CRA(臨床開発モニター)に向いている人はどんな人?
CRAには向いている人、向いていない人がいます。
なぜなら、CRAの仕事にはわかりやすい特徴があり、その特徴に合う合わないがあるからです。
この仕事の特徴を知り、向いている人の性格やスキルを知れば、CRAになってからも仕事に活かすことができます。
この記事では、CRAに向いている人の6つの特徴、CRAの仕事に活かせる3つのスキル、CRAの仕事の大変さなどを詳しく解説しています。
この記事を読むことで、CRAに就くかどうかを判断できるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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CRAに向いている人の3つの性格
CRA(臨床開発モニター)として向いている性格は以下の3つです。
- 周囲を気にかける
- 倫理観が強い
- メンタルコントロールが上手い
これら3つの性格を持つ人は、CRAとして向いていると言われます。
その理由も含め、以下ではそれぞれの性格について詳しく解説します。
周囲を気にかける
周囲を気にかける性格の人は、CRAに向いています。
なぜなら、CRAの仕事では、医療機関との交渉力や人当たりの良さが必要不可欠だからです。
医師たちは非常に忙しいため、治験に協力的ではないことが珍しくありません。
また、医師たちや医療施設はライバル製薬会社からも別の治験への協力を求められている場合があります。
そのため、期日までに計画書の治験症例数を達成するため、施設を訪問するなどして医師との協力関係・信頼関係の構築が必要です。
周囲を気にかけ気遣いができる正確の人は、医師の立場や医療施設の状況を把握できるため、CRAに向いている性格の持ち主です。
倫理観が強い
倫理観がしっかりしている性格の人もCRAの仕事に向いています。
理由は、CRAの仕事は患者様の生命に関わるためです。
CRAは治験の進行において、重篤な問題を発生させないこと、問題が発生した場合には適切な対応ができることが求められます。
また、患者様のプライバシーを守るために、個人情報の取り扱いに関する法律や規定を遵守することも大切です。
倫理観があるCRAは、法令や企業のポリシーに沿った仕事をすることができ、患者様や医療従事者からの信頼を得ることができるため、CRAに向いています。
メンタルコントロールが上手い
自身の感情を上手くコントロールできる方もCRAには向いています。
なぜなら、CRAの仕事は板挟みになる立場で関係者の調整を図っていくため、忙しい時期ではメンタル面での負荷が大きくなるためです。
例えば、CRAは製薬会社と医師やCRCと連携して治験計画書や指示書に基づいて業務を遂行しますが、時には、正確に理解してもらったつもりでも、「聞いてない」と言われたり、「前もって教えてもらわないと」と言われることもあります。
そんな状況でも、医師や医療施設の協力なくしては治験は完了できないため、何度も同じことを伝え続ける必要があります。
ただ人当たりの良さだけでは、CRAとして十分に向いているとは言えません。メンタルコントロールが上手い人は、悩んだり納得できなくても、自分の気持ちを上手く整理できるため、CRAに向いています。
CRAに向いている人の3つの能力
CRAに向いている人の能力としては以下の3点があげられます。
- 論理的思考力
- 読解力
- マルチタスク処理能力
報告書を仕上げる論理的思考力、症例報告書などの書きぶりのクセに対応しつつ正確に相手の意図を読み取る読解力、複数のタスクを並行して業務を行うマルチタスク処理能力、この3つの能力を持つ人は、CRAとして向いていると言えます。
論理的思考力
CRAの仕事では、カルテや原資料と症例報告書を比べて転記漏れや転記ミスをチェックするSDV業務があります。
また、プロトコール(治験の実施計画書)の作成やIRB(治験審査委員会)の資料作成など、論理性が求められる業務が多いのも特徴です。
医師の癖も理解し、治験に必要になるデータを抽出して報告書を仕上げる能力も必要となるため、短時間で情報を理解し、整理していく論理的思考力が求められます。
そのため、論理的思考力はCRAに向いている人の能力一つです。
読解力
CRAには、高い読解力が求められます。
なぜなら、治験開始前から治験終了まで、様々な書類やデータの意図を正確に汲み取り、的確な答えを提供できることが必要だからです。
治験実施医療機関側からの質問に対して、迅速かつ適切な答えが返ってこない場合、プロトコールを理解し、施設ごとに適切な治験実施方法を提案する力が試されるでしょう。
このような読解力が向いている人は、話しが通じない相手とも円滑にコミュニケーションを取ることができ、問題解決に繋がります。
経験豊富なCRAほど、読解力が高くなる傾向があります。
マルチタスク処理能力
CRAは常に多くの業務を同時並行で進めていく必要があります。
例えば、IRB資料の準備や施設への問い合わせ対応、依頼者への報告書内容の確認やデータ不具合の修正などです。
また、訪問時にはプロトコールの解釈やシステム登録方法など、ひっきりなしに対応が求められます。
このように複数のタスクを同時にこなしながら、優先順位を見極め、スムーズに処理を進めるマルチタスク処理能力が求められます。
CRA(臨床開発モニター)の仕事内容
CRAは、さまざまなやりがいがあります。
治験のプロジェクトマネージャーとして、スケジュール管理やデータ確認、企業と医療機関とのやりとりなど、多岐に渡る業務を担当します。
また、新薬開発に関わる機器や機関のルールを守り、法律に則った治験の進行をサポートし、最近の医療ニーズに応えられるように努力します。
自分自身にとっても、業務内容が充実しており、やりがいが感じられる職種です。
CRAを目指す人は、この仕事の特徴を理解し、自分に適したキャリアを見つけましょう。
CRA(臨床開発モニター)一日のスケジュール
CRAの一日は、事務作成やメールチェックから始まります。
その後、ミーティングや担当医師との面談、患者状況の確認など、多くの業務が待ち構えています。
訪問後は、本社で報告書の作成やデータ管理など、様々な事項があります。
また、新たな治験の準備や、既存の治験に関する安全性の確認も行います。
一日の終わりには、明日の予定を立て、業務を整理して退社します。
CRAの大変さはココ
CRA(臨床開発モニター)の仕事は、多くの課題が伴い大変です。
その理由として、立場の弱さ、板挟み状況、人間関係の難しさが挙げられます。
しかし、CRAは治験業界の中でもスキルの成長・キャリアアップを実現しやすく、やりがいもある仕事です。
大変なこともありますが、CRAとしての充実感や成長を感じることもできます。
以下でCRAの大変なことを具体的に解説していきます。
立場が弱い
CRAは治験のプロジェクト内の主体となりますが、実は立場が弱いため大変です。
なぜなら、医師・施設・CRC、クライアントなど、治験に関わる多くの人の協力が必要になるためです。
CRAは臨床治験に関わる多くの人と協力していく必要があるため、クライアントからの無理な要望があってもうまく調整して、プロジェクトを進めていかなくてはなりません。
しかし、業務上の立場も弱いため、調整が一筋縄では行かないことが多くあります。
自身の主張を抑えつつ調整役を果たさなくてはいけない場面も多くて大変です。
とにかく板挟み
CRAは、医師や看護師、製薬会社など、治験関係者と連携して業務を進めることが必要です。
そのため、様々な要望や意見を調整しながら、全体のスケジュールや品質を確保することが求められます。
また、報告書の作成やデータのチェックも重要な役割であり、このような業務で板挟みになることが多々あります。
それゆえ、スケジュール管理やプライオリティの決定など、課題を上手に乗り越えるスキルが重要になります。
人間関係が一番大変
CRAの仕事は、様々な人たちとコミュニケーションを取ることが求められる職種です。
医師や看護師、製薬会社の担当者など、立場の異なる人たちとの円滑な人間関係を築くことが大切です。
しかし、それぞれの利益を抱えた人たちとの交渉や連携は容易ではなく、ストレスを感じることが多いでしょう。
そのため、豊富なコミュニケーションスキルや柔軟な対応力が必要とされます。
CRAの仕事で活かせる3つスキル
CRAの仕事で活かせる3つのスキルを紹介します。
- 薬剤の知識
- 臨床検査値の知識やその他医学的な知識
- 医師との薬剤に関するコミュニケーション能力
以下で具体的に解説していきます。
薬剤の知識
CRAとして働く上で薬剤の知識がある場合には非常に有利になります。
その理由は、治験薬の臨床的メリットを説明し、医師とスムーズなコミュニケーションを取ることができるからです。
医師への説明には、何のためにその治験薬が開発されているのか、その効果や副作用を把握し、医学的なデータを基にした報告ができることが重要になります。
また、日常業務では治験に関する用語やプロトコルを理解し、医師と対話を行う機会が頻繁にあります。
そのため、基本的な学術知識とともに、医学的な内容を柔軟に把握・確認できる能力はCRAの仕事に多いに活かすことが可能です。
臨床検査値の知識やその他医学的な知識
CRAは、臨床検査値やその他の医学的な知識もCRAの仕事には活かされます。
なぜなら、これらの知識があることで、治験データの確認や試験の進行状況を正確に把握することが可能だからです。
また、医師とのコミュニケーションにおいて、信頼関係の構築やスムーズなディスカッションが可能になります。基本的な医学的知識を持っていることで、医師や治験関係者と連携を深め、治験の質を高めることができるでしょう。
これらの能力は、CRAの業務において必須であり、日常業務で頻繁に活用されます。
医師との薬剤に関するコミュニケーション能力
医師との薬剤に関するコミュニケーション能力は、CRAの業務において重要な要素です。
CRAでは多様な治験関係者にわかりやすく治験の情報を伝えることが求められるため、薬剤の説明を業務として経験してきた人は、これまでの経験が活かされるでしょう。
CRAは医師やCRCと連携を図りながら、治験データの収集やチェックを行い、適切な対応ができるようにします。また、治験の進行や不測の事態に対応する際にも、医師やチームメンバーとの信頼関係が重要となります。
医師との連携をスムーズに行うためには、医学的な知識や状況理解、コミュニケーション能力が必要です。これらのスキルは、CRAとして成功するための鍵となります。
CRA(臨床開発モニター)で働くメリットとデメリット
CRAとして働くメリットは、薬剤の開発や治験に真っ先に関わることができること、また専門的な知識やスキルを習得することができるため、キャリアアップに繋がります。
デメリットとしては、ストレス負荷や出張が多くなることが挙げられます。
しかし、その責任感ややりがいを感じられる職種であることは間違いありません。
CRA(臨床開発モニター)のメリット
はじめに、CRA(臨床開発モニター)の仕事は、コミュニケーション能力やプロジェクトマネージャーとしてのスキルが求められる職種です。
治験を円滑に進めるためには、病院や検査技師とのコーディネーションや交渉が重要となります。
また、全国各地の病院を訪問するため、視野を広げることができます。CRAとして働くことで、業界全体や新薬開発のプロセスにも触れることができます。
さらに、給与面でもCRAは高水準とされており、ステップアップのチャンスも豊富です。
また、働く環境も魅力的で、土日や祝日、年末年始の休みが確保されていることが多くあります。
内勤と外勤が半々程度のため、外回りが好きな方にも向いています。
結果として、CRA(臨床開発モニター)はスキルアップや達成感を求める方にぴったりの職種です。
CRA(臨床開発モニター)のデメリット
一方で、CRA(臨床開発モニター)の仕事にはデメリットも存在します。
まず、出張が多いことにより、プライベートの時間が削られることがあります。
また、医師や患者へのマナーや対応にも気を使うため、プレッシャーや心身の負担が大きくなることもあります。
業務内容も年収やプレッシャーに比例してハードであり、細かい書類作成やデータチェックを行うことが求められます。
また、医療機関との交渉が発生するため、営業スキルも必要です。
総じてCRA(臨床開発モニター)は向上心やキャリア意識の高い方に向いていますが、デメリットも考慮する必要があります。
CRAのデメリットを具体的に解説した記事もあるので、ぜひ参考に読んでみてくださいね。
CRA(臨床開発モニター)の年収相場
CRA(臨床開発モニター)の年収相場は、経験やスキル、勤務地によって異なりますが、おおよそ400万円~800万円程度とされています。
経験の浅いCRAでも年収が高い傾向にあり、さらなるスキルアップやキャリアアップが可能です。
ただし、年収は業務内容や働く環境によって左右されるため、自分の価値観やライフスタイルに合った選択をすることが重要です。
まとめ|CRAに向いている人
この記事を参考に、CRA(臨床開発モニター)のメリット・デメリットや年収相場を理解し、自分に向いているかどうか判断してください。
向いていると感じたら、次のアクションとしてCRAの求人情報をチェックし、転職やキャリアアップを検討してみてはいかがでしょうか。
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