【プロ監修】薬剤師派遣の登録方法と確認すべき4つのギャップ5つの対策

薬剤師の派遣に登録するならどこがいい?

薬剤師の派遣登録前に確認しておくことがあれば一応潰しておこう。

実は、派遣薬剤師はメリットも多い一方で、登録前に確認しておくべき項目もあります。

知らずに登録をすると期待とのギャップで損をする可能性もあるため、メリット・デメリットやリスクに納得して登録することが重要です。

この記事では、薬剤師派遣の登録の流れから、確認しておくべき注意事項や対策について解説します。

ぜひ最後まで読んで、薬剤師派遣登録の判断材料にしてください。

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薬剤師の派遣登録から仕事までの流れ

薬剤師が派遣として働くには、以下のステップがあります。おおまかな流れを把握しておきましょう。

  1. 登録
  2. ヒアリングの日程調整
  3. ヒアリング
  4. 求人の紹介
  5. 雇用契約
  6. 派遣業務スタート

STEP1 登録

まずは派遣会社のWebサイトやアプリから登録します。入力する情報は、氏名や連絡先、資格、希望条件などです。

この登録後、エージェントとのやりとりが始まります。登録後、担当者から連絡が来るので、対応できるようにしておきましょう。

STEP2 ヒアリングの日程調整

登録すると、派遣会社から電話でヒアリングの日程調整の連絡が入ります。

ヒアリングは対面で行うことが多いですが、電話で行うこともあります。時間はおよそ1時間程度です。面接ではなく希望を伝える場になるので、構える必要はありません。

求人の紹介はヒアリング後になるため、都合の良い日程で調整しましょう。

STEP3 電話でのヒアリング

登録後、派遣会社の担当者から電話連絡があります。ここでは希望条件やこれまでの職歴、働き方の希望などを詳しく伝えます。

具体的な希望がある場合、たとえば「週3日以内」「調剤薬局経験あり」などを正確に伝えることで、マッチした求人を紹介してもらいやすくなります。

STEP4 求人の紹介

ヒアリング内容をもとに、条件に合った派遣先が紹介されます。

求人の詳細は、勤務時間や時給、場所だけでなく、処方箋枚数や一人薬剤師かどうかといった現場の情報まで含まれます。不明点があれば必ずその場で確認しておきましょう。

STEP5 雇用契約

派遣先が決定すると、派遣会社と雇用契約を結びます。契約内容には、労働時間、時給、業務内容、契約期間などが記載されているため、すべてに目を通し、不明点があればその場で確認・修正依頼を行いましょう。

特に、交通費の支給有無や社会保険の適用範囲などは、後々のトラブル回避のためにも重要です。

STEP6 派遣の仕事スタート

契約が完了すれば、いよいよ派遣先での勤務が始まります。初日は緊張するかもしれませんが、派遣会社の担当者が事前に情報を共有してくれていることが多く、不安なくスタートできます。

派遣先で困ったことがあれば、派遣会社にすぐ相談できる体制が整っているのも安心材料のひとつです。

薬剤師派遣会社の選び方

派遣会社を選ぶ際には、求人の数や時給の高さだけでなく、サポート体制の充実度も大切です。

まず求人数が多ければ、自分に合う職場を見つけやすくなります。また、同じ条件でも会社によって時給に差があるため、比較検討は必須です。

さらに、派遣中のフォロー体制や相談窓口の有無、トラブル時の対応力なども、快適に働くうえで重要なポイントとなります。

複数社を比較し、自分にとって「譲れない条件」がどこまで満たされるかを確認して選びましょう。

薬剤師派遣会社おすすめランキング

ゆとヤク!キャリアでおすすめしている派遣会社は以下の通りです。

もし派遣会社選びに迷ったら、比較記事も参考にしてみてください。ゆとヤク!キャリアでは薬剤師派遣会社を時給水準や求人数、フォロー体制を評価したランキングを別記事で紹介しています。実際に利用した薬剤師の口コミも掲載しているので、登録前の参考資料としてぜひ活用してください。

→【内部リンク】薬剤師派遣会社おすすめランキングはこちら

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派遣薬剤師の年収・時給相場

派遣薬剤師の収入は、一般的に高めの水準で推移しています。高時給で働き方の自由度も高いため、正社員転職へのつなぎに派遣登録したまま、正社員転職せずに派遣薬剤師を継続しているケースも少なくありません。

以下では、派遣薬剤師の時給が高い理由と、具体的な相場について解説します。

派遣薬剤師は高時給

派遣薬剤師の時給は非常に高水準です。都市部では時給2,500円~3,500円程度、地方でも2,000円を下回ることはほとんどありません。人手不足の地域ほど時給は高く、4,000円を超える求人もあります。

1日8時間・週5日勤務した場合、月収は40万円前後、年収にすると500万円以上も可能です。

純粋な収入面では派遣が正社員を上回るケースもあり、仕事の責任と収入のバランスを重視する人には適した選択肢です。

派遣薬剤師が高時給の理由

派遣薬剤師の時給が高い主な理由は以下の2点です。

  • 欠員・人手不足への対応ニーズが高い
  • 長期的な固定費の抑制

調剤薬局やドラッグストアでは、薬剤師が1人でも欠けると営業に支障が出る店舗も少なくありません。そのため、すぐに働ける人材を確保したいというニーズが強くなります。

また、個人薬局や中小チェーンでは、福利厚生制度が整っていない場合も多く、派遣薬剤師を使うことで固定費を抑え、変動費(時給)として人件費を調整することが可能です。

こういった理由から、正社員より高い時給で雇ったとしても、企業側にはメリットがあるため、派遣薬剤師は高時給で募集されています。

ただし、時給が高いぶん、業務内容が忙しいこともあります。時給とのバランスを考慮して勤務先を選ぶと納得感のある働き方が可能でしょう。

派遣薬剤師の口コミの真相(悪い口コミ、良い口コミ両方)

派遣薬剤師の働き方については、良い口コミと悪い口コミの両方が見受けられます。

良い口コミには「時給が高く、収入が安定する」「短期間で複数の職場を経験できてスキルが広がる」といった声があります。

一方で悪い口コミには、「人間関係に溶け込みづらい」「派遣切りの不安がある」「現場情報が違っていた」などの指摘もあります。

口コミは職場や条件によって大きく異なりますが、エージェントに事前に詳細を確認することが、ミスマッチを防ぐ最大の対策です。

現役派遣薬剤師の現場の実態

実際の勤務先では、派遣薬剤師が担う業務や環境はさまざまです。派遣だからといって仕事が軽いとは限らず、場合によっては正社員以上の負担がかかることもあります。

以下では、現場での具体的な勤務形態について紹介します。

在宅や病院

病院勤務では、病棟業務や注射薬の取り扱いなど、専門的な知識が求められます。在宅業務では、患者宅での服薬指導や薬歴管理など、医師や看護師との連携も必要です。

どちらも派遣薬剤師にとってはハードルが高くなりがちですが、経験を積むことでキャリアアップにもつながります。

調剤メインのケース

多くの派遣薬剤師は調剤薬局で勤務しています。処方箋の調剤、監査、服薬指導が中心業務となります。

処方箋の枚数や取り扱う薬剤の種類によって業務負担は異なりますが、基本的には即戦力としての対応が求められます。

一人薬剤師の場合はすべて自分で行う

地方や人手不足の店舗では、一人薬剤師として勤務するケースもあります。この場合、調剤から投薬、在庫管理、事務作業にいたるまで、すべてを一人でこなさなければなりません。

責任は大きいですが、自分の裁量で仕事を進められる点に魅力を感じる薬剤師もいます。

派遣薬剤師の3つのメリット

派遣薬剤師には、正社員にはない柔軟さや自由度の高さといった独自の魅力があります。

働き方や収入の面で自分に合ったスタイルを見つけたい方にとって、派遣という選択肢は非常に有効です。

働き方が自由

派遣薬剤師の大きなメリットの一つが、働き方を自分で選べることです。勤務日数や曜日、時間帯の希望が通りやすく、家庭の事情やプライベートと両立しやすい環境が整っています。

週2~3日勤務や短時間勤務など、自分のペースで働ける点が魅力です。

時給が高い

派遣薬剤師は、同じ労働時間でも正社員に比べて時給が高く設定されていることが多いです。特に人手不足の地域や急募案件では、時給3,000円を超えることもあります。

限られた時間で効率よく収入を得たい方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。

ひとつの職場に縛られない

派遣は契約期間があるため、さまざまな職場を経験できます。人間関係に悩んだり、職場の方針に違和感を持った場合でも、契約満了で次の職場へ移ることが可能です。

環境を変えながら働きたい方にとって、派遣は柔軟な選択肢となります。

派遣薬剤師の3つのデメリット

派遣薬剤師には自由や高収入というメリットがある一方で、安定性や職場環境への適応面で注意すべき点もあります。

以下に代表的な3つのデメリットを紹介します。

気に入った職場でも働き続けることができない

派遣契約には期間の定めがあるため、どれだけ働きやすい職場でも、契約満了で終了となる可能性があります。職場に気に入られたとしても、直接雇用への切り替えは簡単ではありません。

継続を希望する場合は、派遣会社を通じて派遣先と相談する必要があります。

新しい環境への対応力が必要

契約終了ごとに新しい職場へ移ることが多いため、そのたびに人間関係や業務内容に慣れる必要があります。

短期間で即戦力を求められるため、柔軟性や順応力に自信がないとストレスを感じやすいかもしれません。

派遣切りの可能性がある

経営状況や人員調整の影響で、契約途中でも打ち切られる「派遣切り」のリスクがあります。とくに長期契約ではなく、スポット勤務や短期契約の場合に発生しやすいです。

収入面の不安を感じる場面もあるため、複数の案件を常にチェックしておくなどの備えが求められます。

薬剤師が派遣登録後に感じやすい4つのギャップ

派遣薬剤師として働き始めた後に、「こんなはずじゃなかった」と感じるケースは少なくありません。事前の情報だけでは見えにくいギャップをあらかじめ知っておくことで、後悔のない選択ができます。

業務量が割に合わない

派遣薬剤師は高時給な一方で、求められる業務量が多い傾向にあります。これは、派遣先が即戦力を期待しており、短期間で高い成果を求めるからです。

例えば、処方箋が1日100枚を超える薬局で、スタッフが少ない場合、調剤・投薬・薬歴入力すべてをこなす必要があり、大きな負担となります。

エージェントを通じて処方箋枚数や1日の患者数、スタッフ体制などを事前に確認することで、過重労働のリスクを避けやすくなります。

派遣先の人間関係や教育体制に問題がある

派遣先によっては、職員との距離感があったり、派遣に対する受け入れ態勢が整っていないケースもあります。これは、短期契約の人材に対して教育コストをかけづらい背景があるためです。

たとえば「マニュアルがない」「相談しやすい人がいない」などのケースも少なくありません。

派遣先でストレスを抱えないためにも、事前にエージェントへ職場の雰囲気や教育制度の有無を確認するようにしましょう。

希望シフトが通りづらい/勤務日数に制限がある

派遣薬剤師は柔軟に働ける印象がありますが、実際には希望通りのシフトが通らないこともあります。とくに人手不足の職場では、フルタイム勤務を求められる傾向が強まります。

たとえば「週2日勤務希望」と伝えていても、「週4日以上でないと難しい」と言われることもあり得ます。

勤務前の面談や条件確認で、希望シフトが実現可能かどうかをエージェントとすり合わせることが重要です。

契約更新の見通しが曖昧/突然終了するケースも

派遣は契約期間が定められており、終了や更新の判断は基本的に派遣先に委ねられます。そのため、事前の説明があっても急な契約終了が起こることがあります。

なかには、「6カ月契約」とされていたのに3カ月で打ち切りになるケースも。途中終了となるのは稀ではありますが、契約前に「更新の可能性」や「途中終了の条件」について書面で確認するようにしましょう。

薬剤師が派遣登録前にしておきたい5つの対策

派遣薬剤師として後悔しないためには、登録前の準備が重要です。情報収集と事前確認を怠らなければ、ミスマッチを防ぎ、満足度の高い働き方を実現できます。

対策①エージェントに「希望条件の優先順位」をはっきり伝える

希望条件は細かく伝えるだけでなく、優先順位をつけることが大切です。なぜなら、すべての条件を満たす求人は多くないからです。

たとえば「時給よりも週3勤務を優先したい」「通勤30分以内が最重要」など、あなたが妥協できないポイントをエージェントが把握していれば、紹介される求人の精度が高まります。

登録後、実際に求人紹介してもらうタイミングになったら、希望条件を箇条書きで整理して担当者に伝えましょう。

対策②勤務先の「現場情報」をエージェントに細かく確認する

登録後のギャップをなくす対策の2つ目は、給与や勤務地だけでなく、職場の内部事情も確認することです。なぜなら、働きやすさは業務内容や人間関係に大きく左右されるからです。

たとえば、「処方箋枚数が多すぎないか」「一人薬剤師かどうか」「スタッフの構成」などは派遣先職場の働きやすさの目安になります。

「現場情報」を事前に担当者に聞いておくと、ギャップを感じることも少なくなるためおすすめです。

対策③派遣先の職場見学が可能か確認する

職場見学が可能であればしたほうが良いでしょう。なぜなら、実際の雰囲気や設備、担当者の人柄などは書類からは分からないからです。

たとえば、見学の際に「調剤室が狭い」「業務フローが複雑」と気づけることもあります。

薬局側も見学を許可している店舗は比較的多くあるため、積極的に申し出てみましょう。

対策④複数のエージェントを併用し比較する

派遣登録後のギャップを減らす対策として、複数のエージェントに登録して雇用主を選ぶことも、効果的な対策です。ひとつの派遣会社に絞ると選択肢が狭くなります。複数社を併用することで、より好条件の求人や良いサポートを選択できるようになります。

たとえば、同じ求人でもエージェントによって時給が異なるケースもあります。対応の丁寧さや情報の質にも差が出るため、比較は必須です。

登録後に合わないと感じた場合でも、他社に切り替えられるよう備えておくのが得策です。

⑤契約内容は必ず書面で確認し、不明点は明文化を依頼する

口頭の説明だけで契約を進めるのは非常に危険です。後から言った言わないのトラブルになる可能性があるからです。

勤務時間、時給、交通費、契約期間、社会保険の有無など、すべて書面で明記されているかを確認しましょう。不明点や曖昧な表現があれば、エージェントに明文化を依頼してください。これが、安定した勤務への第一歩です。

派遣薬剤師の登録前のよくある質問!Q&A

派遣薬剤師として働く前に、多くの方が不安に思う点や疑問点があります。ここでは、登録前によく聞かれる代表的な質問にお答えします。

派遣の福利厚生はよくない?

結論から言えば、派遣でも条件を満たせば福利厚生は受けられます。一般的に、社会保険や有給休暇は一定の勤務条件(週20時間以上など)を満たせば加入できます。

ただし、正社員と比べて住宅手当や退職金などの独自制度はないことが多く、派遣会社によって差が出る部分もあります。

登録前に「どの福利厚生が適用されるのか」「条件は何か」をエージェントに確認することが重要です。

派遣薬剤師だと産休・育休はどうなるの?

産休・育休は、派遣社員でも法的に取得可能です。雇用保険に加入しており、一定の勤務実績があることが条件になります。

たとえば、産休前に1年以上継続勤務していた場合、育児休業給付金の対象になることもあります。ただし、契約更新が前提になるため、産休・育休の取得には派遣先の理解も必要です。

早めにエージェントに相談し、取得実績や方針を確認しましょう。

調剤経験がないと派遣では働けない?

未経験でも働ける求人はありますが、選択肢は限られます。派遣は即戦力を期待されるため、調剤経験がないと応募できない求人が多いのが実情です。

とはいえ、「研修制度あり」「補助業務からスタート」などの求人も一部存在します。調剤未経験の方は、調剤業務に慣れるためのパート勤務や正社員経験を先に積むのも有効です。

登録時に「未経験OKの求人を探している」と明確に伝えることで、可能性は広がります。

薬剤師派遣会社は掛け持ちできない?

複数の派遣会社に登録することは可能です。むしろ、比較検討するうえで有効な手段といえます。

ただし、同時に複数社から同じ求人に応募するとトラブルになる恐れがあるため、応募の際は管理をしっかり行いましょう。

エージェントには他社にも登録している旨を伝えたうえで、最適な条件を引き出すための交渉材料として活用するのがおすすめです。

あなたはどちら?派遣薬剤師に向いているタイプ

派遣薬剤師としての働き方が自分に合っているのか、判断に迷う方も多いはずです。ここでは、派遣に向いている人・向いていない人の特徴を比較しながら解説します。

派遣が向いている人

結論から言えば、「柔軟な働き方を求める人」や「収入を優先したい人」には派遣薬剤師が向いています。

理由としては、派遣は短期間で条件の良い職場を選べたり、勤務地や時間を調整しやすい点が挙げられます。

たとえば、子育て中で週3日勤務を希望する方や、地方に住みながら高時給の案件を探している方にとって、派遣は理想的な働き方です。

また、新しい環境に適応する力があり、変化を楽しめる方にも適しています。

派遣が向いていない人

一方で、「安定を重視する人」や「ひとつの職場で長く働きたい人」には、派遣はあまり適していません。

派遣は契約期間が定められており、更新の有無は派遣先次第となるため、将来的な見通しを立てにくいことがあります。

たとえば、職場の人間関係を大切にしたい人や、異動のない職場で腰を据えて働きたい人には、正社員やパートのほうが合っているでしょう。

また、変化にストレスを感じやすい人には不向きな面もあります。

まとめ|薬剤師派遣への登録前に

派遣薬剤師という働き方は、自由度と収入のバランスを重視する人にとって非常に魅力的です。

ただし、登録前には「自分がどんな働き方をしたいのか」「何を優先したいのか」を明確にすることが大切です。

この記事では、派遣の流れや会社選び、年収相場、ギャップとその対策、Q&Aまで網羅的に解説しました。

すべてを理解した上で、自分に合った派遣スタイルを見極めて登録することが、後悔しない選択につながります。