2025年版!薬剤師年収の中央値は?年収が上がらない3つの理由とおすすめ職種

「実態に合った薬剤師の年収を知りたい。」「年収が低かったらどうしたら年収が上がるのか知りたい。」という方向けの記事です。

薬剤師の年収は、平均値よりも中央値の方が実態に合っています。「平均年収ほどお給料もらってない。」という方は中央値で年収相場を確認したほうがリアルな比較が可能です。

この記事では、薬剤師の年収中央値を様々な切り口で紹介し、薬剤師の年収が上がらない理由と、実際に年収が上がる職種も解説します。

この記事を読むことで、薬剤師として年収を上げるためのポイントがわかるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

編集部
編集部

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1.薬剤師年収の中央値・平均年収

薬剤師全体の年収中央値は約525.1万円(残業含まず)です。残業代を含む場合は約551.4万円が薬剤師全体の年収中央値です。

一方で、平均年収は約570.8万円(残業含まず)となっており、中央値と比較すると約46万円ほど高い水準です。

前年比では薬剤師の平均年収および年収中央値は約5%上昇しており、薬剤師の待遇は改善傾向にあります。

残業なし残業含む前年比
年収中央値525.1万円551.4万円+5%
平均年収570.8万円599.3万円+5%
残業なし残業含む前年比
年収中央値499.8万円531.6万円-1.5%
平均年収543.3万円577.9万円-1.5%
残業なし残業あり
年収中央値507.0万円536.7万円
平均年収551.1万円583.4万円

この平均値より中央値の方が年収が低いのは、外れ値として高年収の薬剤師がいることを意味しています。そのため、自身の年収相場を確認するためには、平均年収と比較するより、中央値で比較したほうが、実態に合った年収チェックができるはずです。

日本全体の平均年収・中央値と薬剤師との比較

日本全体の平均年収は約460万円中央値は約423万円となっています。

薬剤師全国平均
平均年収約570.8万円約460万円
中央値約525.1万円約423万円

薬剤師の年収を日本全体の年収と比較すると、薬剤師は日本全体の平均より100万円ほど高収入であることが分かります。

ただし、薬剤師は資格を取得するまでに多大な労力と時間、また教育資金もかかっています。そのため、日本全体の年収よりも薬剤師の年収が高いのは妥当と言えるでしょう。

国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」「毎月勤労統計調査 令和3年9月分結果」「毎月勤労統計調査 令和4年2月分結果」による)

さまざまな薬剤師の給与の中央値

薬剤師の給与に関して、以下の項目について中央値などのデータを紹介していきます。

  • 月収
  • ボーナス
  • 初任給

年々薬剤師の給与事情は変化していっていますので、あなたの給与が相場と比較してどうなのか、ぜひ確認してみてください。

月収の中央値

薬剤師の平均月収は40万7000円中央値は37万4400円です。

前年比
平均年齢40.9歳(+0.6歳)
平均勤続年数8.8年(+0.9年)
平均月収(残業なし)40万7000円(+18,300円)
平均月収(残業含む)43万800円(+13,300円)
平均残業時間8時間(-2時間)
月収 中央値37万4400円(+16,800円)

本年で特徴的だったのは、残業含む平均月収よりも残業を含まない平均月収の方が金額の上昇が大きかったことです。これはつまり、薬剤師は残業で稼いでいるのではなく、残業以外のいわゆる基本給などで賃金上昇していると言えます。

前年比
平均年齢40.3歳(-0.8歳)
平均勤続年数7.9年(-1.2年)
平均月収(残業なし)38万8700円(+1100円)
平均月収(残業含む)41万7500円(+2900円)
平均残業時間10時間(+1時間)
月収 中央値35万7600円(+1000円)

薬剤師の労働状況は、前年と比較して平均年齢や勤続年数平均は下がり、薬剤師の若返りと転職までの期間短縮が見て取れます。特に勤続年数の減少が顕著で、前年より1.2年も早く薬剤師を辞めています。

平均勤続年数の減少は、薬剤師の給与が月収ベースでは上昇しているものの、条件が見合わず、若いうちから薬剤師から次のキャリアへ移行している人が増えていることが原因と言われています。

また、月収は残業なしの給与も上がり、残業時間も増えたことで、残業込みの月収も増加しています。

平均年齢41.1歳
平均勤続年数9.1年
平均月収(残業なし)38万7700円
平均月収(残業含む)41万4600円
平均残業時間9時間
月収 中央値35万6700円
編集部
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月収は、都道府県によって状況が大きくことなるので、お勤めの都道府県の情報を以下の記事でもチェックしてみてください。

【2024年最新版】薬剤師の平均月収!都道府県別ランキングで徹底比較

ボーナス額の中央値

薬剤師の平均ボーナスは約82.36万円中央値は75.77万円です。

ボーナス額は中央値で前年比+5.0万円の上昇となりました。

金額前年比
平均ボーナス額82.36万円(+55,600円)
ボーナス額の中央値75.77万円(+50,000円)

月収も上がり、ボーナスも上がっていることから、薬剤師の待遇は改善傾向にあるのが2025年の状況です。

金額前年比
平均ボーナス額76.8万円
ボーナス額の中央値70.7万円

月収は微増で上がっているものの、ボーナス額が大きく減少したことで、薬剤師の年収が下がってしまったのが2024年時点の結果でした。

平均ボーナス額85.9万円
ボーナス額の中央値79.0万円
編集部
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ボーナスは企業業績によるところが大きいですが、実は賞与UPはコツもあります。気になる方は以下の記事もぜひチェックしてみてください。

最新!薬剤師の平均ボーナスは77万円!賞与UPのコツも完全解説

初任給の中央値

薬剤師の平均大卒初任給は38.7万円で、中央値は約35.6万円です。

金額前年比
平均初任給38.7万円(+約50,000円)
初任給の中央値35.6万円(+約48,000円)

薬剤師の初任給は大きく上昇しました。前年比+約5万円で2年連続での上昇です。2023年と比較すると+約8万円。わずか2年で+27%も初任給がUPしています。

前年比
平均初任給33.4万円(+約3万円)
初任給の中央値30.8万円(+約2.8万円)

前年と比較して、初任給は+3万円と大幅に上昇しました。

初任給の設定として、一般的に約25万円~35万円程度の企業が多く、製薬会社では初任給が高い傾向があります。また、学部卒と院卒でも初任給には3万円〜6万円ほどの差があります。

平均初任給30.5万円
初任給の中央値28.0万円
編集部
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業種別の初任給やおすすめの職種などは、以下の記事が参考になります。20代の薬剤師には必要な知識なので、ぜひチェックしてみてください。

大卒薬剤師の年収と初任給を勤務先別に公開|最良条件の見つけ方を詳しく解説

項目別の薬剤師年収中央値

ここでは、さまざまな項目別に薬剤師の年収中央値を解説します。

  • 年齢・男女別
  • 地域別
  • 業種別

それぞれの項目で薬剤師年収には特徴が出てきます。薬剤師のキャリアを検討するための基礎知識になりますので、ぜひ確認してみてください。

年齢・男女別

年齢・男女別の年収中央値は以下の通りです。(薬剤師の待遇の良し悪しを計るため、残業は含まない金額)

年齢男性前年比女性前年比
 20 ~ 24歳約366万円+16万約344万円-18万
 25 ~ 29歳約429万円+15万約430万円+14万
 30 ~ 34歳約524万円+45万約467万円-58万
 35 ~ 39歳約581万円+7万約480万円-1万
 40 ~ 44歳約640万円+3万約502万円-52万
 45 ~ 49歳約647万円+18万約539万円-38万
 50 ~ 54歳約713万円+59万約605万円+22万
 55 ~ 59歳約684万円-64万約592万円-6万
 60 ~ 64歳約655万円+119万約550万円+11万
 65 ~ 69歳約476万円+29万約534万円-53万
 70歳~約428万円-21万約403万円-161万

年齢別では、55~59歳の年収が前年比で大きく下がり、60歳以上の再雇用人材の年収が前年比で大きく上昇していることが特徴です。

また、男女別でも大きく差が出ており、男性薬剤師はほとんどの年代で年収が大きく上昇しているのに対し、女性薬剤師はほとんどの年代で年収が減少しています。

年齢男性女性
 20 ~ 24歳約350万円約362万円
 25 ~ 29歳約414万円約416万円
 30 ~ 34歳約479万円約525万円
 35 ~ 39歳約574万円約481万円
 40 ~ 44歳約637万円約554万円
 45 ~ 49歳約629万円約577万円
 50 ~ 54歳約654万円約583万円
 55 ~ 59歳約748万円約598万円
 60 ~ 64歳約536万円約539万円
 65 ~ 69歳約447万円約587万円
 70歳~約499万円約564万円

薬剤師の年収中央値は、男女別では男性がやや高めであり最高値は55~59歳の約748万円です。男性は年齢が上がるにつれて増加する傾向があります。

女性の場合は35~39歳で年収中央値は下がるものの40代で再び上昇し、40代後半からは500万円台後半で推移しています

また、30代薬剤師の年収中央値は女性で約503万円、男性で約526.5万円です。30代薬剤師の年収相場としては500万円がひとつの基準と言えます。

経験年数別

薬剤師の年収は、経験値によって大きく変わります。

経験年数別の年収中央値は以下の通りです。

経験年数月収中央値ボーナス中央値年収中央値前年比
 0年約30万円約14万円約376万円+13万
 1~4年約32万円約66万円約454万円+17万
 4~9年約36万円約76万円約510万円+30万
 10~14年約39万円約87万円約552万円+46万
 15年以上約42万円約89万円約595万円+1万

経験年数が増えるごとに年収は上がります。2025年の傾向としては、経験年数が浅い年代の方が前年度からの年収上昇幅が大きいです。一方で、15年以上のベテランの場合は年収が上がっていない傾向が見られました。

経験年数月収中央値ボーナス中央値年収中央値
 0年約31万円約7万円約363万円
 1~4年約34万円約68万円約437万円
 4~9年約36万円約86万円約480万円
 10~14年約38万円約92万円約506万円
 15年以上約44万円約112万円約594万円

薬剤師の経験年数別の年収中央値は経験年数0年で約363万円、1~4年では約437万円、5~10年では約480万円、10~14年では506万円と経験年数が増すにつれて上昇します。

具体的には以下の表の通りで、10年ほどで月収は約6万円、ボーナスは約85万円ほど増えるため、年収にして10年で約140万円上がることになります。

地域別

地域別では都市部近郊や地方の都道府県の方が年収が高く、首都圏では若干低めになることが多いです。

地域別の年収中央値は以下の通りです。

2025年の厚生省データを元にすると、年収中央値の変動は都道府県ごとに大きな差が出ました。

特に、熊本県では前年比+242万円と大幅に上昇しました。このほか、前年比+100万円以上となったのは、新潟県・大分県・岩手県・静岡県・長野県・高知県・徳島県となっています。

また2024年TOPだった広島県は、今年も2位と例年高い年収中央値を記録しています。

東京都は2024年同様に23位で、全体の平均とほぼ変わらない年収帯で推移しています。

ランキング上昇都道府県年収中央値前年比
42熊本県約701万円+242万円
1広島県約658万円+8万円
12山口県約633万円+78万円
4位38新潟県約632万円+163万円
5位25大分県約623万円+106万円
6位19栃木県約614万円+74万円
7位33岩手県約612万円+136万円
8位26静岡県約612万円+104万円
9位27長野県約606万円+101万円
10位18和歌山県約595万円+60万円
11位5三重県約590万円+13万円
12位1香川県約583万円+26万円
13位9千葉県約581万円+37万円
14位4愛知県約581万円+18万円
15位13秋田県約579万円-47万円
16位23茨城県約578万円+99万円
17位8佐賀県約573万円+9万円
18位3石川県約571万円+25万円
19位5愛媛県約569万円+28万円
20位3福井県約564万円+13万円
21位11岐阜県約563万円+47万円
22位14山梨県約561万円-3万円
23位東京都約561万円+19万円
24位22高知県約553万円+101万円
25位20鳥取県約552万円-27万円
26位22鹿児島県約550万円-43万円
27位20山形県約549万円-16万円
28位15京都府約547万円+87万円
29位8奈良県約547万円+60万円
30位17徳島県約542万円+115万円
31位4富山県約539万円+2万円
32位1滋賀県約536万円+28万円
33位12青森県約530万円+72万円
34位16神奈川県約526万円-24万円
35位32宮城県約526万円-93万円
36位25大阪府約524万円-34万円
37位2福島県約524万円+17万円
38位26群馬県約519万円-39万円
39位13長崎県約515万円-24万円
40位20兵庫県約506万円-41万円
41位10沖縄県約504万円-13万円
42位1埼玉県約503万円+27万円
43位24福岡県約497万円-52万円
44位28島根県約495万円-57万円
45位7北海道約486万円+4万円
46位32岡山県約472万円-83万円
47位18宮崎県約470万円-62万円

2024年の厚生省データを元にすると、どの都道府県も年収中央値は前年比で30~50万円のプラスでした。

特に、広島県、秋田県は年収中央値でも600万円を超えた高年収となっています。

またランキング上位となった秋田県、宮城県は2023年では年収中央値の都道府県ランキングで下位だったものの、2024年は順位を大きく上げています。

ランキング上昇都道府県年収中央値(残業無し)前年比
8広島県約622万円+50万円
33秋田県約614万円+49万円
34宮城県約588万円+47万円
4位3鹿児島県約575万円+46万円
5位13鳥取県約554万円+44万円
6位21香川県約544万円+43万円
7位39三重県約542万円+43万円
8位9愛知県約537万円+43万円
9位2長崎県約530万円+42万円
10位35島根県約529万円+42万円
・・・
14位6大阪府約521万円+42万円
15位1福岡県約521万円+42万円
16位17兵庫県約514万円+41万円
・・・
23位10東京都約505万円+40万円
・・・
43位14埼玉県約448万円+36万円
47位17徳島県約396万円+32万円

特に、茨城県・群馬県・栃木県・静岡県が高く、東京よりも東京からこれらの都道府県へ通勤した方が年収では有利です。

また、長崎県・佐賀県も年収が高く、福岡よりも薬剤師の年収中央値は高いです。

また、首都圏の埼玉・神奈川・兵庫県などは薬剤師の充足率が高く、平均年収は低めとなっています。

ランキング都道府県年収中央値
1位茨城県約567万円
2位鹿児島県約550万円
3位静岡県約548万円
4位群馬県約536万円
5位長崎県約525万円
6位大阪府約514万円
7位佐賀県約513万円
8位栃木県約510万円
9位広島県約507万円
10位大分県約504万円
・・・
13位東京都約489万円
16位福岡県約482万円
17位愛知県約481万円
30位埼玉県約458万円
33位神奈川県約448万円
34位兵庫県約440万円
・・・
47位和歌山県約358万円

年収を考え、働く都道府県を検討する価値はあると思いますが、働く環境や職場の雰囲気なども重要なポイントであるため、総合的な働きやすさも考慮することが大切です。

編集部
編集部

各都道府県の最新の全国薬剤師年収ランキングはこちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

業種別

業種別の薬剤師年収中央値では、製薬会社が約644万円、ドラッグストアが約506万円、調剤薬局で約483万円、病院で約414万円の順となっています。

年収中央値
製薬会社644万円
ドラッグストア506万円
調剤薬局483万円
病院414万円

製薬会社は業界の利益率の高さと、大手の年収の高さから業種別の年収中央値も非常に高いです。

調剤薬局やドラッグストアでは、管理薬剤師やエリアマネージャーなどの管理職になることで年収が上がり、上がり幅はドラッグストアの方が大きくなります。

病院では他業種に比べると年収は低いですが専門スキルが求められるため、数年経験しスキルアップ後に転職していく人が多いのが特徴です。

もし、現在の年収が上記の金額以下の場合、年収が上がらない状況でお仕事をされているかもしれません。年収は「上昇を妨げる原因を取り除くこと」で自然と上がっていきます。

編集部
編集部

以下で年収の上昇を妨げる原因や、年収の上がりやすい職種について解説していきます。薬剤師キャリアの基礎知識でもあるので、知らない方はぜひチェックしてみてください。

薬剤師の年収が上がらない3つの理由

薬剤師の年収中央値を見て、「こんなにもらってない!」「今もこれからも中央値ほど年収はもらえない!」と感じているなら、もしかすると年収に関して少し損をしているかもしれません。

なぜなら、薬剤師の場合は身を置く場所によって年収は大きく上がるからです。

年収が上がらない理由を知っているのと知らないのでは、生活のゆとりにも大きな差が出てきます。

ここでは、あなたの年収が上がらない主な3つの理由を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

理由①年収の上がりにくい業界で働いている

薬剤師の年収が上がらない理由の1つ目は、年収の上がりにくい業界で働いていることです。これが最も大きい理由になります。

例えば、病院や薬局といった業種では年収は上がりにくいです。一方で製薬や一般企業での薬剤師職では年収は上がりやすいのが実情です。

実際に、病院薬剤師の年収中央値は414万円、薬局薬剤師の年収中央値は483万円で、薬剤師全体の年収中央値525.1万円と比較しても低い水準です。

まずは、薬剤師の年収は働いている業界に大きく影響されることを理解しておきましょう。

理由②年収の上がりにくい地域で働いている

薬剤師の年収が上がらない理由の2つ目は、年収の上がりにくい地域で働いていることです。

実は薬剤師の年収は地域によって大きな差があり隣の都道府県にもかかわらず年収に大きな差が出ています

例えば、2025年の薬剤師全国年収ランキングでは、1位の熊本県が701万円だったのに対し、最下位の宮崎県では470万円でした。その差は231万円です。また、2位の広島県と44位島根県、46位岡山県も年収中央値の差は160~180万円ほどあります。

このほか、都市部の都道府県でも年収は低くなりがちで、東京都では561万円で23位、大阪府は523万円で36位、埼玉県は503万円で42位です。

ランキング都道府県年収中央値前年比
熊本県約701万円+242万円
広島県約658万円+8万円
・・・
23位東京都約561万円+19万円
・・・
36位大阪府約524万円-34万円
・・・
42位埼玉県約503万円+27万円
・・・
44位島根県約495万円-57万円
・・・
46位岡山県約472万円-83万円
47位宮崎県約470万円-62万円

働く地域は生活にも大きく影響してきますので、引っ越しを伴うような異動は現実的に難しいと思いますが、隣の県で働くことで高い年収が得られそうな場合には、一度、隣の県の薬剤師求人を見てみても良いでしょう。

理由③年収の上がりにくい企業で働いている

薬剤師の年収が上がらない理由の3つ目は、年収の上がりにくい企業で働いていることです。

どの業界でも同じですが、同じ業界でも年収の上がる企業と上がらない企業はあります。

例えば、同じ薬局でもスギ薬局では薬剤師平均年収561万円なのに対し、アイン薬局は452万円と100万円以上の差があります。

また、ドラッグストア業界でも、クスリのアオキでは薬剤師平均年収が652万円なのに対し、マツモトキヨシでは555万円です。

年収が上がらない薬剤師さんは、自社の年収水準と他社の年収水準を比較してみましょう。自社の年収水準が低い場合には年収が上がる可能性が高いです。

年収が上がる薬剤師キャリアの3つのポイント

年収が上がる薬剤師のキャリアにはポイントがあります。

しかし「年収が上がらないなぁ」と感じている薬剤師さんの中には、ポイントを見逃してしまって効率の悪い努力をしてしまっている薬剤師さんも多くいます。

効率の悪い努力とは、「高年収の職に就くために最初にスキルアップを目指してしまうこと」です。もちろんスキルアップは年収を上げるために必要な要素ではありますが、行動の順序が違います。

このように、ポイントを押さえていないと、薬剤師の年収アップに対して遠回りをしてしまう可能性が高いので注意が必要です。

ここでは、年収が上がる薬剤師キャリアの3つのポイントを解説していくので、ぜひ参考にしてください。

ポイント①年収の高い業界に身を置く

年収が上がっていく薬剤師のキャリアを積むには、まず最初に年収の高い業界に身を置くことが何より重要です。

なぜなら、スキルと年収は必ずしも比例しないからです。

例えば、経験5年の薬局薬剤師Aさんと経験1年の製薬会社薬剤師Bさんとでは、スキルはAさんの方が高いですが、年収はAさんの方が低くなります。その上、Bさんがこのまま製薬会社で5年働けば、Aさんとの年収の差はさらに大きくなります。

つまり、年収は薬剤師としてのスキルよりも業界による影響の方が圧倒的に大きいということです。

そのため、年収が上がる薬剤師のキャリアのためには、まずは年収の高い業界に身を置くことが大切になります。

②年収の高い地域で働く

次に考慮すべきなのが、働く地域です。

なぜなら、年収の高い地域で働くことは、職を変えずに年収を上げることに直結する方法だからです。

具体的には、地方勤務の異動で手当をもらうことや、年収の高い地方求人に応募して採用してもらうことで年収アップが図れます。

また、年収の額面が増えることで、転職時にも高い年収で採用されやすくもなります。それは、転職時の採用年収は現状の年収をベースに検討されるからです。

年収の高い地域で働き、高い年収で採用してもらう。この繰り返しで薬剤師として年収を上げていくことが可能です。

③仕事のスキルを磨く

ポイントの1と2を押さえたうえで行動したいのが、仕事のスキルを磨くことです。

スキルアップは大切なことですが、年収アップには直結しないのが残念なところです。

年収が上がらない環境でスキルアップの時間を使うよりも、年収の上がる環境に身を置いておいてから、スキルアップしていった方が効率が良いでしょう。

薬剤師として年収が上がるおすすめ職種

年収が上がるキャリアのポイントを押さえた、薬剤師として年収が上がるおすすめの職種があるので紹介します。

以下の職種は、年収だけでなく、仕事とプライベートのバランスや、薬剤師として成長できるキャリアパスがあるかどうかも踏まえて総合的に判断しています。

気になる職種があれば、ぜひ調べてみてください。

①製薬会社・品質管理

製薬会社の品質管理は薬剤師にとっては、非常に魅力的な職種の一つです。

その理由は、年収水準が高く、プライベートの時間も取りやすく、市場価値も高まる職種であり、薬剤師からの転職も可能な職種だからです。

具体的には、平均年収600万円以上、残業時間も少なく、経験を積むことでさらに高い年収の企業へのキャリアステップも実現できます。

品質管理はきついと思われがちですが、仕事内容は主にはマネジメントで、想像されている内容とは異なるケースもあります。具体的には、以下の記事も参考にしてみてください。

②外資系CRO・CRA

外資系CROのCRAもおすすめの職種の一つです。年収は30代前半で600万円ほど

CRAの仕事は繁忙期があり、大変なときもありますが、リモート勤務やフレックス勤務などもあり、待機期間など仕事が落ち着いている時期には早上がりや有給取得で旅行へ行くといったフレキシブルな働き方も可能です。

また、外資系CROは大手と中小の年収差が小さく、転職しやすい利点もあります。

外資系CROのCRAから大手製薬会社のCRAへ転職することで、年収をさらに高めるキャリアステップも踏めるようになるのでおすすめです。

詳しくは、以下のCRA年収ランキング記事で具体的な業務内容や年収事情を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

③一般企業・薬事職

薬事職はジェネリック医薬品やバイオ医薬品の開発が盛んな近年で需要が高まっており、薬剤師におすすめの職種の一つです。年収は590万円〜1000万円超え

薬事職は、薬機法のスペシャリストとしてキャリアを積むことができるため、スキルアップには申し分ない上、大手製薬会社に勤めれば年収1000万円を超えることも珍しくありません。

仕事の難易度は高いですが、仕事のスキルと年収が釣り合い、納得して働くことができる職種です。

薬事申請に関わる職種として、薬事職はやりがいのある仕事です。以下の記事でも詳しく仕事内容を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

④コストコ・薬剤師

コストコ薬剤師も実は年収が高いです。

給与体系が特殊で、パートも正社員も同じ時給でスタートし、休憩時間も給与が発生するのが特徴です。

累計勤務時間によって時給が上がり、フルタイムの場合は年収612万円ほどでスタートし、最短6年後で年収740万円に上がります。

詳しくはコストコ薬剤師の年収が高いワケ!仕事内容や求人情報も解説で詳しく解説しているので、興味のある方はぜひ確認してみてください。

⑤診療所/クリニック・薬剤師

診療所やクリニックの薬剤師は募集は少ないですが、年収も高く働きやすい職場が多い職種です。

診療所やクリニックではそもそも薬剤師数が少ないこともあり、業務のほとんどを自分で回す必要があります。その分、職場の人間関係や無駄な気遣いなどは少なく、のんびり働くことも可能です。

実力が身につくことと、働きやすいことで求人は人気です。

ぜひ以下の、のんびり働きたい薬剤師におすすめの仕事と診療科11選|求人の選び方を解説も参考にしてみてください。

年収アップを目指す薬剤師のキャリアプラン

年収アップを目指す薬剤師にとって、キャリアプランは重要です。

自分のスキルや専門知識を向上させるための研修に積極的に参加しましょう。

実績を積むために、業務改善や新しい取り組みを行うことも、キャリア高めるには効果的です。

また、転職を検討する場合は、年収アップが期待できる企業や職場をリサーチするようにしましょう。

希望にマッチした求人を見つけるには、転職エージェントを活用すると効果的なので、活用してみてください。

転職サイトと言っても、どこを使えばいいのかわからない…。

そんなときは、下記の無料診断ツールを参考にしてみてください。あなたの希望に合った転職サービスをピックアップできます。

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9-1.薬剤師が収入アップを目指す重要なポイント

薬剤師が収入アップを目指すには、まず業務範囲を広げることが大切です。

例えば、調剤だけでなく、在宅医療などの幅広い職種にチャレンジしましょう。

また、スキルアップも重要で、地域包括ケアシステムの専門家として活躍することが求められます。

さらに、地方では都市部に比べて薬剤師不足が深刻であり、地方で働くことで収入がアップする可能性があります。

また、パートや派遣ではなく、正社員として働くことも収入アップにつながります。

9-2.専門知識・資格を活かすキャリアアップの道

専門知識・資格を活かすキャリアアップの道として、まず、認定薬剤師制度を活用し、専門性を高めると良いでしょう

また、製薬会社では研究職として専門スキルを生かすことが可能です。

このほか管理薬剤師として、薬剤師の教育・研修や調剤業務の改善に携わることもキャリアアップの道となります。

さらに、海外で薬剤師として働くための資格取得も視野に入れると良いでしょう。

海外での求人や語学力を活かすことができる環境で、薬剤師として更なるキャリアアップが期待できます。

まとめ|薬剤師の年収アップのために無理はしないこと

薬剤師の年収中央値を確認した上で、年収アップしたいと感じた場合、大事なことは無理はしないことです。年収以外にも大事な労働条件はあります。働く場所や福利厚生、職場の人間関係などです。

年収のために現在のメリットを手放しても良いのか、無理せずじっくり考えて判断していきましょう。

もし、今の職場にメリットが無いと感じているならば、行動のタイミングかもしれまん。おすすめの職場も候補の一つとして検討してみてください。

もし求人を見てみたいと思った場合には、あなたの希望にあった転職エージェントも診断できますので、以下の転職サービス診断ツールも試して、相談してみたいエージェントを選んでみてください。

編集部
編集部

この記事のおさらいは以下の通りです。

薬剤師の平均年収は?
2025年現在、薬剤師の平均年収は599.3万円(残業含む)および570.8万円(残業なし)です。
薬剤師の年収の中央値は?
2025年現在、薬剤師の年収の中央値は551.3万円(残業含む)および525.1万円(残業なし)です。
薬剤師の平均月収は?
2025年現在、薬剤師の平均月収は40万7000円です。
薬剤師の月収の中央値は?
2025年現在、薬剤師の月収中央値は37万4400円です。
薬剤師のボーナス(賞与)はいくら?
2025年現在、薬剤師の平均ボーナスは約82.36万円で、中央値は約75.77万円です。
薬剤師の初任給はいくら?
2025年現在、薬剤師の平均大卒初任給は38.7万円で、中央値は約35.6万円です。