薬剤師の大変なことは数多くあります。中でも多いのはメンタル面。
医療職としての悩みプレッシャーが多く、モチベーションの維持も難しい職種です。
この記事では、薬剤師の8つの大変なことや、職場別の大変なことについて詳しく解説し、最後には、苦労しない職場の代表例についても紹介します。
薬剤師として周りが何に苦労しているのか、自分の悩みはよくあることなのか、わかるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
薬剤師の仕事で大変なこと8選
薬剤師の仕事は多くのプレッシャーが伴い大変なことばかりです。その薬剤師の大変なことを8つ選びました。
- 業務量が多い
- ミスが許されない
- 業務を単調に感じることもある
- 新薬の勉強をし続けなければならない
- 患者さんの対応が大変
- 医師の対応に苦労する
- 薬剤師の職場特有の人間関係がつらい
- 在宅訪問業務の負担が大きい
薬剤師の仕事の大変さを知りたい人も、すでに薬剤師の仕事で苦労している人も、ぜひ周りがどのように感じているのか確認してみてください。
①業務量が多い
薬剤師の仕事は多忙で、業務量が多いことがあります。
調剤業務、患者への服薬指導、そして月末の病棟監査など、たくさんの業務があり、一日の仕事を終わらせるだけで手いっぱいという職場も多いです。
また、病院や薬局では大量の処方箋が押し寄せる場合もあり、一枚一枚の確認に忙殺されることもあります。
本来はこのような業務量の多さに対処するには人員を増やす必要がありますが、忙しい職場は人員が補充されて充足することは稀です。
②ミスが許されない
薬剤師の仕事は、患者の健康や命に直接関わるため、ミスが許されません。
処方箋の調合や薬品の扱いでのミスは、患者に重症や危険をもたらすことがあります。
そのため、薬剤師は常に緊張感と絶対の責任感を持って対応しなければなりません。
ミスを防ぐためには、細かいチェックと確認が必要です。
また、ミスに対するペナルティを厳しくしている企業もあり、ミスができないプレッシャーは非常に大きいものです。
③業務を単調に感じることもある
薬剤師の業務は、繰り返しの作業が多く、時には単調に感じることがあります。
具体的には、調剤・服薬指導・薬の在庫管理がルーティーン業務となり、成長を感じられなくなるケースです。
薬局薬剤師の場合には、特にこの傾向が強く、やりがいを感じられなくなった仕事は辛かったり大変に感じることが多いでしょう。
④新薬の勉強をし続けなければならない
薬剤師として働くうえでは、新しい薬の知識を日々更新しなければならないのが大変です。
新薬は次々と開発される上、それぞれの特徴や効果を理解し、適切な説明が求められます。
また、薬剤師資格の更新も定期的に行い、専門的な知識を維持し続ける必要があります。
日々の業務に加え、新薬の勉強もし続けなければならないのは、薬剤師という職種の大変なことの一つです。
⑤患者さんへの接客が大変
薬剤師の仕事で大変なことの一つに、患者さんへの接客があります。
その理由は、クレーム対応があることです。
具体的には、OTC薬の説明や服薬指導で不満を持った患者さんがクレーマーとなることや、ドラッグストアや併設薬局での勤務では、レジやその後のカバン詰めについても対応が必要で、時には理不尽な苦情が発生することもあります。
処方箋調剤業務は法律で決まっているため、一部の薬剤師は患者さんの無理な要望に対しても対応を行わないといけない場合もあり、大変な苦労を伴うことがあります。
⑥医師の対応に苦労する
薬剤師が勤務する病院では、医師との対応に苦労することがあります。
多忙な医師とのコミュニケーションは大変で、外来の診察や患者への説明で特定の疾患について疑問がある場合や処方箋に疑義がある場合、確認の連絡を取ることが難しいです。
また、照会が必要な処方内容に対して医師の返答が横柄なことや、医師の癖に対応しなければならないこともあり、苦慮することがあります。
⑦薬剤師の職場特有の人間関係がつらい
薬剤師は職場特有の人間関係がつらいことがあります。
薬剤師の仕事の特徴は、狭い人間関係の中で仕事をしなくてはならないことです。
一度職場の人間関係が崩れると、復旧は難しく、大変なストレスになります。
また、人間関係が良好でないと仕事の効率も落ちることがあるため、日々の業務が更に大変になるケースがほとんどです。
⑧在宅訪問業務の負担が大きい
薬剤師の業務で大変なことの一つに、在宅訪問業務があります。
在宅訪問業務は、薬局に来られない患者さんのお宅に伺い、服薬指導や薬の配達を行う業務です。
薬局の開局時間には患者さん宅へ移動できず、休憩時間や早朝、閉局後に伺うケースも多くあります。
また、せっかく患者さん宅へ伺っても、費用やプライバシーを理由に訪問を拒否されることもあります。
医師への報告書類作成も残業後に行うことも多く、在宅訪問薬剤師の業務負担は大きく大変です。
在宅薬剤師をやりたくない!という時の対応方法も以下の記事でまとめたので、参考にしてみてください。
薬剤師が在宅をやりたくない7つの理由!大変できついときはどうする?
薬剤師が在宅をやりたくない7つの理由!大変できついときはどうする?職場別に違う薬剤師の大変なこと
薬剤師の大変なことは、職場別に種類が違います。
その理由は、調剤薬局や病院、ドラッグストアなど、職場の環境や業務内容によって異なり、それぞれに固有の問題や悩みが存在するからです。
ここでは、職場別に薬剤師の大変なことを解説していきます。
調剤薬局|人間関係と薬局特有の大変さがある
調剤薬局では、人間関係や薬局特有の大変さがあります。
取りわけ、小規模な薬局では、スタッフ間のコミュニケーションが密であり、個人の人間関係が職場環境に大きく影響することがあります。
また、薬剤師は正社員やパートといった働き方によって、業務内容や負担が変化し、それぞれの立場で異なる悩みや苦労が存在します。
これらの問題に対処できるよう、柔軟な対応や適切なコミュニケーションが求められます。
ドラッグストア|調剤や医薬品販売以外の業務が多く大変
ドラッグストアでの薬剤師の仕事は、調剤や医薬品販売だけでなく、OTC医薬品のアドバイスやお客様からの質問対応も行わなければなりません。
また、ドラッグストアにはオリジナルブランドの商品も多く、その知識やスキルも求められます。
さらに、上司とのコミュニケーションや業務報告も欠かせません。
労働時間が長く、接客も含めた様々な業務があるため大変ですが、薬剤師としての幅広い経験を積むことができます。
病院|求められる薬学レベルの高さと医師や看護師との関わり
病院薬剤師は、専門的な薬学知識が求められるだけでなく、医師や看護師との連携や患者対応も重要な役割を担っています。
また、勤務時間はシフト制が多く、休日や夜間も勤務があることがあります。
そのため、医療チームの一員としての協力やコミュニケーション能力も大切です。
積極的に状況に応じた対応や最新の薬学情報を学び、患者さんに適切なサポートを提供することが求められます。
製薬会社|薬学の専門性を追求するからこその大変さがある
製薬会社で働く薬剤師は、薬学の専門性を追求することが求められます。
研究開発や品質管理など、様々な業務がありますが、それぞれに専門知識が必要です。
業務内容も多岐にわたるため、常に新しい知識を求められ、大変な一面があります。
しかし、専門性を高めることで自分自身のスキルアップにつながり、やりがいを感じることができます。
薬剤師に多い退職・転職理由
薬剤師に多い退職・転職理由を紹介します。
主な理由は以下の3つに分けられます。
- 人間関係
- 年収
- 労働環境
薬剤師の仕事はこれら3つの要素が大変な職場が多いです。
人間関係がつらくて辞める
薬剤師の人間関係のストレスは、短期間で終わることは少なく、長期的にストレスを受けることになります。
そのため、メンタル面で健康に悪影響を及ぼすこともあり、退職や転職を選択する薬剤師も少なくありません。
また、さらに薬剤師にとって大変なのが、患者さんとのコミュニケーションです。
患者さんの中にはコミュニケーションが難しい人もおり、ストレスが過度にかかる場面もあります。
ストレスの原因が職場の人間関係の場合、気持ちを切り替えることが難しいため、退職・転職の理由として非常に多い理由となります。
薬剤師の人間関係悩み解決!転職でストレスフリーな職場へ給料が仕事に見合わない
薬剤師としての仕事内容と給料が見合わないと感じる理由はいくつかあります。
一つは、多くの業務や労働時間に対して給与が比例しないことです。
特に病院勤務の場合、残業が多く、手当が一般的な職場に比べて少ないことも不満を感じる要因となります。
また、職場環境や役職によって昇給や昇進が制約されることもあり、仕事のモチベーションが薄れることがあります。
年収を理由に転職する薬剤師の転職先は、薬剤師としての専門性を高く評価してくれる企業です。
例えば製薬会社や治験業界のCRAなどは薬剤師の年収は高く、転職していく薬剤師も少なくありません。
給料が仕事に見合わない企業で仕事をしていると、転職しようという意識になりやすいため、年収を転職理由としている薬剤師は多いです。
詳しくは以下の記事がおすすめです。参考にしてみてください。
休みが取りづらい
薬剤師が休みを取りづらい理由の一つは、職場環境や勤務先によるものです。
特にドラッグストアや小規模な調剤薬局では、人手不足やシフト制度の影響で休日が確保しにくいケースが多いです。
また、病院や併設の薬局では、営業時間が長く、休みが取りづらい状況が続くこともあります。
このような環境では、転職や退職を検討する薬剤師も少なくありません。
薬剤師の休みが多い職場は?土日休み・休みがないの違いを徹底解説!
薬剤師の休みが多い職場は?土日休み・休みがないの違いを徹底解説!大変なことも多い薬剤師のやりがいは?
大変なことも多い薬剤師の仕事ですが、やりがいも感じられることがあります。
その一つが、自分のスキルや知識が貢献し、患者さんから感謝されることです。
また、成長することで自信を持ち、モチベーションを維持することができます。
薬剤師のやりがいは、大変なことと表裏一体であり、それを乗り越えることで醍醐味を感じることができます。
患者さんからの感謝
薬剤師としてのやりがいは、患者さんから感謝される瞬間にも現れます。
調剤や服薬指導を通じて、患者さんの健康をサポートし、喜んでいただくことができると、大変な労働も報われると感じられます。
また、患者さんの話を聞いたり、気にかけてもらったりすることで、より良いコミュニケーションが生まれ、アットホームな職場環境を作ることができます。
幅広く医療に貢献している実感
薬剤師として働く中で、幅広く医療に貢献している実感が得られることもやりがいの一つです。
患者さんとの対面や、医療チームとの連携など、多くの人に関わりながら医療サービスを提供しています。
これらの活動を通じて、自分自身の成長や、医療における薬剤師の役割を実感することができます。
チーム医療に携われたとき
チーム医療に携わることができたとき、薬剤師としてのやりがいを実感できます。
その他のコメディカルスタッフと連携し、患者さんのために最適な治療を提案し、実際の服薬指導や治療にも携わることができます。
また、医師や看護師から患者の状況や治療に関するリアルタイムな情報を共有できるため、直接的な声を聞くことができます。
これによって、自身の役割や薬の効果をよりよく理解し、チーム一員として患者の回復に尽力することができます。
仕事の中で多くの感謝の言葉をいただく機会もあり、その言葉が自分のやりがいとなり、薬剤師としての成長を感じることができます。
知っておきたい大変じゃない薬剤師の職場
大変じゃない薬剤師の職場として以下のようなものがあります。
- 単科の医院・クリニックに隣接した調剤薬局
- 一般企業の企業内診療所薬剤師
- 安定期患者が利用する病院
- 医薬卸企業のDI職
- 製薬会社の品質管理
これらの職場では、薬剤師としての負担がかなり軽減されます。
詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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薬剤師でも楽すぎな職場・職種6選と楽な条件5つを実態から徹底解説!薬剤師が向いている人の特徴は?
薬剤師が向いている人の特徴は、医療に関心があり、調剤や薬に関する専門知識を身につける意欲があることです。
また、患者への対応や相談が多いため、コミュニケーション能力が高い人が適任です。
さらに、細かい作業や管理が得意で、責任感が強く、柔軟な対応ができる人が向いています。
薬剤師の仕事は人の命に関わる大切なものであり、他の専門職と連携したチーム医療で役割を果たすことが求められるため、協調性やチームワーク力も重要な要素です。
まとめ|薬剤師は大変なことも多いので就職・転職先は徹底調査しよう
薬剤師は大変なことも多い職業ですが、適切な職場を選べばやりがいを感じることができます。
就職・転職先を選ぶ際には、自身のキャリアや希望に応じて徹底的に調査しましょう。
転職サイトや転職エージェントを利用して、自分に合った職場を見つけ出し、ぜひ次のステップへと進んでください。