「薬剤師は楽そうでいいよね…」そんな口コミを目にすることもありますが、実際はまったく楽ではありませんよね。
患者さんに理不尽に怒られたり、コミュニケーションに不安のある患者さんに服薬指導を何度も伝えたり…。その上ミスはできないプレッシャーが重いのに、給料は安いまま…。
しかし、そんな薬剤師さんでも比較的「楽」だと感じる仕事や職場はあります。
この記事では、毎日忙しくてもっと落ち着いて仕事がしたい薬剤師さん向けに、今よりずっと楽な仕事や楽すぎだと感じる職場の条件について徹底解説します。
この記事を読めば楽な職場を見つけることができるようになりますので、ぜひ読んでみてください。
- 調剤少なく・患者少なく・在宅なしの薬局は楽
- 製薬会社事務や一般企業も体力負担は小さいが求人は少なめ
- 大学病院門前や精神科門前、小児科門前は非常にハード
- 楽な職場でもキャリア面で不利になるリスクがある
- 楽な職場選びは職場別のチェックポイントを押さえること!

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薬剤師父ちゃん
薬剤師・認定薬剤師・医療ライター
薬剤師歴10年。門前薬局・在宅医療・施設在宅に従事し、管理薬剤師として勤務。
抗がん剤・糖尿病・精神科などハイリスク処方を多数応需し、約1万人以上の患者カウンセリングを実施。
医療・健康分野のライター・カウンセラーとしても活動。 医療・サプリ・健康関連の記事を執筆中。
「専門知識をわかりやすく伝える」をモットーに、医療と生活の架け橋となる活動を続けている。
薬剤師は楽な仕事?職場別の楽さの違い

実は薬剤師は働く場所によって、楽な仕事と大変な仕事と大きな差があります。
ここでは、代表的な薬剤師の職場である調剤薬局、病院・クリニック、ドラッグストアにおける仕事内容と、働きやすさを解説します。
職場 | 楽さ |
---|---|
調剤薬局 | |
病院・クリニック | |
ドラッグストア | |
製薬会社 | |
一般企業 |
調剤薬局
調剤薬局の業務の忙しさは調剤薬局の立地や処方箋の枚数、人員配置によって大きく変わり、一部で仕事が楽な薬局も存在します。
地方や過疎地域、医療機関の人気が低いエリアの薬局では、処方箋枚数も限られるため、比較的余裕のある働き方ができる場合もあります。
一方で、忙しい調剤薬局の例は都市部の医療モール内にある薬局です。1日300~500枚もの処方箋が来るケースも珍しくありません。
働く人数が少ない店舗では、1人あたりの業務負担が増えやすく、忙しさが集中する傾向もあるのが特徴です。

職場選びの際は処方箋枚数・人員配置・在宅業務の有無などを確認しましょう。
病院・クリニック
病院やクリニックで働く薬剤師は、基本的に楽な仕事ではありません。
忙しい上に大変な労働が多く、専門知識と臨床判断力、チームワークとコミュニケーション能力が不可欠です。
病院薬剤師の業務例は以下です。
- 調剤
- 服薬指導
- 医薬品管理
- 医師・看護師・栄養士など他職との連携
- DI業務(医薬品情報管理)
- 病棟業務
- 輸液調剤
- ほか
夜勤や当直もあるため、体力的にも精神的にもきつい職場が多いです。
ただし、中小規模のクリニックの場合、楽な環境になることもあります。業務内容も限られ、外来調剤と服薬指導のみで終わることが多く、比較的負担が軽いケースもあるためです。

全体として、管理職などを除いて給与水準が低めである点はネックですね。
ドラッグストア
ドラッグストアで働く薬剤師は、業務範囲が非常に広く、基本的に楽ではありません。
ドラッグストア薬剤師の業務例は以下です。
- 調剤
- OTC医薬品販売
- 健康相談・サプリメントの接客・販売
- 在庫管理(医薬品・一般商品含む)
- レジ打ち
- 商品補充・陳列・品出し
- 清掃
- シフト管理
- ほか
調剤併設型ドラッグストアでは、処方箋枚数は病院門前薬局ほど多くはない傾向ですが、一般販売・接客・レジ業務と並行しながら調剤業務をこなす必要があるため、体力的・精神的負担が大きい職場です。
体力的には、正社員は夜間シフトや休日勤務に入る割合も多く、パートや派遣スタッフに支えられながらの運営となっていることが多いのが現状です。
給料は高めですが、専門性を磨くのには限界があり、キャリア形成という点では不利になるケースもあります。
製薬会社
製薬会社で働く薬剤師の働きやすさは、職種によって大きく異なります。
製薬会社での職種は大きく分けて以下の4つです。
- MR(医薬情報担当者):楽ではない
- 研究職:楽ではない
- 開発職:楽ではない
- 事務職:体力的な負担は少ない
MR(医薬品情報担当者)
MR(医薬情報担当者)は営業職の一種であり、訪問・ノルマ・接待・上司からの数字のプレッシャーが非常に大きく、精神的ストレスや離職率の高さが目立つ職種です。年収は比較的高いですが、ハードワークの代表格といえるでしょう。

私の周りのMRの離職率は、調剤薬局などの薬剤師に比較して非常に高い印象です。
研究職
研究職は、医薬品の基礎研究や臨床試験前の評価を行うポジションです。基本的に大学院修士課程以上の学歴が求められ、就職自体が非常に狭き門です。また、実験の進行状況によっては夜遅くまで研究室に残り作業を行うことも多く、肉体的・精神的な負担も少なくありません。
開発職
開発職は、治験の進行管理や製品化に向けた会議・出張が多く、関係各所との調整業務が中心となります。常に最新の医薬品開発動向を把握し、自己研鑽を怠らずに業務を進める必要があります。
事務職
事務職は一般的にデスクワーク中心で、他の職種に比べ体力的負担は少ない傾向があります。ただし、薬剤師免許を必要とする事務職の求人は少なく、就職先として一般的とはいえません。また、製薬会社特有の社内コミュニケーションの煩雑さや独特の社風に馴染む必要があり、これを負担に感じる人もいます。
楽な職場を求める場合には、製薬会社のMR以外、特に体力的負担の少ない事務職(ただし求人は少ない)を目指すと良いでしょう。
一般企業
一般企業は化粧品メーカーや食品メーカーのほか、医薬品卸や化学品商社などを指します。
一般企業で働く薬剤師の職種例は以下です。
- 品質管理
- 研究開発
- 薬事
- メディカルライティング
- 学術など
これらの仕事は調剤業務に比べて比較的楽と感じる場合が多いです。
その理由は、クライアント対応や対人関係のストレスが少なかったり、就業時間の負担も少ないためです。
給料は高くないケースが多いですが、企業によっては調剤薬局やドラッグストアよりも高い年収での転職も可能です。
薬剤師が「楽すぎ」と感じれる仕事・職場の5つの条件

薬剤師が「楽すぎ」と感じる職場には以下の5つの条件があります。
- 処方箋の数が少ない
- 調剤の内容が簡単
- 対応に困る患者が少ない
- 在宅やお薬のお届けがない
- 業務を自分でコントロールできる
①処方箋の数が少ない
処方箋の数が少ない職場は、薬剤師にとって働きやすい環境と言えます。
処方箋の枚数は、主に立地と周囲の医療機関の人気度によるところが大きいです。
例えば、立地が良く人気のある、都市部の医療モール内の薬局では処方箋の枚数が多く、患者との対応や調剤に追われることが多くあります。一方で立地条件の悪い薬局では、処方箋の数が少ないため、業務が落ち着いています。郊外や過疎地では1日10〜30枚程度の薬局もあります。
このほか、総合病院は周りで薬局が多い場合には、処方箋が分散される傾向にあるため、以外と処方箋は少ないケースもあります。ただし処方日数や処方内容が重く、業務負担は枚数以上の体感があります。
このように、処方箋の枚数は立地と人気の影響が大きく、薬剤師が落ち着いて働くには立地と人気を加味して職場を選ぶことが必要です。
②調剤の内容が簡単
調剤の内容が簡単な職場は、薬剤師にとっておすすめです。
煩雑で複雑な処方箋に対応する業務が少ない場合、集中して仕事に取り組むことができるため、ストレスが少なくなります。
調剤の難易度は診療科目によって異なり、たとえば以下のような特徴があります。
- 整形外科・眼科:処方内容が定型的で、NSAIDs・胃薬・湿布・点眼薬などの単純処方が中心
- 精神科や循環器科:薬剤数が多く、相互作用・副作用管理も複雑
そのため、整形外科や眼科の科目特化型の門前薬局は、忙しさの割に業務内容はシンプルで、のんびり働きたい人に適していると言えます。
のんびり働きたい場合には、調剤の内容が簡単な薬局を選ぶと良いでしょう。
③対応に困る患者が少ない
対応に困る患者が少ない職場も、薬剤師にとって働きやすい環境となります。
気の難しい患者の要望や対応は、それだけで時間とストレスがかかります。
特に総合病院前の薬局は、以下のような患者が多い傾向です。
- 重症・難病患者
- 近医紹介を断ったこだわりの強い患者
- 医療不信・クレーマー気質の患者
患者の疾患内容・性格により説明の難易度も変わるため、ストレスのかかる職場となりやすいです。
のんびり働くためには、対応に困る患者の少ない職場が適しています。
④在宅や薬の配達がない
在宅や薬の配達がない職場は、薬剤師にとって働きやすい環境です。
なぜなら、自分のペースで調剤や服薬指導などの通常業務に集中でき、予定通りに仕事を終えられるからです。
一方、在宅医療や配達業務がある場合、以下のような通常業務以外の作業が発生し、負担が増えます。
- 患者宅や施設への訪問スケジュールの調整
- 薬の準備と配達時間
- 訪問先での服薬指導や状況確認
- 施設スタッフとのやり取り
なお、在宅業務以外での配達業務としては、以下のケースがあります。
- 薬不足による後日配達
- 会社独自サービスとしての配達(有料・無料)
配送会社を利用できる場合はよいですが、薬局スタッフ自身が配達するケースもあり、これが勤務時間外や休日に業務が発生することもあります。
このように、在宅や配達業務がない薬局であれば、余計なスケジュール調整や移動、追加作業が発生せず、効率よく働きやすい職場環境を実現しやすくなります。
⑤業務を自分でコントロールできる
業務を自分でコントロールできる職場は、薬剤師にとって大変魅力的です。
自分の働き方やスケジュールを調整できるため、仕事とプライベートのバランスが取りやすくなります。
大手チェーンや病院勤務では、定められたシフトや時間厳守の業務が多いため、自己裁量は限られます。
自分の裁量で働き方を調整したい場合は、職場の裁量権の有無や人員体制をよく確認することが大切です。

「楽な仕事」の要因:時間や条件の柔軟性
「楽な仕事」の要因として、時間や条件の柔軟性が挙げられます。
つまり、働く時間や状況が柔軟に対応できる仕事ほど、薬剤師にとって楽だと感じられる傾向があります。
時間や条件に柔軟性のある職場は薬剤師にとっても良い環境です。
のんびり働きたい薬剤師におすすめの職場も以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
薬剤師の楽な仕事・職場5選

以下は、薬剤師が「楽だな」と感じる職場・職種5選です。
- 単科の医院・クリニックに隣接した調剤薬局
- 安定期患者が利用する病院
- 一般企業の企業内診療所薬剤師
- 一般企業の研究補助・データ解析部門
- 製薬会社の品質管理職
それぞれの職場・職種の特徴もあるので、以下で解説します。
①単科の医院・クリニックに隣接した調剤薬局
薬剤師として比較的楽に感じる職場の一つとして、単科の医院やクリニックに隣接した調剤薬局があげられます。
その理由は、患者数が少なく、処方箋も簡単なものが多いためです。
単科の医院やクリニックに隣接する調剤薬局の具体的な特徴としては、処方箋の内容がある程度パターン化されており、複雑な処方が少ない点です。
内科、整形外科、皮膚科など、特定の診療科のみの処方が中心となるため、業務に慣れると効率よく調剤・投薬指導が行えます。
中小規模の医院・クリニックでは、午前のみor午後のみといった半日診療の日が設けられているケースも多く、閉院後はワークスケジュールにゆとりが生まれます。この場合余裕をもって、予製作成や薬歴、発注などの時間に当てることが可能です。

ただし人気のクリニックでは、半日の日は、時間当たりの患者数が増え忙しくなる場合もあります。
②安定期患者が利用する病院
安定期患者が多く利用する病院は、薬剤師にとってのストレスが少なく働きやすい職場です。
患者の症状が一定期間安定しているため、急変や事故のリスクが低く、薬の処方も比較的単純で、高度な知識や技術が必要な場合が少ないのが特徴です。調剤内容も内服薬が中心で、定期処方が多く、調剤・監査・服薬指導もルーチン化しやすい傾向があります。
リハビリテーションや療養を目的とした病院での仕事は、安定した環境が魅力です。

安定した処方内容に加え、夜間・休日のオンコール当番が比較的少ないため、薬剤師にとってはストレスの少ない環境です。
③一般企業の企業内診療所薬剤師
一般企業の企業内診療所薬剤師は、薬剤師が求めるワークライフバランスを実現できる職場です。
残業が少なく、従業員の健康管理が主な業務で、労働時間も短い場合が多いです。具体的には、健康診断後のフォローや軽度な体調不良への対応、常備薬の管理などが主な業務となります。
調剤業務は少なく、服薬指導も社員対象に限られるため、患者数や業務量が限定的です。
残業が少なく、土日祝休み・定時退社が多いです。ワークライフバランスを重視する薬剤師には理想的な職場といえます。

ただし、求人自体が少なく、経験者採用を優先する傾向もあるため、競争率はやや高めです。
④一般企業の研究補助・データ解析部門
薬剤師としてあまり一般的ではない職種の選択肢ですが、健康食品・サプリメントメーカーなどの研究補助・データ解析部門も、薬剤師にとって働きやすい職場です。
非常に専門的なスキルを要しますが、対人業務を避けたい人には向いています。
製薬会社や食品・健康食品メーカーの研究部門では、機能性成分の分析や臨床データの解析、論文作成補助、治験データの整理などを担当します。対人関係のストレスは少ないのが特徴です。
薬学の専門性が必要になるため、薬剤師経験も活かせて働きやすい環境で仕事ができます。
⑤製薬会社の品質管理職
製薬会社の品質管理では、薬剤師が製品の品質を管理し、安全性や効果を担保します。
具体的には、製造過程での品質チェックや製品に関する法規制の遵守をチェックします。
チームで業務を進める職種ですが、突発的なクレーム対応や緊急処置が少なく、ルーチン業務中心で自分のペースで進めやすいのが特徴です。チーム制ですが、基本的に個人で担当する検査業務が明確に分担されています。
年収は調剤薬局や病院勤務の薬剤師より高い傾向があり、キャリアアップも期待できる魅力的な仕事です。
製薬会社の品質管理はきついと口コミもありますが、以下の記事を読めば製薬会社の品質管理の仕事がよくわかります。参考にしてみてください。

楽じゃない薬剤師の職場4選

楽じゃない薬剤師の職場として、以下の3つが挙げられます。
- 大学病院や総合病院の門前薬局
- 精神科の門前薬局
- 小児科の門前薬局
- 常に募集をかけている薬局・病院・ドラッグストア
①大学病院・総合病院の門前薬局
大学病院や総合病院の門前薬局は、楽に働ける環境ではありません。
理由は以下の通りです。
- 患者数が多い
- ハイリスクな処方が多い
- 専門性の高い処方が多い
- 一包化・特殊調剤が多い
- 長期処方が多い
- 休憩が取れないケースもある
大学病院や総合病院近くの薬局では、患者数が非常に多く、外来患者が集中する時間帯には緊張感のある忙しさに包まれます。処方箋は、抗がん剤から麻薬、小児の散剤などハイリスクな処方が入り乱れており、薬剤師のミスが致命的になるケースもあります。日数も3か月処方など長期処方が多く、量、質ともに重い処方です。
薬剤師の人数は多く配置されているものの、大学病院・総合病院は昼休憩を挟まずに診療が続くケースもあり、昼休憩が取れないケースも少なくありません。
患者さんが多く、忙しさが続くため、楽に働きたい薬剤師の方には向かない職場です。

大学病院や総合病院の門前薬局は、専門性の高い処方内容や一包化・特殊調剤も多く、スピードと正確さの両立が求められます。薬剤師としての負担は非常に大きいです。
②精神科の門前薬局
精神科の門前薬局も、楽な環境とは言えません。
理由は以下の通りです。
- 投薬指導に神経を使う
- 薬剤師の精神的負担が大きい
- 事務手続きが煩雑
- 一包化が多い
精神科では、投薬指導時にも慎重なコミュニケーションが必要です。患者さんによっては症状や行動の不安定さもあり、薬剤師側の精神的な負担も大きくなります。精神科では公費負担(自立支援医療等)が絡むケースも多く、事務手続きも煩雑です。
一包化される薬も多く、患者さん一人当たりにかかる時間が長くなり、忙しくなります。
調剤や監査に時間と労力が必要で、投薬時には色々と気を使う大変なケースが増えるため、リラックスして働くことは難しいでしょう。
③小児科の門前薬局
小児科の門前薬局も楽ではありません。
理由は以下の通りです。
- 剤形が多様
- 一包化が多い
- 保護者への説明の工夫の負担
- 鑑査に神経を使う
- 発熱外来への対応
- 感染リスク
小児科の門前薬局では、散剤(粉砕、脱カプセル含む)・シロップ・細粒・軟膏など剤形の多様さ、一包化、量の調整、保護者への説明の工夫などが求められ、負担が大きいです。
小児科の処方箋での調剤のミスは非常にリスクが高く、1桁計算を間違えれば10倍、もしくは10分の1の量で投与することになるため、鑑査にはとても神経を使います。
小児科の発熱外来は、他科に比べて明らかに患者数が多く、まさに“超激務”の現場です。
業務量の観点では、季節が変わるごとに集団感染があり、発熱患者が朝から40人、50人と来局。受付開始と同時にパンクすることも珍しくありません。
業務の工夫の観点では、調剤中も子どもは長時間の待機が難しいため、順番を調整したり、時間を空けて薬を配達するなど、臨機応変な対応が必要です。服薬コンプライアンスに直結する「薬の味」や「飲みやすさ」にも配慮が必要で、細やかな気遣いと技術が求められます。
電話対応や問い合わせも絶えず、昼食どころかトイレに行く時間さえ惜しまれる日もあるほど。
とにかく“待ったなし”の対応が延々と続くのが小児科の発熱外来の現場です。

小児科の門前薬局は大変な職場です。
④常に募集をかけている薬局・病院・ドラッグストア
常に募集をかけている薬局・病院・ドラッグストアも楽ではないでしょう。
理由は以下の通りです。
- 人手不足の証拠
- 職場の環境に問題がある可能性が高い
常に求人募集をかけているのは、人手不足の証拠です。
慢性的に人が定着しないのは、労働環境・業務量・人間関係などに課題を抱えている可能性が高いと言えます。また離職率の高さともある程度相関性があり、現場の環境や負担に問題がある可能性が高いといえるでしょう。
常に募集をかけている職場は、人手不足によって仕事量が増え、働く環境が劣悪になることがあるため、余裕をもって働くことが難しくなります。
薬剤師が「楽すぎ」と感じる仕事・職場のデメリット

薬剤師が「楽すぎ」と感じる職場には、デメリットも存在します。
楽な職場で働くことは精神的にも時間的にも大きなメリットがありますが、キャリアとしては注意が必要な場合もあります。
スキルが身に付きにくい
楽な職場は、専門知識の幅や応用力を磨く機会が限られやすいというデメリットがあります。
例えば、定型処方やDO処方ばかりの環境では、薬剤師としての判断力や情報収集力を発揮する場面が少なく、スキルが身につきません。
スキルアップを重視する場合には、在宅医療や緩和ケアを扱う薬局、総合病院など、幅広い疾患や症例に触れられる職場での経験も選択肢として視野に入れるのがおすすめです。
転職でキャリアを評価されにくいことも
楽な職場で働くことは、将来の転職でキャリアを評価されにくくなることもデメリットとして挙げられます。
転職市場においては、薬歴管理、服薬指導、在宅業務、病院経験などの具体的な実績が重視されるため、「楽な職場経験のみ」というキャリアは不利になりがちです。
将来的に総合病院門前薬局や在宅医療など、高い専門性が求められる職場への転職は難しくなるでしょう。
日々の学習やスキルアップに取り組む意欲を持ち続けることが大事です。

転職が難しくなる人と転職できる人の違いは、薬剤師の転職が厳しいと言われる理由とは?市場動向と成功のコツを解説でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

薬剤師の楽な仕事・職場はこんな人に向いている
プライベート重視や体力的な負担を避けたい薬剤師の場合、「楽な職場」を選ぶことで日々の充実感は得られるでしょう。
ただし、薬剤師の楽な仕事・職場には、メリットもありますが、キャリアに関してはデメリットになる可能性もあります。
楽な仕事・職場には向き・不向きがあるため、楽な職場を選ぶ場合には自分に合っているか慎重に検討しましょう。
楽な職場が向いている人は以下のような薬剤師さんになります。
- 仕事よりプライベートを重視したい
- 長時間労働や責任の重さを避けたい
- 職場の人間関係で悩みたくない
- 安定した給与と福利厚生があれば十分
【職場別】薬剤師が楽に働ける職場選びのポイント

薬剤師業務は職場によって負担のかかるポイントが全く異なります。
薬剤師が無理なく働ける職場を見つけるために、調剤薬局・病院・ドラッグストア、それぞれで何を確認すべきか、解説します。
調剤薬局薬剤師の場合
調剤薬局薬剤師が無理なく働けるかどうかは、処方箋の枚数や応需する医療機関の診療科目、スタッフの人数構成に大きく左右されます。
特に次のポイントの確認が重要です。
- 1日あたりの処方箋枚数と薬剤師数のバランス
- 内科中心か、在宅訪問・透析・精神科処方など特殊性の有無
- 在宅業務の範囲(居宅のみ/施設対応もあり/夜間オンコールの有無)
繁忙薬局や在宅訪問中心の薬局では、体力的・精神的な負担が大きくなるケースもあります。在宅業務の有無と件数、夜間対応の有無は必ず確認したいです。
病院薬剤師の場合
病院薬剤師は、配属先と勤務形態で負担感が大きく異なる職種です。一般病棟中心で夜勤のない病院もあれば、当直・夜勤・オンコールが発生する病院もあります。
特にチェックすべきは以下のポイントです。
- 夜勤・当直の有無、頻度
- 病棟業務(服薬指導、カンファレンス参加)の範囲
- 混注やTPN調製の担当有無
- 医師・看護師との連携のしやすさ
特に、夜勤当直の有無・回数と混注作業の有無で、身体・精神の負担が大きく変わります。
ドラッグストア薬剤師の場合
ドラッグストア薬剤師は、OTC販売・接客を含むか、調剤専任かで働き方が大きく異なります。
調剤併設型なら処方箋枚数と調剤業務が中心、OTC中心型なら一般医薬品・健康食品・日用品販売も担当するため、接客が苦手な方には負担になります。
特にチェックすべきポイントは以下です。
- OTC販売・接客の有無と割合
- 一般商品(日用品・コスメ・食品)の品出し・レジ対応の有無
- 営業時間とシフト(早番・遅番の偏り)
- 調剤併設型か、OTC専任型か
- 残業の有無・繁忙期(花粉症・夏・冬)の勤務体制
OTC+レジ+品出し+在庫管理を兼務する店舗は、体力的にもかなりハードです。
無理なく働きたい場合には、調剤専任型・調剤併設型で調剤業務中心の職場を選ぶ良いでしょう。
薬剤師は楽だと思われている?

薬剤師という職業は、一見楽そうに見えることがありますが、実際にはそうではありません。
まず命に関わる責任を伴う仕事であり、心理的な負担があります。
昨今は医薬品の供給不足や流通制限による代替薬の提案・調整も日常的に発生し、流通状況の把握・薬剤師間の情報共有・患者への説明も求められ、業務は増加しています。

他にも、クレーム患者への対応、24時間電話相談への応需、休日夜間の当番薬局など、医療インフラの一部としての重責も担っており、決して楽な仕事ではありません。
薬剤師という仕事が高給な割には楽そうに見えます。薬剤師の辛い要素はあるでしょうか?勤務先によって条件は異なるとは思いますが、残業や転勤などはあるのでしょうか?
Quoraありますね。
一番わかりやすそうなのは、その「楽そうに見えます」ですね。私は、薬剤師として製薬会社の許可の責任者や調剤の薬剤師などをしていましたが、しばしば心無い患者より「棚から薬を取って袋に詰めるだけなんだからすぐに渡せ!」と騒がれることもあります。
実際には「健康保険が使えるように事務処理を行い、医師の処方ミスがないか確認を行い、薬を揃え加工し、揃え方が毎日の飲みやすさに問題ないか確認し、揃った薬に間違いがないか、最後に患者の過去の情報と新たに聴取した内容を踏まえて、服薬の仕方や生活習慣の薬学的指導まで行う。」ここまでが処方箋一枚に対して行われます。
この一連の業務自体にも時間はかかりますし、この確認や指導については業務終了後がそれぞれの自己研鑽のために学習、研修していく必要が日々あります。
医師が病気やケガに対する専門家であるならば、薬剤師は薬に関する専門家ですが、薬剤師についてそのような認識を持っていただいている患者がいないことが辛いかもしれません。
まぁ、薬剤師の皆さんは早々割り切っている方が多いのかもしれませんが。
別の業務での薬剤師としては、製薬会社以外で就業する企業薬剤師では、薬剤師免許を必要とすることが多いので、薬剤師としてのスキルに対する理解や尊敬はないので、企業によっては免許で入社氏と扱いもあったりします。
そのあたりが辛いのかもしれません。あくまで私見ですが。。。
薬剤師って楽な職業の割に給料が安定して高くていいですよね。 ドラッグストアの薬剤師はアルバイトでもできるレジの仕事とか、調剤薬局でも処方箋通りに薬を出して典型的な説明をして終わり。 薬の質問をしても、適当に「大丈夫ですよ。」と何の根拠もなく言うだけ。 正直、いい加減な対応に腹が立ちました。 全員がそうではないですが、薬剤師の仕事はいいなぁと感じてます。 大学受験でも圧倒的に倍率が高く、私と同じような考え方の生徒たちが多いのかもしれません。 みなさんのご意見や、薬剤師の方でこれは大変だと思う事などをお聞かせください。
Yahoo!知恵袋楽ではないですよ。医者のミスを見抜いて止めないと賠償責任を負うこともあります。
かかりつけ薬剤師、在宅の対応をしていたら24時間携帯を持ち患者を対応したり、休日、年末年始に緊急配達することもあります。
レジ打ちで1つミスするのと、薬を間違うのは訳が違います。
ちなみに10年薬剤師をしていて、うちは7年くらいは調剤薬局、3年ほどドラッグストアの薬剤師をしていますが、レジはしたことないです。~中略~
他の方も言ってますが、一般的な薬の併用、相互作用に関してはそこそこ頭に入ってますし、監査段階でも確認しています。無責任に大丈夫ですとは言わないです。
投薬時に口頭で併用薬を聞き取り、疑義照会、薬剤削除になり、重複投薬相互作用防止加算の算定になることも日常的にあります。
あと、薬剤師はほとんどが私立出身、6年で学費だけでも1,200万円かかってます。
薬剤師って凄い楽な仕事ですよね?だってお客さんから薬頼まれてあとはポイッて渡すだけだし誰でもできるような仕事ですよね? 就きたいんですけど簡単に就けますか?
Yahoo!しごとカタログたしかにそんな感じの薬局はありますが、一部の薬局だけです!一部の!
私は病院勤務なので、詳しくはわかりませんが、大学時代に習ったことと言えば、服薬指導と疑義照会は当然ながら、患者様に薬を渡したあと、調剤録書いたり(調剤途中のみ)、処方箋にいろいろ書き込みしたり、保管したり、薬の取引も行わなければなりません。
医薬品の取引なので、いろいろと法律がからんで、文書を書いたりしなければなりません。
他に麻薬処方箋なんかくると、やること多すぎてコンビニの店員さんみたいにはいかないみたいです。薬の廃棄なんかも都道府県の知事に提出とかもあります
なぜ薬剤師は楽そうに思われてしまうのか?

薬剤師が楽そうに思われてしまう理由として、見かけ上薬を渡すだけに見えてしまうことや、給料が高いことから楽な仕事だと捉えられてしまう傾向があります。
薬を渡すだけに見えている
薬剤師の仕事は、一見すると薬を渡すだけに見えることがありますが、実際には患者さんに適切な薬を提供するために、調剤やアドバイスなどの専門的な業務を行っています。
また、医療チームの一員として患者さんの健康管理にも関与しており、楽ではない面が多くあります。
給料が高そうに見えている
薬剤師の給料は、一般的に高いイメージがありますが、他の医療専門職と比較しても収入は控えめです。
専門知識や資格が求められる、健康や命に関わる職業ですが、費用対効果の面では決して好待遇とは言えません。
実際には地域や就業先によって年収が変わりますし、最新の知識を身につけるための研修や勉強も必要です。
また、患者さんのために積極的に活動することが求められるため、楽な仕事ではありません。
楽ではない薬剤師の仕事とお金の事情

薬剤師の業務は、見かけによらず楽ではなく、重要な役割を果たしています。
そのため、給与もそれなりに高額になることがありますが、それはその責任や専門性に見合った報酬であると考えられます。
薬剤師免許取得には学費で1200万円かかる
薬剤師免許取得のためには、学費として約1200万円が必要です。
この費用は薬学部の学費で、その他下宿費用等を含めれば、6年間で1500万円ほどになることもあります。
この学費は私立理系の約3倍ほどの投資額ですが、薬剤師の給料が他職の3倍かというとそうではなく、平均年収の約1.2倍程度しかもらえません。
薬剤師になるまでには多くのお金と時間と労力がかかるため、就職するのも楽ではありません。
薬剤師の詳しい年収については、2025年版!薬剤師年収の中央値は?年収が上がらない3つの理由とおすすめ職種でも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

勉強漬けの6年と試験突破が必須
薬剤師を目指すには、6年間の勉強漬けの日々を過ごす必要があり、最終的には国家試験の突破が必須です。
国家資格の合格率は約70%前後で、留年者も多いため、ストレート組は意外と少数となっています。
この間、薬剤師が取り扱う医薬品の知識や、地域の病院や薬局で行われる調剤業務についても学びます。
勉強の時間は長く、プライベートの両立が難しい場合もあるため大変です。

試験勉強は膨大で、試験前は長時間の勉強漬け。人にもよりますが、思ったよりも「青春らしい」時間の少ない6年間を過ごすことになります。
ミスの責任が重大
薬剤師の仕事において、ミスは許されません。
患者の健康に関わる処方箋の調剤作業や、薬の相互作用についての判断など、正確で適切な対応が必要です。
ミスがあると患者の命に直接影響を及ぼすことがあるため、新人が増えると悩みが深刻になります。
そのため、薬剤師は慎重かつ正確に仕事を行う必要があり、楽な仕事ではありません。
給料はパート時給で2,500円ほど
薬剤師のパート時給は、一般的に2,500円程度です。
ドラッグストアや薬局でアルバイトをする場合、シフト制で勤務時間を調整し、自分のライフスタイルに合わせて働くことができます。
ただし、収入はフルタイムの社員と比較して大幅に少なくなるため、希望の収入を得ることが難しい場合があります。
まとめ|薬剤師は楽じゃないけれど忙しくない職場は選べる
薬剤師は楽じゃない仕事ではありますが、忙しくない職場を選ぶこともできます。
薬剤師として働く上での悩みやストレスは共通して存在しますが、それぞれの人がサポートできる職場を選ぶことで、健康で充実した仕事を続けることができます。
次のアクションとして、転職を検討して働く環境を改善することをおすすめします。

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