薬剤師として働く中で、年収や残業、休日出勤などの悩みを抱えている人は多くいます。薬剤師資格を生かし、キャリアチェンジを考えている人が多いのも現状です。この記事では、薬剤師のキャリアチェンジにおすすめの職種や、キャリアチェンジするメリット・デメリットを解説します。
記事を読めば、薬剤師の資格を生かしながら、キャリアチェンジを成功させるコツがわかります。自分に合った新しい職種を見つけ、充実した生活を送りましょう。
薬剤師からのキャリアチェンジにおすすめの職種

薬剤師からのキャリアチェンジにおすすめの職種は、以下のとおりです。
- 医薬情報担当者(MR)
- 研究職
- 治験コーディネーター(CRC)
- 臨床開発モニター(CRA)
- 薬科大学の教員
- 公務員薬剤師
- 医療コンサルタント
- メディカルライター
医薬情報担当者(MR)
医薬情報担当者(MR)は、製薬会社に所属し、医療機関に医薬品の情報提供を行う仕事です。新薬や治療法の最新情報を伝達します。医療現場のニーズを収集し、自社にフィードバックを行うのもMRの役割です。医療現場との密接な関わりがあるので、最新の医療情報に触れられるのがMRの魅力です。
MRに求められるスキルとして、薬学の専門知識やコミュニケーション能力、営業スキルなどがあります。薬剤師資格を持っていると有利ですが、継続的な学習と自己研鑽も必要です。年収は平均600万円程度で、薬剤師としての経験を生かせば、収入アップの可能性もあります。
出張や不規則な勤務時間もあるので、ワークライフバランスには注意しましょう。
研究職
研究職の主な業務内容は、新薬開発や既存薬の改良です。製薬会社や大学、研究機関で研究開発業務に携わります。基礎研究から応用研究まで幅広い分野があるので、自分の興味や得意分野に合わせて選択できます。新しい発見や革新的な薬の開発に携わり、多くの人々の健康に貢献したい人におすすめの職種です。
チームでの共同研究が多く、実験や分析スキルが求められるのが研究職の特徴です。論文執筆や学会発表の機会があるため、英語力も求められます。研究費の獲得や管理も必要になるため、マネジメント能力も必要です。成果主義の傾向が強く、年収は経験や研究成果により幅があります。
博士号取得者が有利な傾向にあるため、学位取得を検討するのもおすすめです。
治験コーディネーター(CRC)

治験コーディネーター(CRC)は、治験の実施をサポートし、被験者と医療機関の間を取り持つ仕事です。医療機関での治験の進行管理や調整を行い、被験者のケアや安全性の確保、データ収集を担当します。医療の発展に貢献したい人におすすめの職種です。
CRCは、製薬企業や医療機関、CRO(開発業務受託機関)などに所属します。資格は必須ではありませんが、日本臨床薬理学会認定CRCなどを取得すると有利です。
臨床開発モニター(CRA)
臨床開発モニター(CRA)は、治験の進行状況を監視・管理し、医療機関と製薬会社の連絡役を務める仕事です。CRAの仕事は医療機関への訪問が多く、出張が頻繁にあります。残業は比較的多い傾向がありますが、キャリアアップの機会が豊富です。将来的には、治験の計画立案や戦略策定に関われる可能性もあります。
年収は400〜1,000万円程度と幅広く、経験や実績によって上昇します。薬剤師資格は有利ですが、必須ではありません。
» 年収1000万超を目指す!薬剤師の働き方と必要な資格・スキル
薬科大学の教員
薬科大学の教員は、薬学の専門知識を次世代に伝える重要な仕事です。学生の指導や論文執筆、学会参加など、薬科大学の教員の業務は多岐にわたります。産学連携プロジェクトに参加できる可能性もあるので、幅広い経験を積みたい人におすすめの職種です。
薬科大学の教員は、柔軟な勤務体制が整っているため、仕事と生活の両立がしやすい点が魅力です。薬科大学の教員に就くためには、大学院での研究経験が求められます。教育スキルや研究実績も重要です。講師から始まり、准教授、教授と段階的に昇進していくのがキャリアパスの道筋です。
公務員薬剤師

公務員薬剤師は、保健所や地方自治体で働く薬剤師を指します。公衆衛生の向上や地域住民の健康増進に大きく貢献できる職種です。公務員薬剤師の主な業務は以下のとおりです。
- 食品衛生の監視
- 環境衛生の監視
- 医薬品の許認可・監視
- 健康相談・啓発活動
公務員薬剤師は、安定した雇用と充実した福利厚生を得られます。ただし、民間企業と比べて給与水準が低い可能性がある点や、異動や転勤の可能性がある点には注意しましょう。地域や自治体によって業務内容や待遇が異なるので、事前の情報収集が大切です。公務員薬剤師に求められるのは、薬事行政や法規制の知識です。
災害時や緊急時の対応が求められる場合もあり、柔軟な対応力も必要になります。公務員薬剤師になるには、公務員試験の受験も必要です。年齢制限がある場合が多いので注意しましょう。
医療コンサルタント
医療コンサルタントは、医療機関や製薬会社に対して、経営改善や業務効率化の提案を行う仕事です。医療コンサルタントは、大手コンサルティング会社や専門コンサルティング会社に所属します。データ分析や戦略立案のスキル、クライアントとの折衝力が必要です。
高度な専門知識と幅広い視野が必要なので、継続的な学習と自己研鑽が欠かせません。年収は、経験や実績によって変動します。
メディカルライター
メディカルライターは、医薬品の添付文書や医療記事の作成、学術論文を執筆する職種です。需要の高い職場は、製薬会社や医療機器メーカー、出版社などです。フリーランスとしても働けるので、柔軟な勤務形態を選べます。在宅勤務も可能なので、ワークライフバランスを重視したい人におすすめです。
メディカルライターは、正確な情報伝達力と、わかりやすい文章作成力が求められます。医療用語や最新の医学情報の知識も必要です。英語力があると、海外の論文や情報にもアクセスしやすくなります。
» 薬剤師が就職先を選ぶときのポイントを解説!職場別の平均年収とは?
薬剤師からキャリアチェンジするメリット

薬剤師からキャリアチェンジするメリットは以下のとおりです。
- 視野の拡大
- 労働環境の改善
- 収入アップの可能性
視野の拡大
キャリアチェンジするメリットは、医療や薬学以外の知識を習得できたり、新しい考え方に触れられたりする点です。新しい知識や経験を獲得すると、幅広い視点で医療業界全体を見渡せるようになるため、将来のキャリアアップにも役立ちます。
自分の強みや関心のある分野を見つめ直すきっかけになるのも、キャリアチェンジの利点です。異業種で培ったスキルや知識を医療分野に還元できる可能性もあります。多様な価値観に触れることで、問題解決力や柔軟な発想力が養われるのも大きなメリットです。
労働環境の改善

現在の職場に感じている不満を改善できるのも、キャリアチェンジのメリットです。キャリアチェンジによって改善される労働環境は、以下のとおりです。
- 勤務時間の短縮
- 柔軟な勤務形態の導入
- 休日や有給休暇の取得しやすさの向上
- 福利厚生の充実
- ワークライフバランスの改善
- ストレスや精神的負担の軽減
薬局や病院での勤務は立ち仕事が多いですが、デスクワークが中心の職種に転職すれば、身体的な負担も軽減できます。自分に合った職場環境を選ぶと仕事へのモチベーションも上がり、長期的なキャリア形成にもつながります。
収入アップの可能性
収入アップの可能性が高まる点も、キャリアチェンジするメリットです。MRや臨床開発モニターなどの職種は、高い報酬を得られる傾向があります。研究職や大学教員など、専門性の高い職種もおすすめです。公務員薬剤師として働くと、安定した収入と充実した福利厚生を得られます。
フリーランスとして働くのも、収入アップの選択肢の一つです。医療コンサルタントやメディカルライターとして活動すれば、収入を増やせる可能性が高まります。
薬剤師からキャリアチェンジするデメリット

薬剤師からキャリアチェンジするデメリットは以下のとおりです。
- 一時的な収入減の可能性
- 転職が高難易度
- 新しい環境への適応の必要性
一時的な収入減の可能性
キャリアチェンジをするデメリットは、一時的に収入が減る可能性がある点です。新しい職種に就くと、経験が浅いため初期の給与が下がるケースがあります。スキルアップ・資格取得のための研修期間中や、転職直後の試用期間中も、収入が減少するため注意が必要です。
業界や職種によっては、薬剤師よりも初任給が低いケースもあります。一時的な収入減は、将来のキャリアアップのための投資とも言えます。新しいスキルや経験を積めば、より高い収入を得られる可能性が高まるからです。長期的な視点を持ったうえで、キャリアチェンジを検討しましょう。
転職が高難易度

薬剤師からのキャリアチェンジは、一般的に難易度が高いと考えられています。薬剤師は専門性が高い職種のため、新しい分野の知識やスキルの習得に時間がかかり、他の職種への転換が容易ではないからです。ただし、自身の経験や知識を生かせる分野を探せば、新たなキャリアの可能性を見つけられます。
薬剤師の知識や経験を生かせる関連職種への転職は、比較的ハードルが低いのでおすすめです。自分の適性や希望する働き方と照らし合わせて、キャリアチェンジの必要性を慎重に判断しましょう。
» 転職市場の現状や転職を有利に進めるポイントを解説
新しい環境への適応の必要性
薬剤師から他の職種に転職する際には、さまざまな変化に対応する必要があります。新しい職場の文化や習慣に適応するために、柔軟な姿勢で臨みましょう。新たな業務や責任に適応するための努力も大切です。薬剤師としての経験を生かしつつ、積極的に学習し、新しい分野の知識やスキルを習得しましょう。
前向きな姿勢で取り組めば、新たな職場でも活躍できます。
薬剤師からのキャリアチェンジを成功させるコツ

薬剤師からのキャリアチェンジを成功させるコツは、以下のとおりです。
- キャリアチェンジの理由と目的を明確にする
- 必要なスキルと資格を把握する
- 情報収集を徹底する
- 転職エージェントや転職サイトを利用する
- ネットワークを活用する
キャリアチェンジの理由と目的を明確にする
キャリアチェンジの理由と目的を明確にすると、転職活動をより効率的に進められます。現在の職場の不満点をリストアップし、理想の働き方を明確にすると、目指すべき方向性が見えてきます。自身の強みや興味のある分野を分析し、短期的・長期的なキャリア目標を設定する方法もおすすめです。
キャリアチェンジの理由や目的が明確だと、面接時にも自分の意欲や適性を効果的にアピールできます。キャリアチェンジ後のギャップを減らすためにも、事前に具体的な働き方をイメージしておくことが大切です。
必要なスキルと資格を把握する
キャリアチェンジの成功率を高めるためには、必要なスキルや資格を把握しましょう。薬剤師がキャリアチェンジする際に求められるスキルや資格は、以下のとおりです。
- 薬剤師免許
- 臨床試験や医療関連法規の知識
- GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)の理解
- 英語力(TOEIC600点以上)
- WordやExcel、PowerPointのPCスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンテーション能力
- プロジェクトマネジメント能力
- 文章作成能力
- 情報収集・分析能力
- 論理的思考力
すべてのスキルや資格を一度に習得する必要はありません。自分の目指す職種に合わせて、優先順位をつけて計画的に学習を進めてください。
情報収集を徹底する

情報収集を徹底すると、自分に合った職種や企業を見つけやすくなります。面接時に役立つ知識も得られるので、転職活動の準備にも役立ちます。定期的に情報をアップデートし、常に最新の状況を把握しましょう。業界誌や専門サイトを定期的にチェックする方法がおすすめです。
転職フェアや業界セミナーに参加する方法も効果的です。転職経験者から話を聞いて参考にしましょう。職種別の平均年収や待遇、業務内容などの情報も調べておくと役立ちます。さまざまな方法を組み合わせ、幅広い情報を得ましょう。
転職エージェントや転職サイトを利用する
薬剤師専門の転職エージェントを利用すると、業界に特化した詳細な情報や助言を得られます。薬剤師向けの求人情報を定期的にチェックできるので、新しい職場を見つけるための強力な助けとなります。より多くの選択肢を比較検討するために、複数のエージェントに登録しましょう。
転職エージェントとの面談では、自身のキャリアプランを相談できます。希望する職種や条件を明確に伝え、より適した求人を紹介してもらいましょう。履歴書や職務経歴書の作成、面接対策などのサポートも受けられます。求人企業との交渉を代行してもらえるのも大きなメリットです。
ネットワークを活用する
ネットワークを活用すると、希望する業界や職種の貴重な情報を得られる可能性が高まります。ネットワークを広げる方法は以下のとおりです。
- 同業者や異業種の知人に相談
- SNSで業界関係者と交流
- 業界セミナーや交流会に参加
- 大学の同窓会ネットワーク活用
- 前職の同僚や上司との関係維持
オンラインコミュニティに参加したり、職業団体や専門家協会に加入したりする方法も効果的です。業界動向や最新のトレンドについて情報交換を行えます。メンターを見つけてキャリアアドバイスをもらうのも選択肢の一つです。経験豊富な先輩から助言をもらうと、新しい分野に挑戦する際の不安が和らぎます。
ネットワークは一朝一夕にはできないため、日頃から人との関係性を大切にし、継続的にコミュニケーションを取りましょう。
まとめ

薬剤師からキャリアチェンジをすると、労働環境の改善や収入アップが期待できます。新しい職種で視野が広がるので、将来のキャリアアップにもつながります。ただし、薬剤師からのキャリアチェンジは難易度が高く、一時的に収入が減少する場合もあるため注意しましょう。
キャリアチェンジの理由と目的を明確にするのが成功のコツです。理由や目的を明確にすると、目指すべき方向性が見えてきます。転職エージェントや転職サイトを活用し、十分な情報収集を行ってください。自分のニーズと希望に合った新しい職種を見つけ、より充実した生活を送りましょう。