薬剤師の年収中央値はいくら?30代の相場も職種別・地域別で徹底解説

「薬剤師の平均年収はわかったけど、薬剤師年収の中央値の方が実態に合っているよね。」という方向けの記事です。

この記事では、薬剤師の年収中央値と平均年収を比較し、職種別・地域別の中央値のランキングも解説しています。

また、薬剤師の平均月収やボーナス、大卒初任給のデータも取り上げます。

経験とスキルの年収への影響も分析しているので、年収アップのキャリアプランに役立ててくださいね。

この記事を読むことで、薬剤師として今の年収が高いのか低いのか判断できるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

1.薬剤師年収の中央値はどれくらい?平均年収とも比較

薬剤師年収の全国中央値は約507万円です。残業を含まない数値として算出しています。つまり、毎日定時に上がって支払われる年収の中央値です。

一方、平均年収は約551万円残業含まず)となっており、中央値と比較すると約44万円ほど高い水準です。

この差が生じる理由は、高収入の薬剤師が多いことを意味します。それは高収入の年収金額が平均値を引き上げる効果があるためです。

ただし、業界や地域、経験年数などによって年収は大きく異なりますので、個々の状況に応じて詳細な情報を参考にすることが重要です。

2.日本の平均年収・中央値との比較

日本全体の平均年収は約433万円中央値は約399万円となっています。(国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」「毎月勤労統計調査 令和3年9月分結果」「毎月勤労統計調査 令和4年2月分結果」による)

薬剤師全国平均
平均年収約551万円約433万円
中央値約507万円約399万円

薬剤師の年収をこれらの数字と比較すると、薬剤師は全体的に高収入であることが分かります。

ただし、薬剤師の資格を持つだけでは高収入が保証されるわけではなく、努力やスキルアップが求められる職種です。

また、業界や地域によっても収入に差がありますので、転職や就職を検討する際には、総合的な情報を参考にすることが重要です。

3.薬剤師の平均月収と中央値はどれくらい?

「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」によると、薬剤師の平均月収は約38.7万円中央値は35万6700円です。

平均年齢41.1歳
平均勤続年数9.1年
平均月収(残業含まず)38万7700円
月収 中央値約35万6700円
平均残業時間9時間

ただし、年数や勤務地によって月収は異なりますので、具体的な数字は個々の状況に応じて変動します。また、労働条件や福利厚生も十分に考慮することが重要です。

【2024年最新版】薬剤師の平均月収!都道府県別ランキングで徹底比較

4.薬剤師の平均ボーナスと中央値はどれくらい?

薬剤師の平均ボーナスは約85万円中央値は78万円です。

ただし、会社や業種、勤務地などによってボーナス額は大きく異なるため、一概には言えません。

また、ボーナスは業績や個人の評価によっても変動することがあります。転職や就職先を選ぶ際には、年収や月収だけでなく、ボーナスや福利厚生など、総合的な情報を参考にすることが重要です。

最新!薬剤師の平均ボーナスは77万円!賞与UPのコツも完全解説

5.薬剤師の平均大卒初任給と中央値はどれくらい?

薬剤師の平均大卒初任給は30万4600円で、中央値は約28万円です。

初任給の設定として、一般的に約25万円~35万円程度の企業が多く、製薬会社では初任給が高い傾向があります。

ただし、勤務先や地方によっても初任給は異なってくるため、賞与や昇給の制度も合わせて総合的に判断することが重要です。

薬剤師の初任給ガイド!勤務先・地方別の知るべき給与の実態

6.男女別・年齢別・地域別:薬剤師の年収中央値データ比較

薬剤師の年収中央値は、男女別では男性がやや高めであり最高値は55~59歳の約748万円です。男性は年齢が上がるにつれて増加する傾向があります。

女性の場合は35~39歳で年収中央値は下がるものの40代で再び上昇し、40代後半からは500万円台後半で推移しています

また、30代薬剤師の年収中央値は女性で約503万円、男性で約526.5万円です。30代薬剤師の年収相場としては500万円がひとつの基準と言えます。

男性女性
 20 ~ 24歳約350万円約362万円
 25 ~ 29歳約414万円約416万円
 30 ~ 34歳約479万円約525万円
 35 ~ 39歳約574万円約481万円
 40 ~ 44歳約637万円約554万円
 45 ~ 49歳約629万円約577万円
 50 ~ 54歳約654万円約583万円
 55 ~ 59歳約748万円約598万円
 60 ~ 64歳約536万円約539万円
 65 ~ 69歳約447万円約587万円
 70歳~約499万円約564万円

また、地域別では都市部近郊や地方の都道府県の方が年収が高く、首都圏では若干低めになることが多いです。

2024年の厚生省データを元にすると、どの都道府県も年収中央値は前年比で30~50万円のプラスでした。

特に、広島県、秋田県は年収中央値でも600万円を超えた高年収となっています。

またランキング上位となった秋田県、宮城県は2023年では年収中央値の都道府県ランキングで下位だったものの、2024年は順位を大きく上げています。

ランキング上昇都道府県年収中央値(残業無し)前年比
8広島県約622万円+50万円
33秋田県約614万円+49万円
34宮城県約588万円+47万円
4位3鹿児島県約575万円+46万円
5位13鳥取県約554万円+44万円
6位21香川県約544万円+43万円
7位39三重県約542万円+43万円
8位9愛知県約537万円+43万円
9位2長崎県約530万円+42万円
10位35島根県約529万円+42万円
・・・
14位6大阪府約521万円+42万円
15位1福岡県約521万円+42万円
16位17兵庫県約514万円+41万円
・・・
23位10東京都約505万円+40万円
・・・
43位14埼玉県約448万円+36万円
47位17徳島県約396万円+32万円

特に、茨城県・群馬県・栃木県・静岡県が高く、東京よりも東京からこれらの都道府県へ通勤した方が年収では有利です。

また、長崎県・佐賀県も年収が高く、福岡よりも薬剤師の年収中央値は高いです。

また、首都圏の埼玉・神奈川・兵庫県などは薬剤師の充足率が高く、平均年収は低めとなっています。

ランキング都道府県年収中央値
1位茨城県約567万円
2位鹿児島県約550万円
3位静岡県約548万円
4位群馬県約536万円
5位長崎県約525万円
6位大阪府約514万円
7位佐賀県約513万円
8位栃木県約510万円
9位広島県約507万円
10位大分県約504万円
・・・
13位東京都約489万円
16位福岡県約482万円
17位愛知県約481万円
30位埼玉県約458万円
33位神奈川県約448万円
34位兵庫県約440万円
・・・
47位和歌山県約358万円

年収を考え、働く都道府県を検討する価値はあると思いますが、働く環境や職場の雰囲気なども重要なポイントであるため、総合的な働きやすさも考慮することが大切です。

各都道府県の最新の全国薬剤師年収ランキングはこちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

【2024年版】薬剤師の全国年収ランキング!厚生省データで都道府県別の比較を徹底解説

7.業種別薬剤師年収中央値:病院・調剤薬局・ドラッグストア

業種別の薬剤師年収中央値では、ドラッグストアが約480万円と最も高く、次いで調剤薬局で約460万円病院で約435万円の順となっています。

調剤薬局やドラッグストアでは、経験やスキルに応じて年収が上がり、ドラッグストアの場合はエリアマネージャーなどの管理職になることで、年収が高くなることが多いです。

病院では専門スキルが求められますが、ドラッグストアや調剤薬局勤務に比べるとやや控えめな傾向があります。

8.経験とスキルが年収にどれほど影響するのか?

経験とスキルは薬剤師の年収に大きな影響を与えます。

経験年数が多いほど、専門知識や技術が豊富になり、年収が上がることが一般的です。

また、特定の分野に精通しているスキルがある場合も、年収が高くなる傾向があります。

そのため、薬剤師としてキャリアを積むうえで、経験とスキルの向上は重要なポイントとなります。

8-1.経験年数別の薬剤師年収中央値データ

薬剤師の年収は、経験値によって大きく変わります。

薬剤師の経験年数別の年収中央値は経験年数0年で約363万円、1~4年では約437万円、5~10年では約480万円、10~14年では506万円と経験年数が増すにつれて上昇します。

具体的には以下の表の通りで、10年ほどで月収は約6万円、ボーナスは約85万円ほど増えるため、年収にして10約140万円上がることになります。

経験年数月収中央値ボーナス中央値年収中央値
 0年約32万円約7万円約363万円
 1~4年約34万円約68万円約437万円
 4~9年約36万円約86万円約480万円
 10~14年約38万円約92万円約506万円
 15年以上約44万円約112万円約594万円

具体的なデータを見ると、職種や業界によっても差がありますが、経験年数が増えるほど年収が上がりやすい傾向が明らかです。

しかし、地域や働く病院、薬局によっても年収に差が生じますので、一概には言えません。

このデータは参考として活用し、転職やキャリアアップを検討する際に考慮してみてください。

8-2.薬剤師が身に付けるべきスキルとは?

薬剤師が身に付けるべきスキルは、専門知識の習得やコミュニケーション能力です。

特に、患者さんや医師とのコミュニケーションが取れるカウンセリング力も重要です。

病院薬剤師やドラッグストアの管理職では、業務効率化やチームワークを向上させるためのマネジメントスキルも求められます。

今後は、AIによって調剤などの対物業務は代替されていくとみられているため、対人業務に注力して患者さんとのコミュニケーション能力を伸ばしていくと良いでしょう。

これらのスキルを身につけることで、より高い評価を受け、年収アップに繋がる可能性が高まります。

8-3.スキルアップと年収アップの関係性

スキルアップは、薬剤師の年収アップに直結します。

なぜなら、スキルを証明できればより高い給与を提示してくれる企業への転職が可能となるからです。

例えば、認定薬剤師や専門薬剤師になることで、企業からの評価は大きく変わります。

これにより、昇給や役職昇格のチャンスが増え、年収が上昇することが期待できます。

また、他の薬剤師と差別化が図れるため、スキルアップを図ることは転職と年収アップには有利です。

9.年収アップを目指す薬剤師のキャリアプラン

年収アップを目指す薬剤師にとって、キャリアプランは重要です。

自分のスキルや専門知識を向上させるための研修に積極的に参加しましょう。

実績を積むために、業務改善や新しい取り組みを行うことも、キャリア高めるには効果的です。

また、転職を検討する場合は、年収アップが期待できる企業や職場をリサーチするようにしましょう。

希望にマッチした求人を見つけるには、転職エージェントを活用すると効果的なので、活用してみてください。

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9-1.薬剤師が収入アップを目指す重要なポイント

薬剤師が収入アップを目指すには、まず業務範囲を広げることが大切です。

例えば、調剤だけでなく、在宅医療などの幅広い職種にチャレンジしましょう。

また、スキルアップも重要で、地域包括ケアシステムの専門家として活躍することが求められます。

さらに、地方では都市部に比べて薬剤師不足が深刻であり、地方で働くことで収入がアップする可能性があります。

また、パートや派遣ではなく、正社員として働くことも収入アップにつながります。

9-2.専門知識・資格を活かすキャリアアップの道

専門知識・資格を活かすキャリアアップの道として、まず、認定薬剤師制度を活用し、専門性を高めると良いでしょう

また、製薬会社では研究職として専門スキルを生かすことが可能です。

このほか管理薬剤師として、薬剤師の教育・研修や調剤業務の改善に携わることもキャリアアップの道となります。

さらに、海外で薬剤師として働くための資格取得も視野に入れると良いでしょう。

海外での求人や語学力を活かすことができる環境で、薬剤師として更なるキャリアアップが期待できます。

薬剤師の年収中央値データを活用したまとめと今後の展望

薬剤師の年収中央値データを活用して、収入アップやキャリアプランを検討することが重要です。

自身のスキルや経験を生かし、効果的なキャリアアップを図ることで、収入や働きがいを向上させることができます。

今後も、データを参考にしながら、薬剤師としてのキャリアを見つめ直すことが大切です。是非、この機会に転職サイトやエージェントに登録し、自分に合った新しいキャリアを探してみてください。