CRAの仕事はきついのか?実態を知りたい方向けの記事です。
CRAの仕事は激務できついと言われていますが、実はそれほどきつくないときもあり、働き方にメリットもあります。
この記事では、CRAの仕事のきつさとメリットについて詳しく解説していきます。
これを読めば、CRAの仕事に対する理解が深まり、CRAに転職すべきか明確になるので、ぜひ最後まで読んで見て下さい。
CRA(臨床開発モニター)の仕事内容
CRA(臨床開発モニター)は、新薬開発において治験の進行状況を管理し、適切な治験が行われているか確認する仕事です。
具体的には、治験施設への訪問や治験責任医師、CRC(臨床試験コーディネーター)と連携し、治験実施に関する書類の正確性や保管状況の確認を行います。
この書類とは、CRA(臨床開発モニター)は患者さんへのインフォームド・コンセントの遵守状況や、治験薬の管理状況の報告書のほか、保健所やIRB(倫理委員会)への書類提出です。
このようにCRAは専門知識や経験が必要とされる職種であり、企業やCRO(臨床試験受託機関)、治験施設間の連携が重要となっています。
そのため、コミュニケーション能力や適切な判断力、困難な状況に対応する柔軟性が求められる仕事です。
CRA(臨床開発モニター)の仕事できついこと5つ
CRA(臨床開発モニター)の仕事できついところは以下の5つであることが多いです。
- 締め切りに追われる
- 医師や関係者都合による業務のリスケが多い
- 業務量が多い時期は残業も多い
- 予期できないクエリ(修正依頼)が飛び込むときつい
- SAE発生時の対応がきつい
締め切りに追われる
CRA(臨床開発モニター)の仕事できつい理由の一つは、締め切りに追われることです。
CRAの業務には、治験の進行に伴ってIRBや企業へ提出する書類が多くあり、当然それぞれに締め切り日が設定されています。
加えて、月1回開催されるIRB委員会に提出するための書類審査は、承認を受けるまでに膨大な準備が必要です。
仮に、締め切りに間に合わない場合は、1ヶ月後の審査に回されることもあり、治験のスケジュールを遵守しないといけないCRAにとっては大きなプレッシャーです。
この、プレッシャーが伴う締め切りに常に追われる状況が、CRAの仕事はきついと言われる理由の一つです。
医師や関係者都合による業務のリスケが多い
CRA(臨床開発モニター)の仕事できつい理由の2つ目は、医師や関係者都合による業務のリスケが多いことです。
治験のプロトコルや同意説明文書等、提出書類は複雑であり、依頼者や治験責任医師、CRCと連携して確認する必要があります。
しかし問題は、各関係者が忙しいため、予定通りに確認してもらえないケースが多いことです。
締め切りに向けて焦りも募る中、医師や関係者とのコミュニケーションが重要となり、柔軟な対応が求められるため、CRAにとっては大きな負担となります。
業務量が多い時期は残業も多い
CRA(臨床開発モニター)は、時期によって残業が多くなることがあります。
繁忙期のCRAのスケジュールは非常にタイトで、負担も大きいです。
例えば、治験の準備やデスク作業、そしてクライアントや医療機関との連携が求められますが、これらの業務は、時間的な余裕がありません。
自分の判断や裁量で対応したいところですが、日系組織である場合には、関係者との合意形成と組織の承認が必要です。
特に、書類や申請の審査は厳しく、猛烈な勢いで仕事が増えることもあります。
そのため、業務量が多い時期は、CRAにとっては肉体的にも精神的にも大きな負担です。
予期できないクエリ(修正依頼)が飛び込むときつい
CRA(臨床開発モニター)の仕事できつい理由の4つ目は、予期できないクエリ(修正依頼)が飛び込むことです。
臨床開発モニター(CRA)の職種は、治験書類の修正依頼に対応しなくてはならないケースがあります。
これらのクエリは、データのチェックや品質管理の一環として発生し、一度に複数の依頼がくることもあります。
治験の担当者として、データ整合性や品質を確保することは非常に重要です。そのため、タイムリーな対応は不可欠であり、他の業務との兼ね合いが難しいケースもあります。
SAE発生時の対応がきつい
CRA(臨床開発モニター)の仕事できつい理由の5つ目は、SAE発生時の対応がきついことです。
SAE(Serious Adverse Event)が発生した際の対応は、CRA(臨床開発モニター)にとって非常に厳しいタスクとなります。SAEは重篤な有害事象であるため、素早く適切な対応が求められます。
発生した場合、患者や治験関係者への連絡や報告が必要となり、英語での対応も求められます。また、厳しい規制に従い、休日や休暇中であっても対応が求められることがあります。
ただ、突発的な業務ではありますが、SAE対応の経験は緊急時の対処法や危機管理能力が身につき、今後のキャリアに役立つ業務です。
SAEはCRAの中でもきつい業務にはなりますが、経験することで成長にもつながるため、前向きに捉えてみても良いでしょう。
きついだけではない!CRA(臨床開発モニター)仕事の魅力
確かにCRAの仕事は大変な面が多いですが、それだけではなく、多くの魅力ややりがいも存在します。
魅力の一つは、治験業界での経験を積むことでスキルが向上し、専門性ややりがい、働き方の柔軟性が向上することです。
CRA(臨床開発モニター)での経験は、治験業界でのキャリアを大いに広げることにつながります。
薬剤師資格を持つ人は、CRAへの転職は有利に働きますので、ぜひ積極的に検討してみましょう。
オンコロジー領域・グローバル治験の比率が高く経験を積める
治験の業界では、オンコロジー領域でがん治療の革新が求められており、グローバル治験も多く行われています。
このため、CRA(臨床開発モニター)はオンコロジー領域のグローバル治験に参加するチャンスが豊富で、多くの経験を積むことができます。
具体的には、国際的な基準に従った治験や、複数国にまたがる治験にも携われるため、経験後のキャリアアップで年収の上がり方は大きく変わります。
また、外国人同僚や海外の治験関係者とのコミュニケーション能力も向上し、将来的には国際的なキャリアも築けるでしょう。
リモートワーク・フレックス主体の企業も多く働きやすさがある
最近ではリモートワークやフレックス制度を取り入れたCRA(臨床開発モニター)の勤務先も増えており、働きやすい環境が整っています。
これにより、自分の都合に合わせて柔軟に仕事ができ、プライベートとの両立も図りやすくなっています。
また、リモートワークにより通勤時間の短縮や、出張が減ることで、ストレス軽減や労働時間の削減にも繋がります。
このため、働くCRAが持続可能なキャリアを築くことが可能になっています。
難病や新薬開発に携わるやりがいもある
CRA(臨床開発モニター)は、難病治療薬や新薬開発に携わることができるため、やりがいのある仕事でもあります。
未治療の疾患や効果的な治療がない患者への新たな治療法を提供できる可能性があり、その実現に向けた取り組みに関われることは大きな達成感を感じるでしょう。
また、最先端の医療技術や知識を学ぶことができ、自身の専門性を高めることが可能です。
このような経験は、CRAとしてだけでなく、医療業界全体でのキャリアアップにも役立つでしょう。
CRA(臨床開発モニター)はきつい仕事ではある
しかし、CRA(臨床開発モニター)は厳しい仕事であり、多くの責任やプレッシャーが伴います。
治験の適切な運営を担保するため、治験施設へ出向いて治験データの確認や対応、監査対策等が求められ、多忙な日々が続くことが一般的です。
また、残業や出張なども多く、働く環境によっては労働条件が厳しく感じられることもあるでしょう。
しかし、先述したオンコロジー領域での経験や働きやすさの向上、やりがいを感じられる点も多いため、自分に合った働き方を見つけることが大切です。
CRA(臨床開発モニター)は激務?
CRA(臨床開発モニター)は激務とも言われます。
その理由は、治験の運営を円滑に進めるため、複数の施設や製薬企業と連携し、書類の作成や確認、対応など多岐に渡る業務を担当するからです。
加えて、治験の品質を維持する重要な責任も持ちます。
そのため、業務量が多く、残業や出張も少なくありません。
しかし、これらの激務を乗り越えることで得られるやりがいやスキルも大きいです。
CRA(臨床開発モニター)の働き方の良い点は?
CRA(臨床開発モニター)の働き方の良い点は、
- 待期期間がある
- 働き方がフレキシブル
CRAの働き方の良いところは、プロジェクトを担当するまでの間に、業務が落ち着くことです。
これはいわゆる”待機期間”と言われますが、感覚としては、「やることがない…」というほど、暇になります。
定時で上がることも可能ですし、プライベートの予定も立てやすくなります。激務の日々との差が大きいです。
また、リモートワークも可能な会社が多かったり、自分の仕事が終わっていれば有給も取りやすい、また勤務時間もフレックス制だったりと、柔軟性のある働きかが可能です。
この点、薬局と比較すると自分で働き方を考えて仕事ができる点は、CRAのメリットと言えます。
CRA(臨床開発モニター)の仕事内容と年収のバランス
CRA(臨床開発モニター)は、製薬メーカーや大手外資系CROで働くことにより、高年収が期待できます。激務であることを考慮しても、業務内容・量と年収のバランスは問題ないと言えます。
スキルや経験が評価されるため、キャリアを積むことでさらに年収も上がります。
そのため、CRAは長期的な視点で見ると報われる職種です。
具体的なCRA年収は、CRA(臨床開発モニター)年収ランキングTOP15!知っておきたいCRA年収の特徴4つで詳しく解説しているので、ぜひ確認してみてください。
CRA(臨床開発モニター)の仕事がきついと感じた場合の3つの対処法
CRAの仕事がきつい時に対処する方法を紹介します。
以下の3つを実践することで仕事が回りやすくなり、自身の成長にもつながります。
また、CRAがキツくなった時に自分の心を健康に保つことにもなりますので、ぜひ確認してみて下さい。
タスク管理を徹底する
タスク管理を徹底することは、CRAの仕事を効率的に進めるために重要です。
まずは、全てのタスクをリストアップし、優先順位を決めましょう。
次に、それぞれのタスクに適切な期限を設定し、日々の進捗を確認することが大切となります。
担当している案件が複数ある場合、各企業や施設との対応を分けて管理し、情報が混ざらないよう注意を払うことも重要です。タスク管理ツールを活用することで、業務の効率化や情報共有が容易になります。
タスク管理を徹底することで、仕事の見通しが立ちやすくなり、CRAとしての自分のパフォーマンスを向上させることができますので、ぜひ試してみて下さい。
効率的なコミュニケーションを心がける
効率的なコミュニケーションを心がけることは、CRAの仕事で大変重要です。
なぜなら、CRAの仕事はコミュニケーションロスによる業務効率の低下の影響が大きいからです。うまく関係者とコミュニケーションが取れれば、CRAの仕事が円滑に進むだけでなく、業務上のストレスも軽減が可能になります。
相手の立場やニーズを理解し、的確な情報提供やサポートができるよう努めてみましょう。
具体的には、対面でのミーティングや電話、メールなど、適切なコミュニケーション手段を選んでスムーズに情報伝達ができるようにすることや、報告や連絡、相談を適切に行い、関係者同士の情報共有を進めることが、問題の早期解決や業務の効率化に繋がっていきます。
ぜひ試してみてください。
メンタルヘルスを大切にする
メンタルヘルスを大切にすることは、CRAとして長く働くために重要です。
特にCRAの場合は精神的にストレスが溜まりやすく、仕事へのモチベーションやパフォーマンス低下を引き起こすことがあるからです。
対応方法としては、まず適切な休息を確保し、趣味やリラクセーションを楽しむことで、心身のバランスを保つようにしましょう。
また、問題や悩みを抱え込まず、上司や同僚、家族や友人に相談することで、心の負担を軽減することも可能です。
この他にも、実はリーダーシップ研修など、自己啓発に努めることも、メンタルヘルスを保つためには有用とされています。
メンタルヘルスを大切にすることで、モチベーションを保ちつつ、充実したキャリアを築くことができますので、CRAがきつい時こそメンタル面は大切にしましょう。
CRAのキャリアパスと将来展望
CRAのキャリアパスは多岐に渡り、経験やスキルに応じて担当業務やポジションが広がります。
例えば、CRAからプロジェクトリーダーやラインマネージャーへの昇格が可能です。
また、専門性を追求することで、医薬品開発や治験の各分野でエキスパートとして活躍する道もあります。
さらに、国際的な経験を積むことで、グローバルなプロジェクトに携わる機会も広がります。
将来的にも医療業界の発展や新薬開発の需要増に伴い、CRAの役割がますます重要になるとされていますので、CRAへの転職を検討している人はぜひ挑戦してみると良いでしょう。
きついCRAの仕事を楽しむためのポイント
きついCRAの仕事を楽しむためには、まず自分の成長やスキル向上に焦点を当てることが大切です。
なぜなら、スキルの成長を感じられることで仕事の楽しみにつながるからです。
また、チームワークを大事にし、同僚や関係者との協力を重視することも重要なポイントの一つです。
積極的にコミュニケーションを取り、チームで仕事を進めることでより円滑な業務遂行ができるようになるためです。
これらを通して、患者の治療や医療の発展に貢献しているというやりがいも感じられるようになります。
CRA仕事のストレスや悩みの克服方法
CRA(臨床試験モニター)の仕事は、治験の適切な進行をサポートする重要な役割ですが、そのためには高い専門知識やコミュニケーション能力が求められます。ストレスや悩みを克服する方法には以下の通りです。
CRAの業務は多岐にわたるため、自分の時間を効率的に活用することが重要。日々のスケジュールを計画し、余裕を持って仕事を進めましょう。
治験関係者と円滑なコミュニケーションをとるために、自分のコミュニケーションスキルを磨くことが大切。聞く力や相手の立場を理解する力を養いましょう。
CRAの仕事で求められる知識は日々更新されるため、自分の知識も常にアップデートしましょう。勉強会や研修に積極的に参加してスキルアップを図ります。
CRAの仕事を続けるためのモチベーション維持法
CRAの仕事はやりがいがある一方で、多忙でストレスの多い職種です。モチベーション維持法は以下の通りです。
CRAの仕事の目的や意義を理解し、自分が果たす役割を大切にすることで、モチベーションが維持されます。
具体的な目標を設定し、達成した時の喜びをイメージすることで、ポジティブな気持ちを保つことができます。
同僚や上司と協力し合うことで、連帯感や一体感を感じることができ、モチベーションが向上します。
自分の成果や貢献を客観的に評価し、自信を持つことが大切です。
CRA(臨床開発モニター)のよくある退職理由
CRA(臨床開発モニター)は、製薬企業やCRO(臨床試験受託機関)で働く専門職です年収も高いのですが、辞めていく人もいます。
退職する理由としては、さらなる年収アップやキャリアアップを目指すことが多いです。
このほか、年収の伸び率が悪かったり、精神的な負担が大きかったりする場合もあります。
具体的を以下で解説しますので、ぜひ確認してみてください。
CRAからの年収アップとキャリアアップで転職
CRAは転職で大きく年収が上がることがあるので、年収アップを目指して別のCROへ転職する人が結構多いです。経験値やタイミングによると思いますが、私は100万円程度年収が上がりました。
CRAはキャリアアップとともに年収アップを目指して転職を検討することが一般的と言われています。
年収の伸び率が悪く転職
昇給ペースが遅いので、同じ仕事で年収の上がるところへ転職しました。実際、転職した方が確実に昇給するので周りでも転職しているCRAは多いですね。
年収の伸びが悪いと感じて転職するCRAもいます。
業界の平均よりも伸び悩んでいる場合や、他社と比較して競争力が低いと感じた場合は転職を検討しているようです。
精神的にきつくて転職
正直、精神的にきつくて辞めました。関係者に仕事が振り回されるし、それでいて治験はスケジュール通りに進めないといけないしで、ストレスは非常に高かったですね。
CRAの仕事は非常に専門的であり、高い責任感が求められるため、精神的な負担が大きいことがあります。
そのため、精神的に疲れ切ってしまうことがあり、転職を検討する人も少なくありません。
特にプレッシャーやストレスが大きい場合、仕事に対するモチベーションが低下し、新しい職場での環境改善やキャリアチェンジを求めて転職することがあります。
プロジェクトの掛け持ちなど業務量が多すぎて転職
仕事が多すぎたので、転職しました。一つの治験でもコントロールが大変なのに、いくつも掛け持ちさせられると対応が追い付かないですし、回すために自分の生活も犠牲になっていくので、人員のいる企業に行くのがいいと思います。
業務量が多すぎると感じる方は、プロジェクトの掛け持ちが原因であることが多いです。
掛け持ちを行うことで、一度に複数の案件を抱えることになり、それぞれの案件での仕事の進行や報告が追いつかなくなることがあります。
また、複数のプロジェクトを同時に進めることで、タスクの連携がうまくいかず、仕事の効率が悪くなることもあります。
まとめ|CRAの仕事はきついがキャリアアップのメリットもある
CRAの仕事は、プロジェクトの掛け持ちや精神的なストレスが原因で、仕事がきついと感じることがあります。
しかし、CRAとしての経験を積むことで、キャリアアップのメリットも得られます。例えば、専門的なスキルや知識が身につくことで、他の業界でも活躍できるチャンスが広がります。
もし、現在の状況に不満を感じている場合は、転職を検討してみることも一つの選択肢です。
年収アップにもつながりますので、CRA(臨床開発モニター)のキャリアもぜひ検討してみてください。