志望動機の書き方完全ガイド|書き出し・締めくくりで差をつけるコツを紹介

「子育てとの両立があり、志望動機でどう自分の強みを伝えて良いかわからない。」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。薬剤師としての経験をどのようにして志望動機につなげれば良いのか、言葉にできず悩むケースも少なくありません

この記事では志望動機の基本構成や理由別の例文、書けないときの対処法を紹介します。記事を読めばブランクや働き方の希望を前向きに伝え、自信を持って選考に臨めます。採用担当者に響く志望動機を書くには「結論→理由→未来像」でまとめることが大切です。

志望動機を書くうえでのポイントを押さえて自分らしさを表現し、採用担当者の目に留まる魅力的な文章を完成させましょう。

志望動機は「結論→理由→未来像」でまとめる

志望動機を効果的に伝えるには、話の順番が重要です。「結論→理由→未来像」の3ステップで志望動機をまとめると担当者にわかりやすく伝わります。

まず応募者は結論として「なぜこの会社で働きたいのか」を志望動機に一文で述べます。次に理由として、応募者は「この会社を志望する根拠」を、自身の経験や強みを交えて説明しましょう。最後に未来像として、入社後に経験やスキルをどう生かし会社に貢献するかを伝えることで、採用担当者に想いが届く志望動機になります。

採用担当者が重視する志望動機のポイント

採用担当者は志望動機から、応募者の熱意と将来の活躍イメージを見極めます。採用担当者は経験やスキルが業務にどう生かせるか、入社意欲の高さを判断材料としています。

志望動機で会社の求める人物像と自分の強みが一致することを示し、採用担当者に具体的な活躍イメージを伝えることが重要です。

志望動機の書き方:書き出し

志望動機の書き出しは、採用担当者に与える第一印象を左右します。志望動機の内容を効果的に伝えるためのコツ、例文、避けるべき表現を紹介します。

採用担当者の心をつかむ志望動機書き出しのコツ

志望動機の書き出しで大切なのは、最初に「なぜこの会社で働きたいのか」という結論から書き始めることです。採用担当者は多くの応募書類を読むため、志望動機の結論が見えにくいと読み進めてもらえません。

あなたの熱意を志望動機で伝えるには、以下の点を意識すると効果的です。

  • 結論から記載
  • 経験・スキルの具体性
  • 企業への共感
  • 熱意が伝わる言葉
  • 求める人物像との一致

上記を意識することで、採用担当者に良い印象を残せます。

好印象を与える志望動機の書き出しの例文

志望動機の書き出しはあなたの想いを最初に伝える大切な部分です。志望動機は以下のような切り口で書き出すと採用担当者に熱意が伝わります。

応募先の企業理念に共感した場合の志望動機の例文
貴社の「〇〇」という理念に共感し、その実現に貢献したいと考え志望しました。
これまで培ったスキルを業務にどう生かせるか示す志望動機の例文
前職で培った〇〇のスキルを、貴社の△△業務に生かせると考え応募しました。
応募先の事業の将来性や成長性に魅力を感じた場合の志望動機の例文
子育ての中で貴社の□□サービスに感銘を受け、その価値を届けたいと考え志望しました。

書き出しの例文を参考にしながら、自分の経験や想いを加えて書くことで、採用担当者に伝わる志望動機になります。

志望動機の書き出しで避けたいNGパターン

志望動機の書き出し方一つで、採用担当者に与える印象は大きく変わります。志望動機がどの会社にも当てはまるような内容では、あなたの熱意が十分に伝わりません。

特に志望動機では次のような書き出しは避けましょう。

  • 志望動機が抽象的な言葉だけで書かれている
  • 志望動機が待遇面の話に偏っている
  • 他社の情報を引用して志望動機を書いている
  • 退職理由をネガティブに書いている

上記のような志望動機の書き出しは、採用担当者に「うちの会社でなくても良いのでは?」と思われる原因になります。

志望動機の書き方:締めくくり

志望動機の締めくくりは応募者の熱意を伝え記憶に残す重要な部分です。入社後にどう貢献できるかを具体的に示すと採用担当者に熱意が伝わります。以下では締めくくりのコツ、例文、避けるべき表現を紹介します。

自分の強みをアピールして志望動機を締めくくるコツ

志望動機の締めくくりでは、あなたの強みが会社でどのように役立つのかを具体的に伝えることが大切です。あなたのこれまでの経験で得たスキルが、応募先の仕事で再現できることをアピールしてください。具体的には以下のポイントを意識すると採用担当者に響く志望動機になります。

  • 企業が求める人物像と自分の強みが一致していることを強調する
  • 自分の経験やスキルが企業にどのように活かせるか示す
  • 自分が企業に貢献できる人間であると断言する

志望動機では自分の強みと企業の求める人物像を結びつけることで、採用担当者は応募者の活躍を具体的にイメージできます。

» 長所が思いつかない理由と対処法:自己分析で強みの見つける方法を解説

好印象を与える志望動機の締めくくり例文

志望動機の締めくくりは、熱意や強みを端的に伝える場です。具体的には、志望動機では以下のような締めくくりの言葉がおすすめです。

  • これまでの〇〇の経験を活かし、1日も早く貴社で活躍したいと考えております
  • 未経験の分野ですが、1日も早く仕事を覚え、貴社に貢献できるよう精一杯努力します
  • 子育てで培った時間管理能力を活かし、貴社に貢献できると確信しております

応募者自身の経験や応募職種に合った言葉を選び、自分の経験を加えることで、採用担当者に伝わる志望動機になります。

志望動機の締めくくりで避けたいNGパターン

志望動機の締めくくりでは、熱意が空回りしたり自分本位に見えたりする表現は避ける必要があります。採用担当者は「入社後に活躍できるか」を重視しているため、待遇や受け身の姿勢が強調されると逆効果です。

志望動機で避けるべき表現は以下のとおりです。

  • 抽象的な言葉のみ
  • 待遇面の話
  • 受け身の姿勢
  • ネガティブな表現
  • 貢献の意思の欠如

入社後にどのように貢献したいのかを具体的に志望動機で語ることで、企業はあなたを採用するメリットを感じ取れます。

【転職理由別】志望動機の書き方例文

志望動機で記載する転職理由は不満ではなく前向きに伝えることが大切です。以下のようなケースごとの志望動機の書き方を解説します。

  • 年収・待遇改善を理由にする場合
  • ワークライフバランスを重視する場合
  • 子育てと両立した働き方を求める場合
  • 他職種・異業種へチャレンジする場合

年収・待遇改善を理由にする場合

年収や待遇の改善を転職理由にする場合、不満をそのまま伝えるのではなく、ポジティブな表現に言い換えることが大切です。自分のスキルや経験に見合った評価を求める姿勢は、仕事への高いモチベーションを持っている証明になります。

年収・待遇改善を理由にする場合、志望動機では以下のような伝え方が効果的です。

  • 成果を正当に評価してくれる環境で、自分の能力を発揮したい
  • 子どもの教育費など、将来のライフプランを見据えて働きたい
  • 企業の評価制度や福利厚生に魅力を感じた

年収・待遇改善を理由にする場合の例文(薬剤師の場合)は以下を参考にしてください。

調剤薬局で培った服薬指導や在宅医療の経験を生かし、成果を正当に評価いただける環境でさらに成長したいと考え、貴社を志望しました。

年収や待遇面の話は将来設計や仕事への貢献意欲と結びつけて話すことで、採用担当者に納得してもらいやすくなります。

ワークライフバランスを重視する場合

ワークライフバランスを転職理由にする場合も、単に「楽をしたい」と誤解されないように注意が必要です。志望動機では「プライベートの充実が仕事のパフォーマンス向上につながる」というあなたの前向きな姿勢を伝えましょう。

ワークライフバランスを重視する場合、志望動機では次のような観点を盛り込むと効果的です。

  • 子育てや自己投資の時間を確保し、長期的に成長したい
  • 会社の制度(時短勤務・在宅勤務など)に魅力を感じている
  • 仕事とプライベートのメリハリをつけて、前向きに働きたい

ワークライフバランスを重視する場合の例文(薬剤師の場合)は以下を参考にしてください。

子育てと両立しながら薬剤師として長期的に働ける環境を求めており、貴社の在宅勤務制度や柔軟なシフト体制に魅力を感じました。家庭と両立しながら患者さまに寄り添った医療に貢献したいと考えています。

ワークライフバランスの充実が会社への貢献にどう結びつくのかを志望動機で示すと、採用担当者は安心感と期待感を抱きます。

子育てと両立した働き方を求める場合

子育てと仕事の両立を転職理由にする場合、制度の利用を希望するだけでなく、自分の強みを活かして会社にどんな価値を提供できるかを説明しましょう。志望動機では子育てがハンデにならないことを伝え、採用するメリットを感じてもらう必要があります。

志望動機では、次のような観点を盛り込むと効果的です。

  • 時短勤務や在宅勤務でも、最大限の成果を出すための工夫や意欲
  • 子育てを通じて身についた時間管理能力や臨機応変な対応力
  • 会社の理念や子育て支援制度への共感と、長く働きたいという気持ち

子育てと両立した働き方を求める場合の例文(薬剤師の場合)は以下を参考にしてください。

子育てを通じて培った時間管理能力を活かし、限られた時間でも正確で丁寧な調剤業務に取り組んできました。貴社の子育て支援制度に共感し、薬剤師として長く働きながら患者さまに貢献したいと考えています。

上記の点を志望動機で伝えることで、仕事への責任感や熱意が伝わり、採用担当者に安心感と良い印象を与えられます。

他職種・異業種へチャレンジする場合

他職種・異業種へチャレンジする場合、志望動機ではあなたのこれまでの経験と新しい仕事への熱意を結びつけて伝えることが重要です。志望動機には以下の点を具体的に書くと熱意が伝わります。

  • 挑戦のきっかけ
  • 活かせる経験やスキル
  • 学習意欲と貢献
  • 価値観の合致

他職種・異業種へチャレンジする場合の例文(薬剤師の場合)は以下を参考にしてください。

薬剤師として〇年以上、調剤や服薬指導に携わってきました。業務の中で得たコミュニケーション力や臨機応変な対応力を新しい分野でも生かし、学びながら貢献したいと考え志望しました。

子育てで得た柔軟さや計画性も立派な強みです。自分の言葉で率直に熱意を伝えることで、採用担当者の心に響きます。

志望動機を書くときの注意点

志望動機では、採用担当者にあなたの魅力をわかりやすく伝える工夫が必要です。志望動機を書くときには、次の点を意識しましょう。

  • 自己PRと志望動機の一貫性を保つ
  • 企業研究・業界研究をしっかり行う
  • 抽象的な表現ではなく具体的に書く
  • ネガティブな理由はポジティブに変換する

自己PRと志望動機の一貫性を保つ

自己PRと志望動機に一貫性を持たせることが、採用担当者に良い印象を与えるうえで大切です。

自己PRと志望動機に一貫性を持たせるには、あなたの過去から未来までを一本の線で結ぶイメージで考えることがおすすめです。具体的には以下の点を確認しながら自己PRと志望動機を作成してください。

  • 自己PRでアピールする強みが、志望動機で語る「会社で役立てたいこと」につながっているか
  • 自己PRで話す過去の経験と、志望動機で示す将来の目標が食い違っていないか
  • 自分が大切にしている考え方や目標が、自己PRと志望動機の両方に表れているか

強みと志望動機を一本の線で結ぶことで、あなたの魅力がより効果的に採用担当者に伝わります。
» 薬剤師が転職で成功するための自己PRの書き方を解説

企業研究・業界研究をしっかり行う

志望動機に説得力を持たせるには、応募する企業や業界について深く知ることが欠かせません。事前に情報を集めることで「なぜこの会社で働きたいのか」を具体的に説明できます。

企業や業界を研究するには以下のような方法があります。

  • 公式サイトの確認
  • 業界ニュース・専門誌のチェック
  • 口コミサイト・SNSでの情報収集
  • 子育て支援制度の利用実態調査
  • 競合他社との比較

特に子育てと両立したい場合は、実際に子育て支援制度を利用しやすい環境かどうかも大切なポイントです。十分なリサーチが、具体的で納得感のある志望動機につながります。

» 業界研究のやり方とは?薬剤師の転職で失敗しないための情報収集法を解説 

抽象的な表現ではなく具体的に書く

志望動機はあいまいな言葉ではなく、具体的なエピソードや数字を使って書くことが大切です。抽象的な言葉だけでは志望動機で個性が伝わらず、他の応募者との差別化もできません。エピソードや数字を交えて志望動機を具体的に書きましょう。

志望動機にはただアピールしたいことを書くのではなく、志望動機を裏付ける経験を一緒に伝えてください。志望動機における抽象的な表現と具体的な表現の例は以下のとおりです。

  • 抽象的:「貴社の理念に共感」
  • 具体的:「企業理念『〇〇』に共感したのは、前職で△△を経験し、その重要性を実感したからです」

上記のように具体性を持たせることで、採用担当者の印象に残りやすい志望動機を作成できます。

ネガティブな理由はポジティブな理由に変換する

転職を考えるとき、前の職場への不満がきっかけになることは少なくありません。ネガティブな理由を企業にそのまま伝えるのではなく、志望動機では前向きな言葉に言い換えて伝えることが大切です。

具体的には、志望動機では以下のようにネガティブな転職理由をポジティブな言葉に置き換えられます。

  • 残業が多い:「限られた時間で成果を出す働き方をしたい」
  • 給料が低い:「成果を正当に評価される環境で挑戦したい」
  • 人間関係が悪い:「チームワークを重視する社風に惹かれた」
  • 将来性が不安:「成長性のある貴社の事業に魅力を感じた」

ネガティブな理由をポジティブな理由に変換することで、あなたの前向きな姿勢を志望動機でアピールできます。

志望動機が思いつかないときの対処法

志望動機が思いつかないのは、自分の強みや価値観が言葉になっていないことが原因の場合があります。志望動機が浮かばない場合の対処法は以下のとおりです。

  • 自己分析を深めて価値観を言語化する
  • 転職エージェントに相談してアドバイスをもらう

自己分析を深めて価値観を言語化する

志望動機が思いつかないときは、まず自分自身と向き合う「自己分析」から始めることがおすすめです。自分の考えや気持ちを言葉にすることで、本当に大切にしたい「価値観」が見えてきます。

仕事選びの「軸」が明確になれば、自分に合う会社も見つけやすくなり、志望動機も自然に生まれます。

具体的には、以下の項目を書き出してみると自己分析を深めることが可能です。

  • 過去の経験
  • 理想のスケジュール
  • 仕事選びの条件
  • 子育てでの価値観の変化
  • 他者からの評価

» 薬剤師が自己分析が必要な理由とおすすめのやり方を解説

転職エージェントに相談してアドバイスをもらう

どうしても志望動機がまとまらないときは、転職エージェントに相談することも有効です。多くの転職をサポートしてきたプロが、客観的な視点からあなたの強みや適職を見つけてくれます。

転職エージェントに相談すると、以下のようなサポートを受けられます。

  • 強みや適職の発見
  • 企業情報の提供
  • 志望動機作成の助言
  • 書類添削・面接対策
  • 転職活動の悩み相談

一人で考え込まずにプロの力を借りることで、自信を持って志望動機を完成させられます。

» 失敗しない転職エージェントの選び方!信頼できる担当者を見極めるコツ

» しつこくない薬剤師の転職エージェントTOP3と上手な断り方

志望動機の書き方を押さえて転職を成功させよう

転職成功には志望動機の書き方が重要です。志望動機は応募者の熱意と「この会社で働きたい」という気持ちを伝える最も大切なアピールの場となります。しっかりと準備された志望動機は、採用担当者にあなたの人柄や会社での活躍をわかりやすく伝えます。

良い志望動機を作るために以下の点を意識しましょう。

  • 「結論→理由→未来像」の構成で書く
  • 自分と企業を深く調べる
  • 子育てとの両立は前向きに表現する
  • 例文を参考にしつつ自分の言葉で表現する

上記を実践すれば採用担当者の心に響く志望動機が完成します。自分の経験や価値観を前向きに表現し、自信を持って転職活動に臨みましょう。