- 転職エージェントにも良し悪しがある?
- 希望と違う求人ばかり紹介されないか心配
- しつこい連絡で自分のペースを乱されたくない
今の職場に不満があり、転職エージェントを通して転職を考える薬剤師は多くいます。しかし、転職エージェントについて調べてみると「やめとけ」との声があることを知り、利用をためらってしまう方もいるでしょう。
この記事では薬剤師向けの転職エージェントが「やめとけ」と言われる理由と利用するメリット、賢く活用するための方法を解説します。記事を読めば転職エージェントの自分に合った使い方を理解でき、理想のキャリアをつかむことが可能です。
転職エージェントは「やめとけ」と言われる側面もありますが、仕組みを理解して主体的に活用すれば転職の心強い味方になります。複数の転職エージェントを比較し、信頼できる担当者を見極めることが転職成功への近道です。
薬剤師転職エージェントは「やめとけ」と言われる理由4選

薬剤師転職エージェントは以下の理由から「やめとけ」と言われる場合があります。
- 悪質な求人を紹介されることがある
- 自分のペースで転職活動を進められないことがある
- 担当者によってサポートの質が変わる
- 希望条件に合わない企業を紹介されることがある
悪質な求人を紹介されることがある
求職者に不利益な「悪質な求人」を紹介される場合があることが、転職エージェントは「やめとけ」と言われる理由の一つです。一部の転職エージェントは自社の利益を優先するあまり、求職者の希望やキャリアを軽視して求人を紹介します。転職エージェントが紹介する悪質な求人の例は以下のとおりです。
- 求人票の内容と実態が異なる
- 人間関係が悪く離職率が高い
- カラ求人(※1)や釣り求人(※2)が多い
- 名ばかりの子育て支援を謳っている
入社後に後悔しないためにも、転職エージェントで紹介された求人情報を鵜呑みにせず、慎重に判断することが大切です。
※1 カラ求人とは、実際には採用する意図がないのに掲載されている求人のことです。
※2 釣り求人とは、求職者を「釣る」ために、実際よりも魅力的に見せかけた虚偽または誇張された求人情報です。
自分のペースで転職活動を進められないことがある

転職エージェントを利用すると、自分のペースで転職活動を進められないため「やめとけ」と言われる場合があります。転職エージェントの担当者によっては営業ノルマ達成のため、応募や内定承諾を急かしてくることがあるからです。
「人気求人だからすぐに埋まる」と言われ冷静に考える時間を与えられなかったり、求職者の都合を考慮せず頻繁に進捗確認の連絡が来たりする場合があります。情報収集の段階で問い合わせただけなのに、しつこく求人を紹介してプレッシャーを与えてくる転職エージェントの担当者もいます。
じっくり考えたい方にとって、頻繁に連絡してくる転職エージェントは大きなストレスとなる可能性があるため注意しましょう。
担当者によってサポートの質が変わる
転職エージェントは担当者によってサポートの質が大きく変わる場合があります。転職エージェントの担当者一人ひとりの経験や知識、対応の丁寧さには個人差があるからです。求職者のキャリアを親身に考える担当者もいれば、自分の営業成績を優先する担当者もいます。
どんな担当者に出会うかという運の要素に転職活動の成功が左右される点が、転職エージェントが「やめとけ」と言われる理由の一つです。
希望条件に合わない企業を紹介されることがある
転職エージェントから希望条件に合わない企業を紹介される場合がある点も、利用をためらう方がいる原因です。薬剤師の仕事に関して転職エージェントの知識が不足していると、求職者の希望に対して的外れな提案をされる可能性があります。
薬剤師には多様な働き方があることを担当者が理解していないケースもあります。反対に「選択肢の拡大」との口実で転職エージェントにとって利益が大きく、求職者の希望とは違う求人を勧められるケースもあるため、注意が必要です。
「やめとけ」と言われる薬剤師転職エージェントを利用するメリット

「やめとけ」と言われる薬剤師転職エージェントを利用するメリットは、以下のとおりです。
- 業界・職種の動向を把握できる
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 書類添削や面接指導が受けられる
- 企業とのやり取りを代行してもらえる
業界・職種の動向を把握できる
転職エージェントを利用すると、自分一人では集めにくい業界や職種の最新情報を手に入れられます。転職のプロである転職エージェントは常に市場の動向を追いかけており、リアルな情報を提供してくれるからです。転職エージェントの利用によって得られる情報は以下のとおりです。
- 年収の相場
- 求人分野の動向
- 新しい働き方の実態
- 資格を生かせる他の仕事
- 求人票にない内部情報
転職エージェントから客観的な情報を得ることで自分の市場価値を正しく理解でき、将来を見据えた転職活動を進められます。
非公開求人を紹介してもらえる

転職エージェントでは、一般の転職サイトでは見つけられない「非公開求人」を紹介してもらえます。企業は重要なポジションを内密に募集したい場合や、条件の良い求人に応募が殺到するのを避けたい場合に求人を非公開にすることがあります。転職エージェントで紹介されることのある、魅力的な非公開求人の例は以下のとおりです。
- 高年収や管理職といった好待遇の求人
- 「残業少なめ」「土日祝休み」の求人
- 新規事業の立ち上げなど、企業の重要な役割を担う求人
- 時短勤務や子育てサポートが充実している求人
- 製薬会社や一般企業などの薬剤師資格を生かせる調剤薬局以外の求人
自分一人で探していると出会えない好条件の職場や、新しいキャリアの可能性を見つけられる点が、転職エージェントの大きなメリットです。
書類添削や面接指導が受けられる
転職のプロによる書類添削や面接指導を受けられる点も、転職エージェントを利用するメリットです。自分一人で転職活動を進めるよりも、転職エージェントの力を借りたほうが選考の通過率を高められる場合があります。転職エージェントは客観的な視点から求職者の強みやスキルを見つけ、応募する企業に響くアピール方法を一緒に考えてくれます。
転職エージェントのサポートを受けることで、初めての転職や異業種への挑戦で不安な薬剤師も、自信を持って選考に臨むことが可能です。
企業とのやり取りを代行してもらえる
転職エージェントを利用すると、企業と以下のやりとりを代行してもらえます。
- スケジュール管理
- 条件交渉
- 内部事情の確認
- 入職の事務手続き
薬剤師として働きながら転職活動をしていると、企業との連絡やスケジュール調整に多くの時間を割けない場合があります。転職活動における煩雑な手続きや交渉事を任せることで、面接対策や自己分析などに集中できる点は転職エージェントを利用する大きなメリットです。
薬剤師転職エージェントを上手に活用する方法

薬剤師転職エージェントを上手に活用する方法は以下のとおりです。
- 自己分析を徹底する
- 相性の良い担当者を見つける
- 明確な希望条件を持つ
- 複数の転職エージェントに登録する
自己分析を徹底する
転職エージェントを上手に活用するためには、自分自身を深く理解する「自己分析」が欠かせません。自己分析ができていないと希望条件を担当者にうまく伝えられず、ミスマッチな求人を紹介されてしまう可能性があります。自己分析では以下の点を紙に書き出して整理しましょう。
- 業務経験と実績
- 自分の強みと弱み
- 仕事に対する価値観
- 転職理由
- 現職の不満点
- キャリアプラン
- 譲れない条件と妥協できる条件
自分について深く知ることで転職活動の軸がぶれなくなり、転職エージェントとのやり取りもスムーズに進みます。
» 薬剤師が自己分析が必要な理由とおすすめのやり方を解説
相性の良い担当者を見つける

相性の良い担当者を見つけることも、転職エージェントを賢く利用する秘訣の一つです。転職エージェントの担当者との相性が合わないと、転職活動がスムーズに進まないだけでなく、精神的なストレスの原因にもなります。転職エージェントの初回の面談では、以下のポイントを意識して担当者との相性を見極めてください。
- 親身にヒアリングしてくれるか
- 業界や職種への専門性があるか
- 連絡をスムーズに返してくれるか
- 求職者のペースを尊重してくれるか
転職エージェントの担当者に少しでも違和感を抱いた場合は、遠慮なく変更を申し出ることがおすすめです。
明確な希望条件を持つ
転職エージェントの担当者に希望を伝える際は希望条件をできるだけ具体的に伝えましょう。担当者への希望条件の伝え方が曖昧だと意図しない求人を紹介されてしまい、転職活動が長引く原因にもなります。事前に以下の項目について条件の希望をまとめておくことがおすすめです。
- 年収
- 働き方
- 子育てサポートの有無
- キャリアプラン
- 勤務地
条件に優先順位をつけ、譲れない条件と妥協できる条件をはっきりさせておくと、担当者とのやり取りがよりスムーズになります。
複数の転職エージェントに登録する
複数に登録することも転職エージェントの上手な活用法の一つです。1つの転職エージェントに絞ると紹介される求人が限られたり、担当者との相性が合わなくて転職活動が停滞してしまう可能性が高まります。複数の転職エージェントを利用することでリスクを分散しつつ、より多くの求人情報を入手できます。
「やめとけ」は本当?薬剤師転職エージェントに関するよくある質問

薬剤師転職エージェントについて「やめとけ」という声があるため、よくある質問にお答えします。
- 転職エージェントを利用した方が年収は上がる?
- 転職エージェントを使うと内定率は上がる?
- 転職エージェントと転職サイトの違いは?
- 転職エージェントからの連絡が多すぎるときの対処法は?
転職エージェントを利用した方が年収は上がる?
転職エージェントを利用すると、個人で応募するよりも年収が上がる可能性は高くなります。転職のプロが求職者の代わりに企業と給与の交渉をしてくれるため、自分では言い出しにくい希望年収を伝えられるからです。転職エージェントは求職者の市場価値を踏まえて交渉を行うため、説得力のある客観的な交渉ができます。
転職エージェントでは一般公開されていない、給与水準の高い「非公開求人」に出会える点も、年収が上がりやすい理由です。ただし、未経験の職種や残業なし・時短勤務などの働き方を優先するケースでは、転職により年収が下がる可能性もあります。
転職エージェントを利用する場合でも、年収が上がるかどうかは個人のスキルや経験によって異なることは理解しておきましょう。
転職エージェントを使うと内定率は上がる?

転職エージェントを利用すると、内定率は上がる傾向にあります。1人で転職活動をするよりも、薬剤師業界を熟知したプロのサポートを受けたほうが選考を有利に進められるからです。転職エージェントは企業が求める人材を把握した上で、効果的なアピール方法を教えてくれます。
転職エージェントでは、内定の可能性を高める以下のサポートが受けられます。
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 過去の質問内容に基づいた模擬面接
- 転職エージェントから企業への求職者についての推薦
- 非公開求人の紹介
- 面接日程の調整や給与交渉の代行
転職エージェントと転職サイトの違いは?
転職エージェントと転職サイトの最も大きな違いは、専門の担当者によるサポートがあるかどうかです。転職エージェントは担当者が求人紹介から面接対策、条件交渉まで一貫してサポートしてくれます。一方で、転職サイトはサイト上に公開されている多くの求人情報の中から、求職者が自分で求人を探して直接応募する仕組みです。
手厚いサポートを受けながら効率的に転職活動を進めたい場合は、転職エージェントが適しています。自分のペースで多くの求人を比較しながらじっくり考えたい方は、転職サイトがおすすめです。
転職エージェントからの連絡が多すぎるときの対処法は?
転職エージェントからの連絡が多すぎると感じたときは、自分の希望をはっきりと伝えましょう。多くの場合、担当者は求職者の転職を成功させたいという善意で多くの情報を提供してくれます。求職者が自分の状況や希望をはっきり伝えれば、転職エージェントの担当者は連絡の頻度や内容を適切に調整してくれます。
電話連絡ではなくメールにしてもらうなど、連絡手段の変更を申し出ることも良い方法です。送られる求人情報が多すぎる場合は、条件に合致する求人だけを絞って送ってほしいと伝えましょう。
自分のペースで転職活動を進めるためには、転職エージェントとのコミュニケーションを工夫することが大切です。遠慮せずに転職エージェントに自分の意思を伝え、ストレスのない転職活動を目指しましょう。
薬剤師転職エージェントは「やめとけ」と言われる理由を理解して賢く活用しよう

薬剤師転職エージェントが「やめとけ」と言われる理由には、担当者の質の問題や強引な求人紹介などが挙げられます。一方で転職エージェントの利用には、非公開求人の紹介や書類添削、面接指導が受けられるなどのメリットもあります。
転職エージェントを賢く活用するためには、相性の良い担当者を見つけ、自分の希望を明確に伝えることが大切です。転職の主導権を自分が持ちながら転職エージェントを主体的に活用し、後悔のない転職を実現しましょう。
» 転職エージェントのメリット・デメリットや利用するべき人を解説!

