2年目で転職を検討する際の注意点として、以下の4点があげられます。
- 今の自分の年収が適正かどうか
- 今の職場環境が普通かどうか
- 人間関係の我慢がキャリアに影響しないか
- 改善ができないなら無理をしないこと
これらの注意点を抑えておかないと、転職を判断する際に誤った判断してしまいがちです。
注意すべきポイントを押さえて、判断ミスがないようにしましょう。
自分の年収は適正年収なのかを知る
まずは現在の自分の年収が適正な金額なのか?客観的にデータを把握しましょう。
薬剤師の年収には幅がありますが、適正年収を知ることが重要です。各職場の初任給を参考にすると以下の通りです。
職場 | 初任給相場 |
---|---|
調剤薬局 | 300~400万円 |
ドラッグストア | 350~500万円 |
病院 | 250~300万円 |
製薬会社 | 300~400万円 |
特徴としては、ドラッグストアは初任給が他業種より高いですが、昇給率は高くありません。

実際に私はドラッグストアで初任給は530万円でした。相場より高いですが、毎月20時間の残業代も含まれての金額です。
製薬会社では初任給は調剤薬局と同等であるものの、昇給率が高い場合が多く、将来的に年収が1,000万円を超えることも珍しくありません。
自分の年収が適切かどうかを判断し、転職先を検討していきましょう。
薬剤師の年収中央値データから見る!年収アップの最適なキャリア選択ガイド

今の職場環境はふつうなのかを知る
現在働いている職場の環境が、他の会社や業界と比べて一般的なのかどうか、確認をしましょう。
なぜなら、普段当たり前になっている職場の慣習も、実は外に出ると”イレギュラー”であることは多いからです。
学生時代の他社に務める友人や転職エージェントに聞くのも良いでしょう。
また、厚生労働省が取得した統計データを参考にすることも可能です。
労働時間や有給休暇の取得状況、残業時間など、さまざまな項目を確認できます。
他職場と比較して、極端に劣る環境であれば転職を検討する選択肢もあります。
薬剤師にならなきゃよかった?後悔する4つの共通点と対処法を詳しく解説

人間関係は我慢するとキャリアにも影響する
職場の人間関係で悩むことは避けられませんが、我慢しすぎると心身に悪影響が及び、キャリアにも影響します。
パワハラやセクハラなど、許容できない問題がある場合は、我慢するのではなく、異動や配置替え、転職などの解決策検討することがおすすめです。
今の職場で改善ができないことなら早めに見切りをつける
職場の問題が改善できない場合、無理をせずに転職を検討することも重要です。
真面目で責任感のある人ほど、なんとかしようと頑張りすぎてしまうものです。
自身の人生やキャリアを無駄に消費することなく、自分にとって良い職場環境に身を置いた方が有意義なキャリアステップとなります。
薬剤師2年目の転職不安を解消するためのアドバイス
薬剤師2年目での転職は「次も合わなかったらどうしよう…」という不安ですよね。
そんな不安を解消するため、薬剤師2年目転職経験者の石井さんにアドバイスお聞きしました。

2年目での転職以降、次の転職を早期にしてしまうと忍耐力がないと評価される可能性は高いです。そのため、次の転職先は慎重に選ぶ必要があります。
経験が浅く初めての転職という状況の中で、自己流で求人を選んだり、転職活動を進めるのはリスクも大きいです。はじめての転職なら転職エージェントを使うことをおすすめします。ぜひ遠慮なく本音で相談してください。
また、エージェントも人間です。合う、合わないといったことはありますので、担当エージェントが自分に合わないと感じたら他の方に変更をお願いしても大丈夫です。
大切な自分の人生なので、ご自分の感覚や方向性をしっかりと優先して転職活動を行っていけると良いですね。
薬剤師2年目で転職するかの判断基準

薬剤師2年目で転職を検討する際は、自分軸と職場軸の2つの軸で考えましょう。
自分軸で検討すべきは以下の4項目です。
- 自分の価値観やキャリア
- 将来の見込み
- 現職での不満や悩み
- 家庭や生活状況などの個人事情
これらを考慮して自分の本当の希望を明確にします。
職場軸で検討すべきは以下の4項目です。
- 業務内容
- 年収や待遇
- 労働条件
- 人間関係
これらを他企業や他業界と比較検証し、違いを把握します。
これらを明確にした上で、心身の健康・人間関係・業務に対する満足度を見直し、もし今の会社での改善が難しい場合には転職を検討することが良いでしょう。
自分軸で考える転職の判断基準
自分軸で考える転職の判断基準には、まず自分の価値観やキャリアのイメージを明確にしましょう。
それを踏まえた上で現職での不満や悩みを整理し、改善が難しい場合には転職を視野に入れることが重要です。
また、新たな職場や業界で得られるであろうスキルや経験、そして人間関係など、転職をプラスに繋げる要素を検討し、これらが自分の人生において非常に重要なポイントであれば、転職を決断しても良いでしょう。
考える際の問いのポイントは以下の2点です。
- 今の思いは入社時と同じか?
- 転職したい理由は明確か?
①今の思いは入社時と同じか?
入社時の思いと現在の思いを比較することで、自分が期待していたキャリアや職場環境が実現できているかどうかを見極めることができます。
入社時の期待に対して現状が大幅に変わってしまっている場合、転職を検討する理由としては十分です。
仮に、入社時と今の思いが変わっていない場合でも、今後のキャリアや将来の展望を踏まえて「今のままでいいのかな」と疑問を感じている場合も転職を検討する理由としては十分です。
②転職したい理由が明確か
転職を検討する際には、転職したい理由が明確であることが重要です。
なぜなら、曖昧な理由で転職を決断してしまうと、転職後も同様の問題に直面し、再び転職を考えることになる可能性があるからです。
転職を考える理由が明確であれば、転職によって充実したキャリアが築きやすくなります。
同じ問題に悩まされることが少なくなるよう、転職したい理由は明確にしておきましょう。
職場軸で考える転職の判断基準
職場軸で考える転職の判断基準としては、労働環境や人間関係、業務内容など、現職での状況と他職場との比較を行い、自分にとって最適な条件を見つけることです。
また、職場環境の改善が難しい場合や、他職場でのスキルアップやキャリアチャンスが魅力的である場合、転職を検討することが良いでしょう。
考える際の問いのポイントは、以下の2点です。
- 今の不満は自分で対策できるか
- 数年後にこの職場にいて満足できるイメージが湧くか
①今の不満は自分で対策できるか
薬剤師としての不満がある場合、まず自分で対策できるかどうかを考えましょう。
例えば、特定の人物との人間関係や業務内容に関する不満であれば、具体的にどのような問題があるのかを分析し、改善策を立てて取り組むことが重要です。
しかし、会社全体の方針や給与面など、個人の努力だけでは対策も改善もできない場合、転職を検討した方が適切です。
②数年後この職場にいて満足できるイメージが湧くか
数年後の自分が今の職場で満足して働いているイメージが湧くかどうかも、転職を考える上での重要なポイントです。
将来的なキャリアアップや待遇面での期待が持てる場合は、現状の不満に対策を講じて努力を続けることが良いでしょう。
しかし、数年後の自分が現在の職場で満足できないと感じる場合、早めの転職を検討し、自分に合った環境を見つけた方が結果的に希望に叶うキャリアになりやすいです。
今一度、今の職場での自身の数年後をイメージしてみましょう。
薬剤師は何年目で転職するのが有利なの?

薬剤師は基本的に経験が求められる職種ですが、2年目で転職することが有利であると言われています。
理由は、2年目には業界知識やビジネスマナーなどの基本スキルがあり、他の職場にも適応しやすいとされるからです。
転職市場においても、経験2年目の薬剤師は需要が高く、育成枠としての求人が豊富です。
そのため、薬剤師2年目での転職は、自分に合った条件や好条件の職場を見つけやすく有利と言われています。

企業によりますが、経験上、能力重視されずに転職しやすいのは2年目です。
薬剤師の経験年数ごとの転職リスク

薬剤師の転職リスクは経験年数によって変化します。
新卒や1〜2年目の場合は、求人数が多く、転職が比較的容易ですが、経験年数が長くなると、求人数が減少し、転職が難しくなる傾向があります。
1年目の転職リスク
薬剤師の1年目の場合、自分に合う職場かどうか判断が難しいことが多いです。
まずは、業務内容や人間関係をじっくりと観察し、自分に合うかどうかを見極めることが大切です。
しかし、1年目で転職を考える際には、新たな職場での適応力やスキルアップの意欲が求められます。
また、転職理由や将来のビジョンを明確にしておくことが、転職活動や面接でのアピールポイントとなります。
2年目の転職リスク
薬剤師として2年目の場合、まだ経験が浅く、職場での貢献度も限られるため、スキルアップにつながる業務に携われていない可能性があります。
知識、経験を積めないまま転職することで基礎スキルを身に付けないまま、応用業務を求められることもあります。
2年目は第二新卒枠でキャリアチェンジのチャンスもありますが、次の職種が合わなかった場合には、短期の再転職は評価されにくいといったリスクもあります。
3年目の場合
3年目の薬剤師は、経験を活かすことが求められ、期待値が高まります。
しかし、転職後に周囲の期待に応えられないと、実力と期待のギャップを感じることがあります。
このため、スキルアップに努めると同時に、自分の実力を適切に伝え、適切な職場を選ぶことが大切です。
4~5年目の場合
4~5年目の薬剤師は、即戦力として扱われ、仕事量や責任が増えます。
この時期になると第二新卒枠から外れ、キャリアチェンジが難しくなる傾向があります。
そのため、適切なスキルや経験を活かす転職先を見つけることが求められます。
薬剤師2年目の転職を成功させるポイント

薬剤師2年目の転職成功のためには、自己分析や市場調査をしっかり行い、自分に合った転職先を見つけることが重要です。
転職理由はハッキリさせてポイントを絞る
転職理由を明確にし、改善したいポイントを絞ることが大切です。
なぜなら、一度の転職で全ての問題を解決することは難しいからです。
例えば、『最も改善したい点』や、『将来のキャリアプランにつながる要素』を1つ2つピックアップし、ピックアップしたポイントを改善できる転職先を探すといった具合です。
まずは転職理由を明確にし、改善したいポイントを絞り込みましょう。
転職先が確実に転職理由の問題解決につながることを確認する
転職を考える際、転職先が自分の転職理由に対して問題解決ができるか確認することが重要です。
年収や待遇、勤務時間などが自分の希望に合致しているかは当然に確認し、企業の評判や社風に関する情報は口コミサイトやエージェントを活用して確認しましょう。
監修者石井のアドバイス

なぜ転職したいのか、という理由が特に大切だと思います。
私の場合は以下の4つ主な転職理由です。
- 実家のサポート
- 職場の労働環境
- 長く働く未来が見えなかったこと
- 在宅業務を経験する事が将来的にプラスになるかなと考えたこと
これらの個人の転職理由と応募する企業の志望理由をつなげて、数ある企業の中からそこを選ぶ理由を明確にすると良いです。
人によっては在宅業務やミキシング業務を経験したいのに今の職場では難しいといった、自身のレベルアップのために転職を考える方もいるでしょう。こういった転職理由は、面接時に正直に伝えて良いと思います。
薬剤師2年目の転職によくある質問

薬剤師2年目の転職において、経験が浅いことに不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、多くの転職者が同じような状況で成功していますので安心しましょう。
以下では、経験の浅い薬剤師に転職時によくある疑問・質問についてお答えします。
3年目薬剤師の平均年収は?
3年目薬剤師が該当する25~29歳の平均年収は、男性約496万円、女性約464万円です。
ただし、年収は職場や地域、勤務形態などによって変動しますので、自分がどのような条件で働くかを考慮して転職先を検討していくことが重要です。
>20代薬剤師の平均年収(地域・職場別)と年収アップの具体的方法
地域によって薬剤師の年収は違う?
地域によって薬剤師の年収には差があります。都心部では需要が低く、年収も低い傾向がありますが、地方では人手不足で、年収が高いです。
しかし、地域によって生活費が異なるため、年収だけでなく手取りや待遇なども総合的に検討することが重要です。
>【2025年版】薬剤師の全国年収ランキング!厚生省データで都道府県別の比較を徹底解説

年収の高い病院はある?
年収の高い病院は確かに存在します。
しかし、その病院に入るためには、競合他者との差別化や優れたスキルが求められることが多いです。
年収の高さは、病院の規模や地域、業務内容などによって変わりますので、転職活動の際には求人情報をよく調べて自分の希望に合った病院を見つけることが大切です。
>病院薬剤師の給料が高いところはココ!年収ランキングTOP10
>病院から病院の薬剤師転職を全解説!失敗しないコツ・メリデメ・病院別の働き方
薬剤師から高年収のMRって転職できるの?
薬剤師からMR(医薬品情報担当者)への転職は可能です。
MRは薬剤師の知識や経験を活かせる職種であり、年収も高い傾向にあります。
ただし、営業成績や製薬会社の規模によって年収が左右されるため、安定した高年収を求める場合は、転職先の選定が重要です。

転職可能ですが、やはり臨床から製薬への転職は超えるべきハードルは高めです。社会人としてのビジネスリテラシーと面接対策は必要になります。
>MRは給料高すぎ?30代1000万円の理由と内訳を詳しく解説
製薬会社の品質管理ってきついって聞くけどホント?
製薬会社の品質管理は、厳格な規制や法令を順守しなければならないですが、業務自体はきついものではありません。
スキルも磨ける場であり、他の業界への転職や昇進の際には有利に働くことがあります。
労働条件や業務内容によっては、自分に合った職場が見つかるかもしれません。
>製薬会社の品質管理はきつい?薬剤師からの転職で知っておくべき7つのこと

薬剤師でのんびり働けるところはある?
薬剤師でのんびり働ける職場は存在しますが、求人数や勤務地によっては限られます。
一般的には、特定の調剤薬局やクリニックなどが、業務量も少なく休日が多い傾向にあります。
働きやすい環境を重視する場合は、転職活動の際に複数の求人情報を比較検討することが大切です。
>のんびり働きたい薬剤師におすすめの仕事と診療科11選|求人の選び方を解説

薬剤師の平均勤続年数は?
薬剤師の平均勤続年数は約8〜9年です。
しかし、これはあくまで平均値であり、転職を繰り返す者や一度の就職で定年まで続ける者など、個人差が大きいことを意味します。自分が望むキャリアパスを考慮し、転職や長期勤続の選択を行いましょう。
薬剤師の転職で転職回数は気にした方が良い?
薬剤師の転職では、ある程度の転職回数は許容されますが、何度も短期間で転職を繰り返すと、企業側から信頼性に疑問を持たれることがあります。
転職の際には自分のキャリアプランや希望条件を明確にし、長期間働ける職場を選ぶことが望ましいです。
まとめ|みんな薬剤師2年目で転職してるから大丈夫
薬剤師2年目での転職は、たくさんの先輩たちが経験しています。
転職理由に対する問題解決ができる転職先をリサーチし、転職エージェントを活用して自分に合った求人を見つけてください。
また、面接などで自分の悩み解決ができる職場かどうか確認しましょう。

私は薬剤師2年目で転職することは、むしろ将来の可能性が広がると考えています。
実際に職場で働いてみて相違点が生じることもありますよね。現職場で我慢していることがある方、生活の変化等で現職場での環境が合わなくなった方は、積極的に転職を考えてよいと思います。
また、転職によって年収アップすることも大いにあります。実際に私は環境改善に加え、年収も大幅にアップしました。
経験することは何にも代えがたいキャリア資産です。転職も一種の経験であり、経験して学ぶことが沢山あります。そしてその経験から新たに選択できる思考や可能性が広がります。
私の友人で最も早く転職していた薬剤師の勤続期間は半年でした。それでも転職に成功しております。1年しか働いてなくても、転職して全く問題ないのです。
こちらの記事を読んで、転職するか悩み一歩踏み出せない方が一人でも減ると嬉しいです。