未経験でも薬剤師の資格を持っていれば、企業への転職は可能です。
ただし、未経験者向けの求人は少なく、転職しやすい職種と転職しにくい職種があるため、求人選びにはコツがあります。
この記事では、未経験からでも企業へ薬剤師として転職できる企業や職種を解説します。
この記事を読むことで、未経験薬剤師から企業へ転職する方法やコツがわかりますので、ぜひ参考にしてください。
未経験でも薬剤師免許あれば企業へ転職できる?
未経験でも薬剤師免許を持っていれば、企業への転職は可能です。
ただし、職場や業種によって求められるスキルや経験が異なるため、気持ちだけでは通用しない場面もあります。
そのため、今の仕事内容と転職先の求人情報を十分に比較して、キャリアチェンジに向いているかどうかを検討しましょう。
場合によっては、転職を成功させるために、新しい職種や業務に対応できるようにスキルアップや勉強が必要になることもあります。
未経験だからと諦めず、チャレンジを歓迎する職場や寛容な環境を探してしましょう。
薬剤師は未経験でも企業へ転職できる
実際に、薬剤師求人サイトや調査結果を見ると、薬剤師資格は持っていても薬剤師未経験の方が、製薬会社や医薬品卸などの企業へ転職している例が多数あります。
ただし、企業へ転職する際には、未経験でも転職しやすい職種を選ぶようにしましょう。未経験可の求人でも、薬剤師経験が評価される職種もあるためです。
注意!未経験可の企業薬剤師求人は少ない
企業薬剤師求人において、未経験者歓迎のものは少ないことに注意が必要です。
しかし、希望条件や自分のスキルを明確にして転職活動を行うことで、未経験でも応募可能な求人を見つけることができます。
転職を成功させるためには、長期間にわたる活動やライバルとの競争に覚悟が必要です。
自分の経験や職種については転職エージェントを利用し、可能な範囲で視野を広げることで未経験可の企業求人を見つけられるようになります。
正直、転職エージェントなしで未経験から企業への転職は難しいため、未経験者は転職エージェントを利用するようにしましょう。
薬剤師なら狙い目!企業への転職成功2パターン
薬剤師として企業への転職を成功させるためには、以下の2つのパターンが狙い目です。
転職市場では未経験者より経験者を優遇する傾向にあり、企業に転職しやすい薬剤師職もあります。
薬剤師未経験の方も、企業薬剤師への転職の傾向を知ることで面接の対策にもなるので、参考にしてください。
まずは以下、薬剤師から転職しやすいパターンを解説していきます。
調剤薬局から企業へ
調剤薬局で働いている薬剤師が企業へ転職する際、MRやCRC(臨床研究コーディネーター)、CRA(臨床試験モニター)、DI(ドラッグインフォメーション)などの職種に注目するとよいです。
これらの職種では、薬剤師としての基本的な知識やスキルが活かされることが多く、また英語力やコミュニケーション能力も重視されます。
企業側も、調剤薬局での経験を持つ薬剤師を歓迎しており、中途採用の求人も比較的多く転職市場に出ています。
病院薬剤師から治験企業へ
病院薬剤師から治験企業への転職は、新たなキャリアチャンスとして比較的転職しやすいルートです。
治験企業では、CRAやCRCなどの職種があり、病院薬剤師の経験を活かしながら、業務にキャッチアップすることができます。
また、現場での管理職や、治験コーディネーターとしてのリーダーシップも求められることがあります。
治験企業への転職は、病院の現場から離れることになりますが、薬剤師としての幅広い活躍の場が広がります。
臨床経験のある人材は治験業界ではニーズが高いので、病院勤務の経験がある薬剤師はチャレンジしてみてもよいでしょう。
未経験でも転職できる企業薬剤師の職種
未経験でも転職できる企業薬剤師の職種には、医薬品や化粧品メーカーでの医療に関わる業務があります。
業務内容や役割は多岐にわたり、営業やクライアントへのアドバイスなど、コミュニケーションが重要な役割を果たします。
また、新薬開発や治験業務、医薬品の販売や相手企業への提案なども関与する場合があります。
未経験でも応募が可能な企業薬剤師の職種は、幅広い経験と知識が身につくことが期待できます。
未経験可の企業薬剤師の職種①品質管理
品質管理は、医薬品メーカーや化粧品メーカーでの重要な職種の一つで、未経験でも転職が可能です。
品質管理担当者は、自社製造の医薬品や他社からの取り扱い製品の品質を確認し、管理する業務を行います。
医薬品製造管理や品質管理基準(GMP)を遵守し、原材料から製造工程や検査までを調査しています。
さらに、品質試験を繰り返し実施し、データを採集して製造工程と連携しています。
問題点の洗い出しや改善策の提案も行います。
未経験でも、研修や先輩のサポートがあれば、品質管理の業務に従事することができます。
未経験可の企業薬剤師の職種②管理薬剤師とは
管理薬剤師は、薬局や病院の薬剤師の管理や指導を担当する職種です。
一般的には、経験豊富な薬剤師が管理薬剤師へ昇格することが多いですが、実は未経験可の求人も出ています。
管理薬剤師は、薬剤師としての専門知識や経験を活かして、チームをまとめるリーダーシップ力が求められる職種です。
未経験可の企業薬剤師の職種③DI(ドラッグインフォメーション)
ドラッグインフォメーション(DI)は、医療従事者や一般の患者に対して、医薬品に関する情報やアドバイスを提供する企業薬剤師の職種です。
DIを担当する薬剤師は、医薬品メーカーや卸売業者の中に所属し、最新の文献や医薬品情報を収集してクライアントに提供します。
未経験でも、研修やサポートがあればDIの業務に従事することができます。
この職種では、営業や医療従事者へのアドバイス、新薬開発や治験業務など、幅広い業務を経験できます。
未経験可の企業薬剤師の職種④CRA
未経験でも取り組める企業薬剤師の職種として、CRA(臨床開発モニター)があります。
CRAは、製薬企業や治験をサポートする開発業務受託機関(CRO)に所属し、治験実施計画書に基づいて治験が正しく実施されるようチェックし、データ収集やスケジュール管理を行います。
法規制を遵守した文書作成スキルも重要です。
業務には、各地の病院や医療機関を訪問するため、コミュニケーション力や交渉力が必要とされます。
また、CRAの年収は一般的な薬剤師より高い傾向があります。
未経験可の企業薬剤師の職種⑤MW(メディカルライティング)
未経験でも挑戦できる企業薬剤師の職種に、MW(メディカルライティング)があります。
MWは、治験結果をまとめた治験総括報告書や薬事承認申請に必要なCTD(Common Technical Document)などの資料を執筆します。
業務内容としては、主要評価項目や副次評価項目の設定、有効性の検証、安全性情報の解析などを行っていきます。
臨床試験や治験、製造関連、非臨床試験に関わる幅広い知識が求められます。
未経験者でも転職が可能であり、経験を重ねることで文章力や論理的思考が重用されるロジカルなキャリアを築けます。
未経験だと転職が難しい企業薬剤師の職種
未経験だと転職が難しい企業薬剤師の職種には、MR・MSや開発職、研究職などがあります。
これらの職種では、高度な技術や知識、専門性が求められます。
特に、新薬の開発や品質向上などの業務に従事する場合、各種試験や審査、製造、販売など多様な業務に対応できる専門知識や経験が重視されます。
また、MR・MSのようにプレゼンテーション力や営業スキルが求められる職種もあります。
開発職
開発職では、新薬の開発や既存薬品の品質改善に関する業務を担当し、高度な専門知識や技術が求められます。未経験者が転職で取り組みにくい職種の一つとされています。
研究職
研究職では、新薬の研究開発や既存薬品の効果・安全性の検証などを行い、専門的な知識や技術が必要とされます。このため、未経験者が転職を行う際の難易度が高い職種とされています。
MR・MS
MR・MSは、製薬メーカーの代表として、自社の医薬品の効果や安全性を病院や薬局にプレゼンテーションする職種です。未経験者が転職する際に難しく、プレゼンテーション力や営業スキルが求められます。
未経験の薬剤師が転職できる企業の種類4つ
未経験の薬剤師が転職できる企業の種類は以下の4つです。
- 医薬品卸会社
- 製薬メーカー
- 医療機器メーカー
- 化粧品メーカー
これら企業では、企業薬剤師として薬剤師のスキルや知識を活かしつつ、既存の医薬品の品質管理やDIに携わることができます。
また、治験結果の収集・分析などの業務も担当することがあります。
未経験の薬剤師が転職できる企業の種類①医薬品卸企業
医薬品卸会社では、薬剤師として医薬品の仕入れや販売に関わります。
また、医療機関や薬局との取引を円滑に進めるための営業活動も行います。
未経験の薬剤師でも、知識やスキルを活かして業務に取り組むことができます。
未経験の薬剤師が転職できる企業の種類②製薬会社
製薬メーカーも製品の品質管理やDIに携わります。
また、治験結果の収集・分析や品質管理などの業務も担当します。
未経験の薬剤師でも、専門知識を活かして業務に取り組むことが可能です。
未経験の薬剤師が転職できる企業の種類③医療機器メーカー
医療機器メーカーでは、医療機器の開発・製造や品質管理に携わります。
薬剤師の知識を活かして、医療機器の安全性や効果を評価する業務を行うことができます。
未経験の薬剤師でも、専門知識を活かして新しい分野で活躍することが可能です。
未経験の薬剤師が転職できる企業の種類④化粧品メーカー
化粧品メーカーでは、化粧品の開発・製造や品質管理に携わります。
また、成分の安全性や効果を評価する業務も担当します。
未経験の薬剤師でも、薬剤師としての知識やスキルを活かして化粧品業界で活躍することができます。
企業へ薬剤師が未経験で転職するメリット
薬剤師が未経験で企業へ転職すると、より働きやすい環境でスキルを活かすことができます。
企業で働く薬剤師は、調剤薬局や病院勤務と比べて、土日祝日の休みが増え、福利厚生が充実していることが多いです。
また、長期的に見ると年収が上がることも期待できますので、以下の解説を参考にしてみて下さい。
土日祝日が休みになる
企業で働く薬剤師は、調剤薬局や病院勤務と比べて土日祝日が休みになることが多いです。
そのため、プライベートの充実や家族との時間を確保しやすくなることはメリットでしょう。
また、休日が増えることでメンタルや体力的な疲労も軽減されます。
福利厚生が充実している
企業で働く薬剤師は、福利厚生が充実していることが多いです。
例えば、健康保険や厚生年金、退職金制度、社内研修制度などが整っていることが一般的。
これらの福利厚生は転職後の生活を安定させてくれますし、間接的に可処分所得の向上にもつながります。
長期的に年収が上がる
企業に転職した薬剤師は、長期的に年収が上がることが期待できます。
企業では、経験やスキルに応じて昇給や昇格があり、年収が徐々に増えることが多いです。
また、企業は平均年収が高いことが多く、薬剤師でも年収1000万円を超えるケースもあります。
企業へ薬剤師が未経験で転職するデメリット
一方で、未経験で企業へ転職するデメリットも考慮する必要があります。
企業で働く薬剤師は新しい業務内容や職場環境に慣れるまでの期間が必要ですし、その過程でストレスを感じることもあるでしょう。
ここでは、企業へ薬剤師が転職するデメリットについて解説します。
調剤経験を積むことは難しい
企業薬剤師では調剤経験を積むことが難しいです。
例えば企業に勤める薬剤師は、調剤業務よりも薬の開発や品質管理などがメインの業務になることが一般的です。
転勤や出張がある場合もある
企業薬剤師の場合、転勤や出張になる可能性もあります。
特に治験業界の企業では、医療施設や関連企業へ伺うために、全国各地に転勤や出張が求められることがあります。
このため、家族などの事情で転勤や出張が難しい薬剤師にとっては、働き続ける上での負担となることがあります。
未経験のため採用年収が低いケースもある
未経験の薬剤師が企業へ転職する際、採用年収が低く設定されることがあります。
これは、未経験者が転職先企業で新たにスキルを習得し、経験を積む必要があるため、企業が採用時の給与を抑える傾向にあるからです。
未経験で薬剤師が企業へ転職するための4つのコツ
未経験で薬剤師が企業へ転職するためのコツは以下の通りです。
- 職種の業務内容をよく調べる
- 未経験でも転職しやすい職種を選ぶ
- 条件や入社後の研修制度をしっかり確認する
- 薬剤師専門の転職サイトを利用する
これらのポイントを押さえることで、未経験であっても薬剤師として企業への転職が成功しやすくなります。
職種の業務内容をよく調べる
薬剤師が企業へ転職する際には、職種の業務内容をよく調べることが大切です。
企業や製薬会社など、薬剤師が活躍できる職場は多くありますが、企業内でも職種は多岐に渡ります。
そのため、自分がどのような業務に興味があり、どこで力を発揮できるかを明確にすることで、適切な転職先を見つけやすくなります。
未経験でも転職しやすい職種を選ぶ
薬剤師は多種多様な職種に転職することができますが、未経験でも転職しやすい職種を選ぶことが重要です。
例えば、医薬品メーカーや医薬品卸の品質管理などです。
未経験者では転職が難しい職種もあるため、未経験でも転職しやすい職種を転職エージェントに相談しつつ、幅広く求人を探しましょう。
条件や入社後の研修制度をしっかり確認する
未経験の職種に転職する際には、雇用条件や入社後の研修制度をしっかり確認することが重要です。
例えば、給与や勤務時間、社会保険や休日などの待遇面は十分に確認しましょう。
また、未経験でも問題なく仕事に取り組めるように、研修制度が充実しているかも重要なポイントです。
転職活動を始める前に、どのような条件や研修制度が自分にとって重要かを明確にしておくことが大切です。
薬剤師専門の転職サイトを利用する
薬剤師専門の転職サイトを利用することで、未経験でも転職しやすい職種や企業を見つけることができます。
薬剤師専門の転職サイトでは、薬剤師求人の検索や応募が簡単にできるだけでなく、薬剤師に特化したキャリア相談やサポートも受けられます。
また、転職サイトに登録することで、非公開の求人で自分だけでは見つけられない企業にも応募可能です。
転職活動を始める前に、薬剤師専門の転職サイトに登録しておくことがおすすめです。
転職サイトと言っても、どこを使えばいいのかわからない…。
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まとめ|薬剤師が未経験で企業へ転職するのは早い方が有利
薬剤師が未経験で企業へ転職する際には、最適な職種を選ぶこと、雇用条件や研修制度を確認すること、薬剤師専門の転職サイトを利用することが重要です。
早い段階で転職活動を始めることで、より有利に動くことが可能です。
今すぐ薬剤師専門の転職サイトに登録し、自分に合った求人情報を見つけて転職活動を始めてみましょう。