未経験からCRA(臨床開発モニター)になるにはどうしたらいい?そんな疑問に答える記事です。
CRA(臨床開発モニター)への転職は、未経験でも就職・転職できる方法があります。
この記事では、CRAの具体的な業務内容や、未経験からCRAになるために必要なスキル・資格・職種を解説します。
更に、CRAとCRC、CROとSMOの違いも説明します。
この記事を読むことで、CRAになるための疑問が解消されますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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未経験からCRAになるには○○が大事
未経験からCRAになるには大事なことが3つあります。
- CROへの転職を狙う
- コミュニケーション能力を磨く
- 医療分野の知識を高めておく
さらに、求人を調べる際はCRO(開発業務受託機関)への転職を狙うのがベターです。
なぜなら、製薬会社と異なり、CROは未経験求人を出しているためです。
CROのCRAでは、獣医や管理栄養士などの専門職出身者も活躍するケースがあり、未経験からスタートするならCROのCRAへ転職を目指すのが良いでしょう。
CRAの仕事はコミュニケーション能力が大事です。
なぜなら、CRAの仕事では、多くの職種と連携し、企業や治験施設と折衝しながら進めるためです。
具体的には、クライアントと医療施設との間に入って、双方の対立する意見を調整していく必要も出てきます。
そのため、CRAになるにはコミュニケーション能力が非常に重要です。
未経験者でも仕事を通じてコミュニケーション能力を磨いていくことで、CRAへの就職・転職がしやすくなります。
CRA未経験であっても、医療分野の知識があることは非常に有利になります。
例えば、薬剤師・看護師・医師・臨床検査技師などはCRA転職時に有利な職種です。
転職の面接時にCRAに活かせることを話せるように、知識を高めておきましょう。
CRA(臨床開発モニター)とは
そもそも、CRA(臨床開発モニター)とは、製薬会社が新薬を開発する過程で実施する治験の進行状況を監視し、適切に行われているかを確認する専門職です。
CRAは治験プロトコールに基づいて治験現場を監査し、データの信頼性や治験依頼医の適格性を評価します。
また、治験に関する法規制や倫理的な観点を考慮し、治験実施医療機関と連携しながら治験を進める役割を担っています。
ここでは、CRAに関わる立場や職種、企業の違いを解説します。
製薬会社と施設
治験は、製薬メーカー(クライアント側)と治験実施医療機関側(施設側)が協力して行われます。
CRAは、製薬メーカー側からの立場で治験実施医療機関に対応します。
まず、製薬メーカーは治験プロトコールを作成し、適切な施設を探すためにCRAと連携します。
その後、CRAは治験実施医療機関にプロトコールを説明し、治験契約を締結します。
契約締結後、治験がスタートし、CRAは治験進行状況のモニタリングと評価を行います。
CRAとCRC
製薬メーカーにおいて、治験薬の安全性情報や効果を評価するために行われる治験に役割を持つ職種がCRA(臨床開発モニター)とCRC(治験コーディネーター)です。
CRAは、治験データベースの構築や施設訪問を通じて、治験プロトコールが適切に実施されているかを確認するのが主な仕事です。
普段はオフィスでの内勤業務が中心で、報告書の作成などを行い、月に何回か外勤で施設を訪問します。
担当施設では治験責任医師や治験分担医師、治験コーディネーター、治験事務局、治験薬管理者をはじめとする看護師や臨床検査技師など院内各部門と連携し、調整役として立ち回ることが求められます。
転職においては調剤薬局の薬剤師からCRAへの転職や、病院薬剤師からCRCへの転職が多いです。
なお、CRCの主な特徴は、治験の補助説明など治験に関わる業務を担当することです。
CROとSMO
製薬メーカー側や施設側において、多数の治験を担当するために人員やリソースが限界に達することがあります。
そのため、CRA業務やCRC業務を別の会社に委託することが一般的です。
CRO(開発業務受託機関)は製薬メーカーからCRA業務を、SMO(治験施設支援機関)は施設側からCRC業務を受託します。
薬剤師の場合、製薬会社ではなくCROに転職することが一般的です。
製薬会社でのCRA職の未経験者募集はほとんど見られず、難易度が非常に高いため、ますCROでの経験を積み、その後製薬会社のCRA職を目指すキャリアパスが一般的です。
CRAの主な業務内容
CRAの主な業務内容は、治験施設への訪問やプロトコールの遵守を確認し、治験データの品質を保つことです。
施設側と連携し、治験責任医師や治験分担医師、治験コーディネーターといった各部門との調整役を担います。
この他にも、治験薬の管理や被験者さんのカルテの閲覧、治験データの収集と整理も行います。
CRAが担当する業務は多岐にわたり、高い責任感が求められる職種です。
ここでは、CRAの業務を3つのフェーズに分けて解説します。
治験立ち上げ期
治験立ち上げ期は、新薬の開発を目指して治験を実施するための準備が行われる時期です。この段階では、治験を行う医療機関の選定や担当医師との契約締結が重要な業務となります。
経験豊富なCRAほかPL等が、治験を行う上で信頼性の高い機関を選定します。選定にあたっては、医療機関の実績や治験分野での経験が重要なポイントとなります。
選定が完了したら、治験実施に向けた契約締結や説明責任、患者への説明などが行われます。また、提携先や治験に関係する基本的な契約内容を確認し、治験を担当する医師と相互の承諾を得ます。
治験立ち上げ期の準備が整った後、治験実施に向けた最終的な調整が行われ、治験が開始されることとなります。
資料準備や施設訪問・交渉など、締め切りもあってCRAとして非常に忙しい時期です。
治験中(フォローアップ期)
治験中(フォローアップ期)では、治験が進行する中で患者の状況や薬の効果・安全性を確認・監視する業務が行われます。治験中にCRA(臨床試験モニター)が重要な役割を担い、モニタリング業務を行います。
CRAは、治験データの信頼性や安全性を確保するために、GCP(良い臨床試験実施基準)に遵守して治験実施の状況を確認し、データの照合や患者の保護を行います。また、治験に関わる書類やデータ(CRF)の不備を発見し、修正することも重要です。
担当医師は、治験薬の効果や有害事象の有無を報告し、CRAと連携して治験の適切な運営を図ります。
治験中は、患者の健康や治験薬の効き目・副作用に関する情報を的確に取り扱い、治験適性や安全性を確認することが重要です。
CRAとしては仕事が落ち着く時期で、帰れるときはフレックスで早上がりなんかもできる、プライベートを充実できる時期ですね!
治験終了期
治験終了期には、データ回収・分析が必要になってきます。CRAやCRC(臨床試験コーディネーター)が、治験終了後の全てのデータを確認し、適切な手続きを行います。
治験結果の報告書を作成し、効果や安全性が確認された新薬は、医薬品の承認を得るために厚生労働省へ提出されます。この段階で、担当医師や治験機関、製薬会社と綿密な連携を図ることが求められます。
また、治験参加者や関係者への感謝の意を伝えることも重要です。治験終了期においては、参加者の健康状況や情報の保護、並びに今後の治療計画についてのサポートも適切に行っていく必要があります。
この時期も少し忙しくなります。最後の仕上げとして締め切りまでの追い込みが必要になります。
臨床開発モニター(CRA)になるには
臨床開発モニター(CRA)は、新薬の開発において治験が適切に推進する重要な役割を担っています。
CRAになるためには、臨床経験があると強いですが、未経験でも知識があれば転職可能です。
具体的には、薬剤や治験に関する規約や法律をある程度理解していることが、CRAへの転職を有利にします。
臨床開発モニターは臨床経験が強い
臨床開発モニターには、臨床経験が重要とされます。
なぜなら、CRAは医師や看護師と連携して治験を進めるため、医療現場での経験が役立ちます。
また、具体的な治験内容に関しても、臨床経験があることで理解が深まります。
このような理由から、CRAへの転職を考える場合、臨床経験があると転職には非常に有利です。
臨床開発モニターになるために必要なスキル
臨床開発モニターになるためには、さまざまなスキルが求められます。
まず、コミュニケーション能力が重要です。CRAは治験を進める上で、医療機関やその他の関係者と円滑なコミュニケーションをとり、スムーズに業務を進めることが求められます。
また、英語力も必要とされることが多く、特に臨床試験のデータを扱う際には、英語での読み書きができることが望ましいです。
臨床開発モニターになるために有利な資格・職種
臨床開発モニターになるためには、以下の資格や職種が有利となります。
- 薬剤師
- 看護師
- MR
- 臨床検査技師
これらの資格保有者や職種の方は、臨床開発モニターになりやすい傾向があります。
今後のキャリアアップを考えるなら、これらの資格・職種のある方は、CRAへの転職も具体的に検討していきましょう。
スムーズなCRAへの転職が可能となります。
臨床開発モニター(CRA)になるときのポイント
臨床開発モニター(CRA)になる際は以下のポイントも知っておきましょう。
- 年収相場は400~800万円
- 休日や勤務時間はフレキシブル
今の仕事と比較して、メリットデメリットあるはずですので、これらのポイントを押さえてCRAに転職するかどうか判断していきましょう。
年収
臨床開発モニター(CRA)の年収は、初年度で400万円~500万円台前半程度となります。
その後、経験やスキルに応じて30代前半で600万円、30代後半で700万円、40代以降で800万円前後に伸びることが一般的です。
この年収相場には資格手当や残業手当、営業手当などの各種手当が含まれています。
また、外資や大手企業への転職のほか、昇格することで年収は1000万円になるケースもあります。
休日や勤務時間
臨床開発モニター(CRA)の休日は土日祝日が休みで、フレックスタイム制が一般的です。
これにより、働き方が柔軟に調整できるため、プライベートとのバランスが取りやすくなります。
また、有給休暇の取得も比較的容易であり、長期休暇や連休を取得しやすい環境が整っています。
実際には、治験のフォローアップ時期にフレックスや有休を利用できるイメージで、それ以外の時期は忙しいと思っておきましょう。
薬剤師からCRA(臨床開発モニター)になるには
薬剤師がCRA(臨床開発モニター)に転職するには、まず求人にチャレンジすることが重要です。
未経験でもまずは、面接までこぎつけてみましょう。面接ができれば、そこで得られた感触と情報から、課題と打ち手を考えることができます。
また、薬剤師からの転職の場合は、即戦力としてはMRやCRCに、がん領域の経験に関しては看護師に及ばないことが多いです。
しかし、薬に関する知識やポテンシャルの高さについては高く評価されることが多く、強みを活かしてCRAへの転職にチャレンジすることが重要です。
薬剤に関する知識の強みを活かす
薬剤師は、既存の薬剤についての知識を活かして、新薬開発の過程でどのような臨床的メリットがあるのかを効果的に示すことができます。
これは治験の説明に説得力を持たせるために大切なスキルであり、薬剤師の強みとなります。
新たな薬剤の開発には様々な要素が絡んでくるため、このような知識を持っている薬剤師はCRAとして非常に重宝されます。
薬学部で学んだ臨床検査値の知識やその他医学的な知識も役に立つ
薬学部で学んだ臨床検査値の知識やその他の医学的な知識も、CRAとして働く上で大変役立ちます。
これらの知識を活用することで、試験データの正確な解析や評価が行え、治験の運営においてスムーズなコミュニケーションが可能となります。
また、薬剤師としての経験も活かし、チーム内での意思決定や問題解決に貢献することができ、より効率的な業務遂行につながります。
CRA(臨床開発モニター)になるメリット・デメリット
CRA(臨床開発モニター)にはメリットもありますが、仕事の特徴から来るデメリットもあります。
ここでは、CRAになるメリットとデメリットについて具体的に解説していきます。
メリット
まず、CRAになるメリットとして、年収が高いことが挙げられます。一般的にCRAの平均年収は高く、薬剤師や看護師よりも高い場合が多いです。
次に、専門知識やスキルの習得があります。臨床試験の知識や英語力、コミュニケーション能力などが身につくため、将来的にも幅広い業界で活躍できる可能性があります。
また、多くの医療機関や企業と連携するため、人脈も広がります。これらの人脈は転職やキャリアアップに役立つことがあります。
最後に、医薬品の開発に携わることで、患者さんの治療に貢献できる達成感ややりがいも大きいです。
デメリット
一方で、CRAにはデメリットも存在します。まず、業務量や責任が大きく、プレッシャーもかかります。適切な英語力や専門知識が必要であり、定期的な研修や資格の取得が求められることもあります。
また、出張が多いため、プライベートの時間が犠牲になることがあります。特に治験が進行中の場合、緊急対応が必要となることもあるため、休日や夜間に働くことも珍しくありません。
さらに、働く環境によっては、医師や看護師などとのコミュニケーションが難しいことがあります。特に、CRAが治験に関する指示を出す立場の場合、医療従事者との緊張関係が生じることもあります。
最後に、CRAは専門職であるため、転職時に求人数が限られていることがあります。転職サイトやエージェントを利用して自分に合った求人を探してみましょう。
CRAの仕事はきついことも多いです。転職して後悔しないように、CRAのデメリットについて具体的に解説した以下の記事もチェックしておきましょう。
未経験者向けCRA求人の特徴
未経験者向けCRA求人の特徴として、まず大きく分けて二つあげられます。
一つ目は、業務に専門的な知識や経験が不要で、研修制度が充実していること。
二つ目は、求人自体があまり多くないことです。
具体的には、未経験者向けの求人は、CRO(臨床試験受託機関)からの募集が主であり、製薬企業や病院での直接雇用は比較的少ないです。
未経験者はCROでの募集
未経験者がCRA(臨床開発モニター)への転職を検討する際、CRO(臨床試験受託機関)での求人募集が中心であることを知っておくことが重要です。
なぜなら、CROは未経験者に対しても研修制度が充実しており、CRAとしての業務に必要な知識や技術を身に付けることが可能だからです。
また、CROでは幅広い業務に従事することができるため、より多くの経験を積むことができます。
未経験CRAの求人は応募倍率が高い傾向
未経験者でも応募できるCRAの求人は、応募倍率が高い傾向にあります。
これは、未経験者向けの求人が限られており、多くの人が希望する職種であるためです。
そのため、競争が激しい状況であることを認識し、履歴書や面接で自分の強みをアピールすることが重要です。
まとめ|臨床開発モニター(CRA)になるには
未経験者向けのCRA求人の特徴や、CROでの求人情報を把握することが重要でした。
応募倍率が高いものの、研修制度が充実しているCROなどで経験を積むことができれば、将来的には幅広いキャリアが開けるでしょう。
次のアクションとして、CROの求人情報をチェックし、自分に合った転職先を見つけましょう。
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