製薬会社研究職の年収を知りたい方向けの記事です。
この記事では、具体的な年収や仕事内容からキャリアパスまで詳しく紹介していきます。
また、創薬分野以外の高給料の職種も紹介していますので、ぜひ転職の参考にしてください。
製薬会社の研究職の年収
製薬会社の研究職で働くことは、薬剤師として他の職場へ転職した場合と比べて、年収が高くなる可能性があります。
製薬業界では新薬の開発や既存薬の改良が求められており、研究職はそのための重要な役割を果たしています。
そのため、その責任と能力に見合った高い年収が支払われることが一般的です。
具体的な年収は、平均年収は500万円~700万円程度で、大手製薬企業の場合は30代でも1,000万円を超えます。
また、研究職は年収だけでなく、昇給や賞与も期待できる職種です。このような理由から、製薬会社の研究職は年収面では魅力的な選択肢と言えるでしょう。
製薬会社の研究職の仕事内容
製薬会社の研究職は、新薬の開発や既存薬品の改良、薬効・副作用の調査などが主な仕事です。
また、基礎研究や臨床試験に関するデータの解析や文献調査も行います。
具体的な仕事の流れや働き方については以下で詳しく解説します。
仕事の流れ
まず、研究職の仕事の目標は新薬の開発です。
新薬の開発に向けて、まず基礎研究や文献調査から始まり、新しい有望な化合物や治療法の発見をしていくことになります。
次に行われるのが、その化合物や治療法をさらに検討して、薬効・副作用や安全性を評価することです。
これらの研究結果をもとに、臨床試験を計画し、治験や承認申請を行うことが続きます。
最後に、承認された医薬品を市場に投入すると、その後の効果や安全性のモニタリングを実施します。
この一連の流れを担当するのが製薬会社の研究職です。
働き方
研究職の働き方は、基本的には研究所や研究室での実験や実績分析が主ですが、外部の専門家との連携や国内外の学会への参加もあります。
また、締め切りや報告のための時間管理が重要なポイントとなります。
研究職の仕事は長期的であり、多くの時間と労力が必要とされるため、高い専門知識と継続的な努力が求められます。
しかし、それに見合った成果や達成感が得られる職種と言えるでしょう。
休日・残業
休日と残業については、職場によって大きく異なります。
一般的に、企業が労働者の働きやすさを重視している場合、休日は週休二日制が基本となり、残業についても月間20時間以内程度が平均です。
ただし、業務量が多くなる時期や繁忙期には、残業時間が増えることもあるので注意が必要です。
また休暇は比較的取りやすいですが、休日にどうしても出勤せざるを得ない場合もあります。
製薬会社の研究職のキャリアパス
製薬会社の研究職におけるキャリアパスは、専門性を高めるスペシャリストとしての道、マネジメント職へのキャリアアップ、そして経験を活かして他社へ転職するという選択肢があります。
専門性を高めたスペシャリスト
研究職の一つの道は、自分の専門分野を深めてスペシャリストとして活躍することです。
専門知識や技術を磨き、新しい薬の開発や技術革新に積極的に取り組むことで、業界内での評価や市場価値が高まり、キャリアが向上します。
マネジメント職へキャリアアップ
研究職で培った知識やスキルを活かし、マネジメント職へ昇進することも可能です。
チームや部門のリーダーとして、研究開発や事業戦略の立案、人材育成などの役割を担うことになります。
経験を活かして転職
製薬業界以外の分野へ転職することも選択肢の一つです。
研究職での経験や知識を活かして、医療機器やバイオテクノロジー業界など、関連分野で新たなチャレンジをすることができます。
製薬会社の研究職として働くメリット・デメリット
製薬会社の研究職として働くことには、安定した高年収を得られることや調剤以外の専門分野でキャリアアップができることなどメリットがありますが、一方で閉鎖的な環境で人間関係に悩むことがあるというデメリットも存在します。
メリット:安定した高年収を得られる
製薬会社の研究職として働くメリットの一つは、安定した高年収を得られることです。
薬剤師の一般的な年収に比べて、研究職は専門性が高く専門知識を活かせるため、高額な報酬が得られることが一般的です。
また、企業の業績や個人の実績によって、昇給や賞与がアップすることもあります。
製薬会社で働く薬剤師の年収は他業種と比較して圧倒的に高年収です。
高年収な薬剤師の職種を知るには、薬剤師の年収中央値を比較した以下の記事が参考になります。
薬剤師の年収中央値はいくら?30代の相場も職種別・地域別で徹底解説メリット:調剤以外の専門分野でキャリアアップできる
もう一つのメリットは、調剤以外の専門分野でのキャリアアップが可能であることです。
製薬会社では、新薬の開発や研究、治験など様々な分野で専門知識を活かすことができます。
このため、薬剤師としてのスキルをさらに磨くことができ、専門性の高いキャリアアップが望めます。
デメリット:閉鎖的な環境で人間関係はネックになる
一方で、製薬会社の研究職にはデメリットもあります。
閉鎖的な環境の中で働くことが多いため、人間関係がネックとなることがあります。
他部署とのコミュニケーションが少ないこともあり、上下関係や同僚間での人間関係のトラブルが生じやすいことが挙げられます。
デメリット:専門性が高く他職種への転職は難しくなる可能性もある
薬剤師研究職の専門性が高いため、他職種への転職が難しくなることがデメリットの一つです。
薬剤師研究職として培った知識やスキルが、他の業界では活かしにくいことがあります。
ただし、製薬業界での研究職の経験は、競合他社の研究職でも活かすことは可能で、より高給で希望に合った職場への転職もできるでしょう。
【職種別】製薬会社の研究職以外の平均年収
ここでは、製薬会社で研究職以外の平均年収を解説します。
全体的に製薬会社は平均年収が高いため、どの職種も薬局薬剤師や病院薬剤師よりも条件は良いでしょう。
営業職・MR(医療情報提供者)
MRの平均年収は600万円~800万円程度で、インセンティブにより1,000万円を超えるMRも少なくありません。
MR(Medical Representative)は、製薬会社の営業職で、医師や薬剤師に対して医薬品情報を提供し、医薬品の適正使用を促進する役割を担っています。
具体的には、新薬の情報提供や治療効果の紹介、副作用などの安全性情報の伝達が主な業務です。また、医療現場のニーズをキャッチし、製薬会社にフィードバックすることも求められます。
品質管理
品質管理/品質保証の平均年収は500万円~750万円程度とされています。
品質管理薬剤師の主な仕事は品質検査です。
分析業務では、IRやNMRなど各種分析機器を利用し、原料や製品の構造解析を実施します。
また、各種マニュアルや資料作成にも携わり、材料入庫・製造・出荷時の作業手順書や管理マニュアルや、検査に必要な装置の選定なども行います。
中には製薬会社の品質管理はきついという意見もあります。実態を紹介した以下の記事が参考になるので、気になる方はぜひ見てみてください。
製薬会社の品質管理はきつい?薬剤師が知っておくべき7つのことCRA
CRAの平均年収は600万円~800万円程度で、勤める企業によっても年収には幅がありますが、比較的高い年収帯のCRAが多いです。
臨床開発モニター(CRA)は、治験を行う医療機関と製薬企業やCRO(Contract Research Organization)の間で連携を取りながら、治験の適正実施を確保する役割を担います。
CRAの主な業務は、治験の進行状況や施設の状況を監視・評価し、品質保証を行うことです。また、治験の適正な進行を確認し、報告書を作成することも求められます。
ただし、CRAの年収は企業により異なるため、CRA(臨床開発モニター)の年収ランキングは一度確認しておくことをおすすめします。
CRA(臨床開発モニター)年収ランキングTOP15!知っておきたいCRA年収の特徴4つ薬事
薬事の平均年収は600万円~700万円程度で、業務時間や働き方からするとバランスの取れた給与水準でしょう。
薬事は、医薬品や医療機器の規制や取り扱いに関する業務です。
薬剤師が薬事法や関連法規を遵守し、製品の承認申請や薬局・薬店の指導監督などを行います。
この分野の専門知識を活かすことで、企業や行政の薬事担当者として活躍し、市場に安全な医薬品を提供する役割を担います。
企業内診療所の薬剤師
企業内診療所の薬剤師の平均年収は500万円~600万円程度です。
企業内診療所の薬剤師は、従業員の健康をサポートする役割があります。
企業内のクリニックで働くことで、定期的な健康診断や予防接種などの業務に携わることができ、労働者の健康維持・向上に貢献します。また、働く環境が整っているため、働きやすさも魅力の一つです。
高年収で働きやすくキャリアも積める研究職以外の職種
研究職以外で高年収で働きやすくキャリアも積める職種をいくつかご紹介します。
MR(医薬品情報担当者):医療機関に対し、医薬品の情報提供やセミナー開催を行う。コミュニケーション能力が活かせる。
医療情報担当者(MI):医薬品に関する情報を医療従事者に提供し、安全性・有用性の確保に努める。専門知識が活かせる。
品質管理:医薬品の製造工程に関わる品質の管理を行う。チームで業務進めるため柔軟な働き方も可能。
CRC(治験コーディネーター):SMOに所属し病院側で治験の情報整理や分析・報告を行う。治験業界へのキャリアアップにつながる。
これらの職種では、研究職とは異なるスキルや経験を積むことができ、高年収を得るチャンスもあります。
このほか、製薬会社のその他の職種や、製薬会社の薬剤師の年収・キャリアを詳しく知りたい薬剤師さんは、以下の記事が参考になります。
製薬会社で働く薬剤師の年収と9つ仕事内容|働きやすさと口コミを徹底解説!製薬会社の研究職への転職は難しい?
製薬会社の研究職への転職は一定の難しさがあります。
なぜなら、研究職に求められる高度な専門知識や技術、継続的な研究を行う能力が必要とされるためです。
また、大学院卒(修士号以上)を条件としている企業も多く、学歴も必要となります。
ただし、学卒でも研究職へ転職している例もあり、まずは求人情報を丁寧に調べ、転職エージェントに推薦してもらうことで転職成功の確率を高めるることができます。
女性薬剤師も製薬会社の研究職へ転職できる?
女性薬剤師であっても、製薬会社の研究職への転職は十分に可能です。
実際、多くの女性研究者が活躍しており、女性ならではの視点や柔軟性が評価されることもあります。
転職を成功させるためには、自分の強みや経験をアピールし、継続的なスキルアップに努めることが重要です。
まとめ|製薬会社の研究職の年収
製薬会社の研究職は高年収が期待できる職種ですが、ライバルも多く転職には一定の難しさがあります。
しかし、自分のスキルや経験を活かし、転職の面接で自身の強みをアピールすることでチャンスがあるかもしれません。
今回ご紹介した情報を参考に、あなたのキャリア選択に活かしてみてください。次のステップとして、転職サイトやエージェントに登録し、相談してみることをおすすめします。